立山黒部の観光名所
黒部ダムが位置する立山黒部エリアには、大自然を感じられる観光スポットが揃っています。ここでは立山黒部にある観光名所を5つ取り上げて、それぞれの魅力をご紹介します。
・黒部ダム
・室堂平・みくりが池
・弥陀ヶ原(みだがはら)
・称名滝
・美女平
黒部ダム
標高約1,470メートルに位置する黒部ダムは、国内でも最大規模のアーチ式ダムとして知られています。総貯水量は約2億立方メートルといわれ、東京ドーム161杯分の水をたたえています。
ダムの建設には7年の歳月がかかり、延べ1,000万人を超える人が関わったといわれています。工事の様子は『黒部の太陽』として映画化されたほどで、その歴史を知ると見学の際の感慨もひとしお。ダムの上部は歩いて渡れるように整備されており、周辺には売店や資料館など見どころも豊富です。
観光シーズンになると毎秒10トン以上の水を放出する「観光放水」が行われ、運が良ければ虹を見ることもできます。周囲を取り囲む山々や湖の景色も美しく、写真映えするスポットとしても人気です。
室堂平・みくりが池
室堂平は、世界でも有数の豪雪地帯。立山黒部アルペンルートの中心に位置しており、標高約2,450メートルのエリアに広がっています。
室堂平では、四季折々の景色を楽しめるのが特徴。夏には高山植物が咲き揃い、冬〜春になると雪が一面を覆い尽くす銀世界に変わります。
また、室堂平のシンボルとして知られているのが「みくりが池」。透き通るような青い湖面に山々が映り込む絶景は、思わず見入ってしまうほどの美しさ。温泉や宿泊施設もあり、登山やトレッキングの拠点としても人気です。
弥陀ヶ原(みだがはら)
弥陀ヶ原は、標高約1,930メートル付近に広がる湿原地帯。国際的にも貴重な湿原であることから、ラムサール条約にも登録されています。
湿原の中には池塘(ちとう)と呼ばれる小さな池が約3000個も点在しており、空や山を映し出す光景が見どころのひとつ。遊歩道が整備されていて歩きやすく、ルートも豊富なため、トレッキング初心者の方にもおすすめのスポットです。
称名滝
称名滝は落差350メートルを誇る、日本一の落差の滝。日本の滝百選、日本の音風景100選、国指定の名勝および天然記念物に選ばれています。
室堂平からの雪解け水が流れ込む6月頃には隣に「ハンノキ滝」が現れ、2本の滝が並ぶ姿は圧巻です。
駐車場から滝までは歩いて30分ほど。道中には称名平休憩所があり、称名滝の詳細が模型や映像でわかりやすく解説されています。奥にあるレストハウスでは、そばやうどん、ソフトクリームなどのグルメも楽しめます。
美女平
美女平は立山杉やブナの原生林に囲まれた、静かな森の散策スポット。中には樹齢1000年を超える巨木もあり、全国「森の巨人たち百選」に選ばれた木々を間近で見られます。
木漏れ日の中を歩けば鳥のさえずりが響き、オオルリやキビタキなど60種以上の野鳥が観察できることも。森林浴やバードウォッチングを楽しめる、自然好きにはたまらないエリアです。
黒部ダムの見どころ「観光放水」
黒部ダムの風物詩といえば、迫力満点の観光放水。
黒部峡谷の景観維持を目的として、6月下旬頃〜10月中旬頃まで行われています。勢いよく放たれる水が霧のように広がる光景は目を見張るほどの美しさ。日差しの角度によっては水しぶきに虹がかかり、幻想的な風景が広がります。
ここでは、黒部ダムの「観光放水」を望める鑑賞スポットと、それぞれの特徴についてまとめました。
【鑑賞スポット①】ダム展望台
黒部ダム駅から続く220段の階段を登った先にあるのが、標高1,508メートルのダム展望台。立山連峰を背に、黒部ダム全体と北アルプスを一望する絶景が広がります。
放水の迫力とダム湖の広がりを上から眺められるため、撮影スポットとしても人気。休憩所や喫茶スペースも併設されており、ひと息つきながら黒部ダムの風景を楽しめます。
【鑑賞スポット②】放水観覧ステージ
黒部ダムのえん堤とほぼ同じ高さに設けられた「放水観覧ステージ」は、水しぶきを間近に感じられる人気のビュースポットです。
ダムレストハウスからスロープでつながっており、車いすやベビーカーでもアクセスしやすいバリアフリー設計。家族連れや年配の方にもおすすめです。
※天候によっては利用できないこともあるため、現地での案内をご確認ください。
【鑑賞スポット③】新展望広場・レインボーテラス
新展望広場・レインボーテラスは、観光放水を間近で眺められるスポット。黒部ダムの水しぶきが風に乗って、舞い上がるミストを感じられることもあります。ベンチに腰をおろして、山並みや放水の迫力を楽しむのもおすすめです。
広場の一角には、建設当時に活躍した大型ダンプカーのタイヤ跡を残したモニュメントもあり、工事の歴史を肌で感じられます。
【鑑賞スポット④】ダムえん堤
長さ492メートル、高さ186メートルを誇る黒部ダムのえん堤は、日本一の規模を誇る圧巻の構造物。えん堤部分は実際に歩くことができ、両側には湖と谷を望む開放的な風景が広がります。
中央付近は記念撮影にもぴったりのスポットで、奥にそびえる立山連峰を背景にした撮影もおすすめ。えん堤付近では、マスコットキャラクター「くろにょん」に出会えることもあります。
立山黒部の季節別の見どころ
立山黒部エリアでは、季節ごとにさまざまな風景を楽しめます。ここでは、立山黒部の季節別の見どころをまとめました。
・【春】雪の大谷
・【夏】トレッキングで高山植物鑑賞
・【秋】立山ロープウェイからの紅葉
【春】雪の大谷
春の黒部観光で最も話題を集めるのが「雪の大谷」。室堂平では、春から夏前にかけて高さ20メートルにもなる雪壁が道路沿いにそびえ立ちます。
雪の大谷は冬の間に積もった大量の雪を除雪することで現れる光景で、歩行者専用の見学通路「雪の大谷ウォーク」が特に人気です。雪のトンネルを歩く感覚は、ほかではなかなか味わえません。
【夏】トレッキングで高山植物鑑賞
夏の立山では、標高ごとに異なる高山植物が姿を見せます。主な見どころは、室堂平からみくりが池周辺、弥陀ヶ原や天狗平など。散策コースの至るところでチングルマやミヤマリンドウ、ナナカマドといった植物が咲き乱れます。
歩道は歩きやすいように整備されている場所が多く、初心者でも楽しめるコースが豊富に揃っています。
【秋】立山ロープウェイからの紅葉
大観峰と黒部平を結ぶ立山ロープウェイは、支柱のない構造が特徴。秋になると360度のパノラマビューで紅葉を一望できます。
後立山連峰を背に、山肌を染める錦と黒部湖のエメラルドグリーンが鮮やかに映える姿は、立山黒部アルペンルートでも屈指の絶景。タイミングが合えば、紅葉の中に雪化粧の山頂が重なる「三段紅葉」が見られることも。
黒部ダムのアクセス方法
黒部ダムは富山県と長野県とのほぼ県境に位置しているため、アクセス方法は「富山ルート」と「長野ルート」の2通り。また、黒部峡谷を走るトロッコ列車を使った旅行もおすすめです。
以下では、それぞれのアクセスについて解説します。
ケーブルカーやロープウェイに乗るなら「富山ルート」
ケーブルカーやロープウェイを乗り継いで風景をゆったり楽しむなら「富山ルート」がおすすめ。
富山県側から黒部ダムを目指す場合は、立山駅から出発して、ケーブルカーやロープウェイ、高原バスなどを順に乗り継いでいきます。
途中には室堂平や大観峰といった絶景スポットがあり、移動そのものを楽しめるのが魅力。乗り換えこそ多いものの、立山黒部アルペンルートに沿って進めば迷いにくくなっています。
車でアクセスするなら「長野ルート」
長野県側から黒部ダムへ向かう場合は、扇沢駅に向かいましょう。長野市から車で約2時間、松本市からは1時間半ほどでアクセス可能です。扇沢駅からは関電トンネル電気バスに乗り、約16分でダムに到着します。
移動距離が短く乗り継ぎもないため、車でアクセスする場合はとてもスムーズ。時間に余裕がない旅行者や、高齢の方におすすめのルートです。
黒部峡谷を走るトロッコ列車もおすすめ
黒部峡谷鉄道のトロッコ列車は、宇奈月駅から欅平駅までを約1時間20分かけて走る観光列車。車窓には黒部川沿いに渓谷や切り立った岩肌、緑豊かな山々が次々と現れ、写真好きの旅行者にも人気です。
黒部ダムには直接アクセスできないものの、富山側からアクセスする場合には日程に組み込むことも可能。アルペンルートとはまた違った黒部の一面に出会える列車です。
立山黒部観光ならJTBのツアーがおすすめ
立山黒部の観光を効率よく満喫するなら、JTBのツアーやオプショナルプランが便利です。黒部ダムを巡る定番ルートのほか、添乗員同行ツアーやトンネル工事跡見学ツアー、アルペンルート内に泊まるプランなども充実しています。
立山黒部アルペンルートの移動がスムーズに組み込まれており、乗り換えやチケット購入の手間を省けるのがポイントです。温泉地に泊まるプランや、季節限定のアクティビティが含まれるツアーもあり、初めて旅行する方でも安心して参加できます。
黒部ダム観光のポイント
最後に、黒部ダム観光のポイントをご紹介します。スムーズかつ快適な旅行を楽しむために、以下のポイントをまとめました。
・立山黒部観光の所要時間
・立山黒部観光の服装
立山黒部観光の所要時間
立山黒部アルペンルート全体を観光するには、最低でも半日以上の時間を確保するのがおすすめ。たとえば富山側から黒部ダムを経て長野側へ抜ける場合、乗り物の乗り継ぎや観光時間を含めて6~7時間程度を見込む必要があります。
室堂平や弥陀ヶ原などに立ち寄りたい場合は、一泊二日でゆとりをもって巡るのも良いでしょう。季節や混雑状況によって所要時間が変わることもあるため、事前に時刻表を確認しておくと安心です。
立山黒部観光の服装
標高2,000メートルを超える立山黒部エリアでは冷え込むことも多く、服装選びが重要です。
春は雪上散策に備えた防水シューズやサングラス、夏は通気性のよい長袖や日差し対策が必須。秋は冷え込みに対応できるフリースや防寒着、冬は氷点下に備えた防寒対策を行いましょう。
年間を通じて天候の急変も多いため、雨具や滑りにくい靴の用意も忘れずに。トレッキングを予定していない場合でも、歩きやすい靴と両手が空くバッグがあると安心です。
大自然を感じたいなら黒部ダム観光がぴったり!絶景を探しに出かけよう
黒部ダム観光について詳しく紹介しました。圧巻の観光放水や北アルプスの絶景を楽しめる黒部ダムは、子どもも大人もワクワクできる絶好の観光スポット。大自然に触れてリフレッシュしたいときにぴったりな行き先です。室堂平や弥陀ヶ原、称名滝など、周辺の観光スポットに立ち寄りながら散策するのもおすすめ。
今回ご紹介した見どころや旅のポイントを参考にして、素敵な黒部ダム観光の旅を計画してみてください。