2012年に世界遺産に登録されたスペインのアルマデンは、古代から水銀の産地として知られていた場所。同時に登録されたスロヴェニアのイドリアでは、1490年に水銀が初めて発見され、どちらも、近年まで世界最大の水銀の鉱山として栄えてきた。水銀は銀の製錬に欠かせないものだったため、両鉱山では、水銀関連の技術が発達し、その利用を通じて社会的なシステムを造り上げ、ヨーロッパとアメリカ大陸間の交易の中心となっていった。水銀による銀の製錬技術が、南米での銀の採掘を後押し、スペイン帝国の経済的な基盤を強化とする力となっていたのだ。アルマデンでは、監督官の邸宅やサンミゲル礼拝堂などがある旧市街、鉱山の堅坑、地上部にあるレタマール城や強制労働刑務所などが世界遺産として登録されている。