登山好き、鉄道好きなら行ってみたい!台湾のパワースポット「阿里山」

JTB台湾
飯田尚美

台湾のパワースポット、阿里山とは?

台湾でも春のシンボルとして愛でられている桜。レトロな機関車と一緒にパチリ。

古くから、原住民族ツォウの人々にとっての聖地であり、台北の人々にとっては人気の避暑地でもある阿里山。鉄道を利用すれば、登山に慣れていない人でも、楽々アクセスできる便利さ、駅周辺に残るレトロな街並み、ツォウ文化など、台湾の他の地域とは違う見どころが、ここ数年、人気となっています。
台湾では、阿里山の見どころとして、「日の出」「夕霞」「雲海」「鉄道」「神木」の5つが有名で、「五つの宝」と呼ばれていますが、最近の新しい傾向としては、春の「お花見」が、新たに阿里山の見どころとして加わっています。

阿里山観光の中心となるエリアは、山頂付近に広がる森林公園「阿里山国家森林遊楽区」。ここでは春になると、台湾品種で赤い花びらの山桜と、ピンク色の日本と同じ品種、例えば吉野桜、千島桜、大島桜、八重桜を見ることができます。最も多いのは吉野桜、次いで台湾山桜、八重桜が多いそうです。吉野桜が植えられたお花見のための歩道も整備されており、阿里山賓館/梅園および阿里山派出所/祝山登山口の各ルートで楽しむことができます。

もうひとつ必見ポイントは、樹齢が千年以上となる神木。今も数十本が健在です。現存する最も古い木は、高さ45m、樹齢は推定2300年と言われています。なお、阿里山で最も古い木といえば、かつては樹齢3000年以上の紅桧(ベニヒノキ)、「阿里山神木」で、周囲の長さは14.6m、高さ53mの威容を誇りましたが、1998年、腐食による倒木などの危険から、主幹を切る措置がとられました。平沼駅の近くから、神木が茂る森の中へと続く遊歩道が整備されていて、森林浴におすすめです。

日本統治時代に整備された阿里山森林鉄道

阿里山の歴史を語る上ではずせないのが、森林鉄道です。19世紀末の日本統治時代、ベニヒノキなどの高価な木材を運び出し、日本国内の神社や仏閣の建物に使うという目的で、1899年から鉄道工事が始まりました。20世紀になると、旅客を載せて、阿里山まで運行するようになり、嘉義駅から沼平駅まで、全長70km超の路線が完成しました。海抜30メートルの嘉義から、同2216mの阿里山駅や同2451mの沼平駅まで上っていくため、途中には約50か所のトンネルと、70以上の橋梁があります。
同じように、峡谷や川の上の橋を運行している、日本の大井川鉄道および黒部峡谷鉄道との間で、姉妹鉄道にもなっています。

阿里山から眺めるご来光。この瞬間を楽しみに、大勢の人が訪れます。

1986年には、山頂でご来光を見る展望台の最寄り駅、祝山駅まで、全長6.25kmの支線「祝山線」が伸びています。この区間のみ、深夜、日の出の時間に合わせて運行しています。
所要時間は、阿里山駅から山頂の祝山駅までは約25分。同駅から展望台までは、歩いて5分とすぐですが、日の出の時刻は、大勢の人で混雑しています。山の静寂な空気を味わうために、鉄道は利用せず、登山するというアウトドア派も多いです。この場合は、沼平公園から「観日歩道」の看板に従って進みます。ご来光スポット到着までの所要時間は、約40分の道のりとなります。
山頂からの眺めは、ダイナミックな雲海が織りなす絶景でも知られています。気象条件にも左右されますが、晴れた日の早朝や夕方には、この世のものとは思えない、不思議な景色を堪能することができます。

「南台湾の九份」と呼ばれるレトロな街並み、奮起湖

台北から訪れる場合、嘉義駅までのアクセスは、台北から高鐵で向かうと、片道1時間半から2時間ほどになります。そこからさらに阿里山の山頂までは、3時間以上の旅程となります。
残念ながら、阿里山の山頂まで向かう時間がない、という場合は、嘉義駅から奮起湖駅までの区間を往復するルートがよいでしょう。阿里山森林鉄道の人気スポット、奮起湖は、三面を山に囲まれた小さな街で、かつては鉄道が運ぶ貨物や木材の中継ステーションとして賑わい、沿線最大の街に発展しました。やがて阿里山自動車道が開通すると、鉄道による輸送は衰退していきますが、最近、レトロな観光スポットとして注目されるようになっています。

同区間の距離は45.8km、片道の所要時間は2時間半前後。車窓からの景色は、ヤシの木が茂る熱帯の景色から、やがて亜熱帯、温帯の植物、そして針葉樹が高くそびえる林へと移り変わります。一度にこれだけ多様な自然環境を目にする機会は、かなりめずらしいのではないでしょうか。
奮起湖の駅周辺には、20世紀初頭の風情が残る老街が広がり、鉄道の旅の途中で、地元産のお土産ショッピングや散策を楽しむのにもおすすめ。古い木造の建物や石畳の階段はどこか懐かしく、「南台湾の九份」と呼ばれているのもうなずけます。老街の先には、森林浴が楽しめる観光歩道が南北に広がっています。ここで散策を楽しみ、再び鉄道で下山するコースになります。

「奮起湖」という名前が付いていますが、実は周辺に「湖」はありません。この一帯は海拔1405mに位置し、東・西・北の三方を山に囲まれているため、霧に覆われていることが多く、遠くから見ると、まるで山のなかにある湖のように見えることから、この地名がついたそうです。
台湾の人にとって、奮起湖で必ず味わいたいもののひとつが、名物の駅弁です。阿里山鉄道が物流の要であった時代、ここは主要な中継地点だったので、早朝、嘉義を出発した人が、ちょうどランチタイムの頃に奮起湖に到着し、駅弁を買ったのだそうです。とても歴史ある駅弁、鉄道ファンや駅弁ファンの方は、ぜひ一度お試しください。
最後に、阿里山の名産品で、ぜひおすすめしたいのが烏龍茶です。台湾で、最も標高の高いところで栽培されており、すばらしい香りがあります。台北市内でも売っていますが、ぜひ現地で探してみてください。

阿里山まで鉄道の旅を楽しみたい方にとって、心強い味方といえば、台湾高鉄。賢く乗りこなして、台湾の多彩な魅力に出会ってください。鉄道の旅の起点となるのは、台北と高雄になります。併せて滞在をお楽しみください。JTBがおすすめする現地発着ツアー情報は以下へ。

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