わずか7室に宿泊する旅人を迎え入れる瀟洒な宿の玄関
公開日:2025.12.11
|更新日:2025.12.11
石川県・加賀温泉郷の奥座敷、山中温泉の中心を流れる渓谷・鶴仙渓に面した静寂の中に佇む小さな宿「胡蝶(こちょう)」。昭和初期に建てられた書院造りの建物を活かしつつ、書院・数寄屋造りそれぞれの美しさと日本庭園が織りなす和の空間は、訪れる人を非日常へ誘います。
鶴仙渓を望む露天風呂付き客室や、一棟貸切の特別室「聚楽第」(じゅらくだい)。九谷焼で提供される旬の地物を使った加賀懐石。日本三大名湯の山中温泉の湯に浸かれる露天風呂や貸切風呂など、すべてが上質で静謐。夕暮れには山肌を染める光の移ろいを眺め、朝は渓流のせせらぎで目覚める。そんな穏やかな時間が心ゆくまで満喫できます。
本格的書院造りの「聚楽第」は、昭和15年に建てられた由緒ある建物
宿周辺には「あやとりはし」や「こおろぎ橋」など、散策に適した名所も点在。日常を離れ、心身を整えるおとなの温泉滞在が満喫できます。
「胡蝶」までのアクセスは、JR加賀温泉駅から加賀温泉バスで山中温泉下車後、徒歩約10分。車の場合は、北陸自動車道の加賀ICから国道を経由して約25分。
鶴仙渓を望む露天風呂付き客室で過ごす贅沢な時間
いつでも温泉が楽しめる月の棟「露天風呂付き客室」の露天風呂(一例)
わずか7室の「胡蝶」は、全室が木造数寄屋造りで設えられ、落ち着きと温もりを併せ持つプライベート空間です。鶴仙渓に面した客室の窓を開ければ、清流のせせらぎが静かに響き、春は新緑、夏は深緑、秋は紅葉、冬は雪景色と、四季折々の風景が絵画のように広がります。
緑の庭を望む和の趣に包まれた、月の棟「露天風呂付き客室」(一例)
人気のある月の棟「露天風呂付き客室」は、主室15畳もしくは12.5畳と副室6畳のゆったりした間取りで、檜の香りが漂う露天風呂を完備。湯船に身を沈めれば、眼下に鶴仙渓の絶景が広がり、朝は小鳥のさえずり、夜は満天の星空を眺めながら、自分たちだけの時間をゆっくり過ごせます。和室の畳は心地よく、布団はふっくらとした羽毛掛布団を使用。食事は夕食・朝食ともに客室でゆっくり味わえます。
やすらぎを感じる数寄屋造りの鳥の棟一般客室(一例)
月の棟には「一般客室(内風呂付)」タイプも用意。同じ和の趣と美しい景観を大切にした鳥の棟には「一般客室(内風呂付き)」があり、「鳥の棟露天風呂付き客室」は、スイート「岩船」としてリニューアルしました。お部屋のお庭から直接つながる「専用の個室お食事処」、自然を眺めながら湯浴みを愉しめる「露天風呂」を備えています。
専用の露天風呂と内湯がつながるように配置された特別室「聚楽第」
近江八景を彫り込んだ欄間など部屋全体が芸術作品のような特別室「聚楽第」
また、特別室「聚楽第」は一棟貸切で、総面積240㎡の書院造り2階建て。書院や格天井、土縁、庭園、専用露天風呂を備え、まるで古き日本の伝統文化が息づく別邸で過ごすかのような贅沢さです。記念日やお祝い、特別な夫婦旅に最適で、庭園越しに四季折々の景色を独占できます。
地元食材と器が織りなす、五感で味わう加賀懐石
四季折々の味覚を受け継がれる伝統技で仕上げた加賀懐石(イメージ)
「胡蝶」の料理は、北陸の豊かな地産食材と伝統の調理技法が融合した本格加賀懐石。春はホタルイカや山菜、秋は香箱ガニ、冬は加能ガニや寒ブリが夕食の膳を彩ります。肉料理には、能登牛や加賀野菜を使用。料理長が素材と火入れ、盛り付けに至るまでこだわり抜いた懐石形式で堪能できます。
器に盛り付けられた料理を目と舌で堪能できる「胡蝶」の夕食(イメージ)
器の美しさも特筆すべき点。九谷焼の華やかさと山中漆器の深い艶の組み合わせは、料理を芸術品のように魅せてくれます。たとえば、朱漆の椀に盛られた炊き合わせ、白磁皿に引き立てられた焼き魚など、視覚的にも季節と地域の美食を堪能できます。夕食・朝食ともに部屋食に対応しているので、渓流の音をBGMに贅沢な時間を楽しみたいですね。
朝食は和定食スタイル。炊き立てのご飯をお櫃で提供し、ハタハタの一夜干し、地卵の出汁巻き、加賀野菜の煮物、味噌汁など、旬の地元食材をふんだんに取り入れたメニュー。朝の光に照らされた渓流を眺めつつ、湯気立つ味噌汁の香りに包まれる時間は、心身ともに穏やかに目覚める瞬間となります。
静寂と湯けむりに包まれた鶴仙渓を望む露天と四季の風景に浸る
岩が囲む湯船にカラダを沈めてのんびり湯浴みができる「月かげの湯」
白鷺の湯とも言われ日本三大名湯とされる山中温泉は、開湯1300年の歴史を持つ古湯。「胡蝶」では、大浴場「月かげの湯」や「川かぜの湯」、貸切風呂「山なみの湯」で湯浴みが楽しめます。
内湯から庭園風の露天風呂へと続く「月かげの湯」は、四季の自然美を眺めながら湯に浸かれるのが特徴。「川かぜの湯」は、鶴仙渓やあやとりはしを見下ろすロケーションが最大の魅力です。夜の時間に男女が入れ替わるので、1泊2日でどちらの湯も入ることが可能です。
四季の景観をそよぐ川風を受けながら眺めて、心地よく湯に浸かれる「川かぜの湯」
泉質は、カルシウム・ナトリウムー硫酸塩泉で、疲労回復や冷え性、美肌や保湿効果も期待されています。やや広めの貸切風呂「山なみの湯」(要予約・有料)は、静かな山の景色を眺めながらゆったり浸かれるので、プライベート温泉を満喫しましょう。
温泉と静寂に身を委ねることで十分な癒やされたら、館内の「湯あがりサロン」でくつろいだり、九谷焼ギャラリー「蔵」で古九谷など「胡蝶」秘蔵の品々を目の当たりにしたり、川沿いの遊歩道を散策したりしてみましょう。あやとりはし下の鶴仙渓遊歩道沿いには、4月1日~11月30日まで期間限定の茶屋がお目見えします。
(まとめ)
数寄屋造りの美と渓流沿いの静寂が響き合うおとなの隠れ宿「胡蝶」。わずか7室のプライベート空間で、露天風呂や庭園を眺めながら湯に浸かり、旬の地物を使った加賀懐石を堪能して、非日常の贅沢を存分に味わいたいですね。