12~16世紀にかけて発展した、アルプスの北に位置するザルツァハの谷にある宗教施設群。この地で修道院を設立したのは、シトー派の修道士たちだ。彼らは贅沢な聖堂の建設や典礼を行う教会のあり方に疑問を呈し、厳格な戒律遵守をモットーとした。こうした姿勢が貴族の支持を得、12世紀半ばに300以上の修道院を設立する。そのひとつ、マウルブロンの修道院は1147年に建てられたもので、ドイツ初のシトー会修道院でもある。その後、宗教改革の時代にプロテスタントに接収。1556年には神学校となり、以降、名門神学校をとして知られ、詩人のヘルマン・ヘッセらを排出した。修道院としての期間は約400年。その間の時代によって変わっていった信仰や建築様式、文化の変遷などを今に伝える。1993年、世界文化遺産に登録された。