全部巡ってみたい!ニュージーランドにある世界遺産
南半球の島国・ニュージーランドは日本より一回り小さな国土ながら、雄大な自然がぎゅっと凝縮されています。中でも世界遺産に指定されているエリアは、火山と氷河と豊かな植生とが織りなす絶景が連なり、思わず言葉を失う美しさです。世界遺産に指定されているのは南島の「テ・ワヒポウナム」、北島の「トンガリロ国立公園」、そして南島のさらに南200kmの海上に浮かぶ「亜南極諸島」の主に3か所。この中でも日本から訪問しやすいテ・ワヒポウナムとトンガリロ国立公園についてご紹介します。

ミルフォードサウンドでは、標高1000m超の絶壁を真下から見上げながらクルーズ。
テ・ワヒポウナム
最高峰、氷河、そしてフィヨルドまで多彩な自然に触れる
- 登録名:テ・ワヒポウナム・南西ニュージーランド
- カテゴリー:世界自然遺産
- 登録年:1990年
- 場所:南島 南西部
「テ・ワヒポウナム」は、南島の南西部に広がる広大なエリア。クライストチャーチの南西に位置するウエストランド国立公園~アオラキ/マウントクック国立公園~マウント・アスパイアリング国立公園~フィヨルドランド国立公園の4つの国立公園を含む地域一体が、世界自然遺産として登録されています。
この地域の特徴は、なんといっても氷河、そして氷河が果てしない時間をかけて造った荒々しくも美しい、いくつもの秀峰と峡谷ではないでしょうか。この地域は氷河時代からほとんど変わらない固有の種がいくつも発見されていて、遥か古代の生命の息吹を、感じることができます。
テ・ワヒポウナムの中でも、おすすめのスポットをご紹介しましょう。
<1.マウントクック~氷河のパワーを感じるクルーズも>
テ・ワヒポウナムの自然の中で日本人にも広く知られているのが、最高峰マウントクックでしょう。標高3724mの荒々しい山肌は、氷河によって造られたもの。マウントクックの周辺にはいくつもの氷河があり、今もなお少しずつ動いて峰や谷を削り続けています。周辺をトレッキングできるフッカー氷河や、氷河湖クルーズできるタスマン氷河では、その迫力を間近で感じることができます。

タスマン氷河の迫力を間近で
<2.ミルフォードサウンド>
ミルフォードサウンドは、「フィヨルドランド国立公園」にある14ものフィヨルドの一つ。
氷河が絶壁を荒々しく削り取っていった大峡谷…のように見えますが、実はここは海。氷河によって深く削り取られた入江(=フィヨルド)が、10キロ以上続いているのです。中には1000mを超える絶壁もある、両岸の切り立った山々のずっと先には、タスマン海が広がります。
周囲を山に囲まれているとはいえ、海ですから、時にはイルカの群れと遭遇することもあるとか!
ミルフォードサウンドの見どころをコンパクトに回るショートクルーズもありますが、もし時間があるなら船内で1泊するオーバーナイトクルーズもあります。船から眺める満天の星や、鳥たちの鳴き声とともに目覚めるという、貴重な体験ができるかも。

ミルフォードサウンドは、氷河が流れてきた様が想像できる荒々しさが魅力。
トンガリロ国立公園
3つの火山連なるマオリの聖地
- 登録名:トンガリロ国立公園
- カテゴリー:世界複合遺産
- 登録年:1990年
- 場所:北島 中央部
「トンガリロ」とは先住民族マオリ族の言葉で「南からの冷たい風」という意味。「トンガリロ山」「ナウルホエ山」「ルアペフ山」の3つの火山を擁するこの地域は、マオリの人々の聖地として大切にされてきました。1840年にイギリスの植民地となり、マオリ族の首長がこの地を「国有の自然保全地区」とすることを条件に植民地政府にゆずり、ニュージーランドで最初の国立公園となりました。
後に世界遺産に登録される際にも、人々の文化と深く結びついた地と認められ、世界初の複合遺産となりました。
トンガリロ国立公園の魅力は火山、そして火山が生んだ湖や荒々しい景観です。1時間程度のショートトレッキングから本格的な縦走も可能ですし、冬(6月~10月)にはスキーも楽しめます。周囲には、国内最大の湖・タウポ湖、タウポ湖からの水が流れ落ちる荒々しいフカ滝などもあり、火山の魅力を満喫できます。
またルアペフ山は映画「ロード・オブ・ザ・リング」のロケ地としても知られています。映画では「滅びの山」として登場しています!
JTBでは、これらの世界遺産を手軽に楽しめる現地発オプショナルツアーを企画しています。こちらもご参照ください!

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