ドイツ南部、フランクフルトから約35km離れたところにある化石採掘地区。ここからは大量の化石が発見され、その地質学的および考古学的見地から浮上に重要な場所である。この地域で出土するのは5300万~3700万年前の始新世期に生きていた生物で、なかにはヒトとサルをつなぐ最古の生物かもしれないとされるイーダもあり、当時の生態系を網羅するほどの豊富な化石が確認されている。メッセル・ピットはもともとは鉱物の採掘所だったが、1875年に自然学者ルドルフ・ルードリッヒがワニの一部を発見。その後、さまざまな化石が発見されるものの、風化しやすい岩質のため、鉱石の採掘が優先された。この採掘場が廃坑になると、産業廃棄物の投棄場とする案が浮上。市民や学者の強い反対により、1992年に自然保護区に指定された。1995年にはドイツ初の世界自然遺産に登録された。