先進的な取り組み
伊香保温泉と言えば、365段の石段と湯けむりが魅力の温泉街だ。
でも、「身体の不自由なお客様の要望にお応えしたい」というオーナーの考えで、石段脇の中心地域から少し外れた広大な敷地にあえて移転したのが「ホテル天坊」だ。こうしてバリアフリールームを作ることができる広さを確保した。これが1968(昭和43年)のことだから、かなり先進的な取り組みだったと言える。
こうして広い敷地に、客室数も多くなり「ホテル天坊」は大型ホテルとなった。
玄関前の駐車場も広く、ロビー横にはキッズスペースがあり、子供達の笑い声が響く。プールやカラオケルームなど施設が充実し、三世代の家族旅行にぴったり。
バリアフリールームとバリアフリー対応の貸切風呂
和洋室のバリアフリールームは一般客室の2倍の広さで、ベッドが置かれた洋室と和室があり、和室も車いすのまま入ることができる。
バリアフリー対応の貸切風呂「からっ風」が利用しやすい。
家族で介助しやすいように脱衣所とトイレが広く、浴場も6人が入れる大きさ。もうひとつの貸切風呂「かかあ天下」はバリアフリー対応ではないが、やはり6名が入ることができて、三世代家族向きのお風呂だ。
伊香保温泉では茶褐色の「こがねの湯」と、さっぱりとした無色の「しろがねの湯」の2種類を愉しめる。「ホテル天坊」にも2種類のお湯が引かれており、貸切風呂には「しろがねの湯」、大浴場には「こがねの湯」が注がれている。
山崎まゆみさんのプロフィール紹介
山崎まゆみ 温泉エッセイスト・跡見学園女子大学兼任講師(観光温泉学・観光取材学)
現在33カ国の温泉を訪問。観光庁や地方自治体の観光政策会議に有識者として多数参画。
ユニバーサルツーリズムについての活動は、内閣官房東京オリンピック・パラリンピック競技大会推進本部事務局「ユニバーサルデザイン2020評価会議」、観光庁「ユニバーサルツーリズム促進事業」など、様々な委員を歴任。
NHKラジオ深夜便で「バリアフリーで温泉を楽しむ」に出演中(毎月第4水曜日)
東京新聞で「バリアフリーで行こう!」連載中(毎月第2・4水曜日掲載)
著作には『行ってみようよ! 親孝行温泉』は「バリアフリー温泉で家族旅行」のシリーズ第3弾。この他、温泉や旅にまつわる書籍『宿帳が語る昭和100年』など多数。
4月8日には新刊『おいしいひとり温泉はやめられない』(河出文庫)が発売。