フランス西部のポワトゥー地方にある小さな町、サン・サヴァン。この街を流れるガルタンプ川のほとりに、1983年に世界文化遺産に登録された修道院教会が立つ。もともとは、9世紀に建てられたベネディクト修道院だったとされており、11世紀にロマネスク様式で再建。ロマネスク美術の至宝を所有し、なかでも有名なのは、12世紀初頭に描かれたフレスコ画の数々である。412平方mにおよぶ身廊のアーチ型天井には、「天地創造」「楽園追放」「ノアの方舟」といった『旧約聖書』の物語の36場面、玄関廊の壁には「黙示録」が描かれている。地下納骨堂には、聖サヴァンと聖シプリヤンの遺体が納められており、内部には2人の生涯と殉教の物語をモチーフとした壁画も見られる。ほかにも、柱頭の彫刻や石造りの祭壇など、高い芸術性をもつ内部装飾が施されている。