全5室のプライベートな時間を歴史とモダンが交叉する湯宿で過ごす贅沢【長野県 松籟荘(しょうらいそう)】

長野
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純和風の客室「きく」の庭園を望む露天風呂
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公開日:2025.07.23
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更新日:2025.07.23
江戸時代の寛政年間より200年以上続く湯田中温泉の湯宿「よろづや」の離れとして1939年(昭和14年)に建てられた「松籟荘」。多くの人々に愛され、2003年(平成15年)には「よろづや」の桃山風呂とともに国の登録有形文化財に認定されましたが、2021年(令和3年)2月11日に「松籟荘」は火災のため焼失してしまいました。 そして、2024年(令和6年)3月、再建を期待する多くの声に応えるべく日本の伝統的な意匠と時代に合わせた快適性を兼ね備えた全5室のスモールラグジュアリーの高級宿として新たにオープン。 数寄屋造りの粋を極めた各室には庭園を望みながら温泉に浸かれる露天風呂を配し、部屋食が味わえるダイニングや建物内に専用の個室食事処を設けるなどプライベートを重視した空間では上質のホスピタリティが提供され、もうひとつの我が家のようにまわりを気にすることなく心身をリラックスさせることができます。
JTB地域ナビゲーター 長野県担当 酒井 勇輔
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日本の伝統意匠を再現した客室「きく」の主室
国の登録有形文化財に認定された「よろづや」の桃山風呂
また、道を挟んだ場所に建つ「よろづや」の多彩な温泉施設を利用できるのも魅力のひとつ。安土桃山時代の伽藍建築をもとに1953年(昭和28年)に完成した桃山風呂や野趣あふれる庭園露天風呂など、3つの源泉を引き込んだかけ流しの湯めぐりが楽しめます。
木造2階建ての和の建築美を魅せる「松籟荘」の外観
「松籟荘」までのアクセスは、長野電鉄湯田中駅から徒歩約7分、無料の送迎バス(要予約)も用意されています。車の場合は上信越道信州中野IC.より約15分です。周辺には車で約10分の地獄谷野猿公苑、車で1時間圏内に志賀高原や善光寺など魅力的なスポットが点在しているので温泉と合わせて観光にも出かけてみましょう。

伝統美が感じられる室内と露天風呂で思い出に残る時間を

和を基調にベッドを置いて快適性にも配慮した和洋室「なでしこ」
ゆったりと湯に浸かりながら広がる庭園を望むテラス付の露天風呂
「松籟荘」の全5室の客室はそれぞれに特徴がありますが、共通しているのは日本建築の美しさと旧松籟荘の意匠を宮大工の伝統技術で再現したこと。なかでも、主室と寝室、ダイニングの3間に、専用のテラスと庭園、露天風呂を配した「きく」と「はぎ」は純和室のスイートルーム。同じ3間でも寝室にベッドを置いて快適性を高めた和洋室の客室「なでしこ」も用意。ベッドルームとリビングルームの二間からなるツインベッドルーム「こまくさ」と「しゃくなげ」は、2階にありながら坪庭があり各部屋から季節の移ろいを感じることができるなど、随所に繊細な心配りの設えが感じ取れます。
客室とお庭の間に内露地を設けた客室「はぎ」
3間の客室に用意された部屋食用のダイニング
大切な人と自由気ままに過ごしたり、広い湯船の露天風呂に浸かってゆったり流れる時間に身を委ねて湯浴みを楽しんだり、ダイニングで朝夕の食事を味わったりと、気兼ねなく思い思いに贅沢な時間を満喫したいですね。 3間タイプは約90㎡、2間タイプでも約60㎡の広さがあり、純和室と和洋室、ツインベッドルームの3タイプの客室があるので、間取りや設えなどを比較しながら旅の過ごし方に合わせてぴったりの客室を選んでみましょう。
浴後はゆったり広縁でここちよい風を感じながらくつろぎましょう

日本の四季を料理で表現した本格会席料理を五感で味わう

信州の特産品をはじめ全国の選りすぐりの食材を使用した美味満載の会席料理(イメージ)
「松籟荘」の夕食は、信州の豊かな食材と全国から厳選して取り寄せた旬の食材を使用した季節感あふれる「萬ばん」会席が自慢。在イギリス日本国大使館の大使専属料理人を務めた経験を持つ料理長が腕を振るう料理は、美しい繊細な盛り付けや音と香りが楽しめ、口に運んだ後の食感や美味など五感に響く四季の味わいが大きな特長となっています。もちろん、季節の移ろいとともに使用する食材や調理法が変わるので、訪れるたびに新しい驚きと発見が体験できるのも魅力です。 また、全国的に有名な信州の地酒とのマリアージュもぜひ試してみましょう。「松籟荘」では定番の銘柄に加えて、そのときどきでおすすめしたい季節限定の地酒をセレクトしているので、料理との相性も感じながら味わえば日本の食の豊かさを再認識できるはずです。
ツインベッドルームの客室専用として用意された個室食事処
小鉢とメイン料理、サラダなどが重箱に盛り付けられた3段重の和食膳(イメージ)
朝食は四季折々の旬の食材をバランスよく揃えた三段重の和食膳として提供されます。ふっくらと焼き上げた魚や少量多品種の小鉢、新鮮な野菜のサラダやフルーツなど季節の恵みをたっぷり詰め込んだヘルシーな朝食で1日をスタートしましょう。

歴史や温泉文化にふれながら6つの温泉施設を湯めぐり体験

美しい建築美も魅力の「よろづや」の大浴場「桃山風呂」
「松籟荘」には客室の露天風呂のほかに温泉施設はありませんが、「よろづや」の温泉施設などが無料で利用できるので、ぜひ訪れて湯浴みを楽しんでみましょう。 なかでもおすすめしたいのが3つの温泉施設。1つ目は、釘を使わずに木を組んだ伽藍建築の湯殿で、折り上げ格天井や御影石の浴槽に特徴がある総面積200㎡の大浴場「桃山風呂」。国の登録有形文化財に指定されていて、約40㎡の湯船で湯浴みを楽しみながらまわりを眺めると建物の美しさにも魅了されます。 2つ目は、桃山風呂の屋外に併設された「庭園露天風呂」です。大きな岩と森に囲まれた露天風呂では昼間に四季折々の風情を映し出し、ライトアップされた夜は幻想的な空間が広がり、時間帯で異なる魅力を放っています。 そして3つ目は、「よろづや」の隣にある湯田中温泉の外湯「大湯」です。地域の皆さんが管理しているので通常は入ることができませんが、「松籟荘」の宿泊ゲストは無料で利用可能。地域に昔から根付いている温泉文化にふれる貴重な機会なのでぜひ訪れてみたいですね。
桃山風呂をでた先にある、豊かな自然に囲まれた庭園露天風呂
2つのサウナと温泉風呂が貸切で利用できるプライベートSPA「梵」
「よろづや」では、2023年2月に温泉スチームサウナとロウリュウサウナ、水風呂で心身をととのえながら貸切温泉が楽しめるプライベートSPA「梵」(要予約)がオープン。温泉蒸し風呂や檜桶ジャグジーバスなどがある大浴場「東雲風呂」、「東雲(露天風呂)」もあるので、湯めぐりをしながら3つの源泉を引き込んだかけ流しの温泉を満喫しましょう。
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