その「つるや」に、2021年にユニバーサルデザインの客室「白(はく)」ができました。
「白」はロビーの右横にあり、扉を開けると左側に食事ができるダイニングルーム、奥にはベッドルーム、さらに行くと洗面台スペースと露天風呂があるウッドテラスへと続きます。
客室内は基本的にフルフラットです。ベッド横の扉からシャワーブースへと移動できて、シャワーブースには湯船まで続くウッドチェアーが設置されているので、腰かけたままシャワーを浴び、そのまま湯船に移ることができます。客室からシャワーブース、露天風呂へは扉ひとつで直結しているので、車いすユーザーに優しい動線です。デッキには寛げるソファーも置かれてあります。
また「白」にはプライベートなダイニングルームがあるので、客室内で食事が摂れます。
大浴場は畳敷きに改修したので滑りにくく、転倒しても大きな怪我につながりにくいお風呂です。
次回も天童温泉のユニバーサルデザイン化した宿をご案内します。
山崎まゆみさんのプロフィール紹介
山崎まゆみ 温泉エッセイスト・跡見学園女子大学兼任講師(観光温泉学・観光取材学)
現在33カ国の温泉を訪問。観光庁や地方自治体の観光政策会議に有識者として多数参画。
ユニバーサルツーリズムについての活動は、内閣官房東京オリンピック・パラリンピック競技大会推進本部事務局「ユニバーサルデザイン2020評価会議」、観光庁「ユニバーサルツーリズム促進事業」など、様々な委員を歴任。
NHKラジオ深夜便で「バリアフリーで温泉を楽しむ」に出演中(毎月第4水曜日)
東京新聞で「バリアフリーで行こう!」連載中(毎月第2・4水曜日掲載)
著作には『行ってみようよ! 親孝行温泉』は「バリアフリー温泉で家族旅行」のシリーズ第3弾。この他、温泉や旅にまつわる書籍『宿帳が語る昭和100年』など多数。
4月8日には新刊『おいしいひとり温泉はやめられない』(河出文庫)を発売。