旅の輪で広がる、人生の彩り
毎週水曜日更新添乗員や企画担当者が旅行に限らず様々なテーマで、日常のコラムを投稿!
ローマで出会ったイタリアのお菓子「カンノーリ」

■旅の記憶に残るのは、何気ないひととき
これまでいろいろな場所を訪れてきましたが、振り返ってみると、記憶に強く残っているのは、壮大な景色だけではなく、ほんの些細な瞬間だったりします。
たとえば、朝ふらっと立ち寄ったカフェでの一杯のコーヒーや、そこで出会ったひとつのお菓子。
そんな小さな出来事が、その国の印象をやさしく形づくってくれる気がしています。

■イタリアで初めて出会った「カンノーリ」
私にとってそれは、イタリアで初めて訪れたローマで出会った「カンノーリ」でした。
滞在していたホテルの近くに、こじんまりとしたカフェがあり、特別な理由もなく、ふらっと入ってみたのがきっかけです。
ショーケースに並ぶお菓子の中で、ふと目に止まったのが、筒状の生地にクリームがのぞくカンノーリ。
今思えば、本当に何気ない選択でしたが、その一口が、今でも印象に残っています。

初めて口にしたときの印象は、「思っていたよりやさしい味」ということでした。
サクッと軽やかな生地のあとに広がる、リコッタチーズのやわらかな甘さ。
日本でイメージしていた“海外のスイーツ”のような濃厚さとは少し違っていて、素材の味がすっと入ってくるような、そんな上品な甘さでした。
■シチリアから続くお菓子
後から知ったのですが、カンノーリはイタリア南部・シチリア発祥のお菓子だそうです。
本場では、注文を受けてからクリームを詰めることで、あの軽やかな食感を楽しむのが魅力なのだとか。
ローマの街で何気なく食べたあの一つも、遠くシチリアの文化につながっていたのだと思うと、また少し違った見え方がしてきます。
そのときはただ「美味しい」と思っただけでしたが、時間が経つほどに、あのカンノーリの記憶がじわじわと広がっていくように感じています。
今は、「次はぜひシチリアで食べてみたい」そんな気持ちが自然と湧いてきます。
ひとつの味から次の旅へ――そんなふうにつながっていくのも、旅の楽しさなのかもしれません。
もしイタリアを訪れる機会がありましたら、ぜひカンノーリを手に取ってみてください。
華やかなお店でなくても、街のカフェでふと出会う一つが、きっとその旅の記憶をやさしく彩ってくれると思います。
そしていつか、その一口から始まる旅をご一緒できたら、嬉しく思います。


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