伊豆ってどんな場所?観光前に知っておきたい基本情報
伊豆は静岡県の東部に位置する自然豊かなエリアです。ここでは、観光を計画する前に知っておきたい基本情報として、エリアの特徴と見どころ、そして東京・名古屋方面からのアクセス方法をご紹介します。
伊豆エリアの特徴と見どころ
静岡県の東部にある伊豆半島は、海と山の両方を楽しめる場所です。断崖が続く迫力ある海岸や、緑豊かな山々が広がっているのが特徴です。半島は南北約60km、東西約40kmに広がり、観光や地理的特徴に応じて大きく以下4つのエリアに分けられます。
・西伊豆エリア(沼津市、伊豆市土肥、西伊豆町、松崎町):夕日の名所で、海越しに富士山を望める景観が魅力
・中伊豆エリア(三島市、函南町、伊豆の国市、伊豆市):歴史ある温泉街や文化的な見どころが多く、落ち着いた雰囲気
・東伊豆エリア(熱海市、伊東市、東伊豆町、河津町):温泉やリゾート施設が多く、海沿いの景観が魅力
・南伊豆エリア(下田市、南伊豆町):透明度の高い海と白砂のビーチが広がり、マリンアクティビティに最適
このように、伊豆はエリアごとに異なる特色を持ち、自然や温泉、アクティビティなど多彩な楽しみ方ができるのが魅力です。
東京・名古屋方面からのアクセス方法
伊豆へは、電車でも車でもアクセスしやすく、目的地や旅のスタイルに合わせて移動手段を選べます。
新幹線を利用する場合は、東京駅または名古屋駅から東海道新幹線で熱海駅や三島駅まで移動するのが一般的です。所要時間は、東京駅から約35〜50分、名古屋駅からは約1時間15分ほどです。
熱海駅と三島駅は、それぞれアクセスの拠点として使い分けられます。目的に応じて以下のように選ぶと便利です。
熱海駅:JR伊東線を経由して伊豆急行線に乗り換えることで、伊豆高原や伊豆急下田など、東伊豆・南伊豆エリアへアクセスしやすい。
三島駅:伊豆箱根鉄道駿豆線に乗り換えれば、修善寺をはじめとする中伊豆エリアへアクセスしやすい。
また、東京方面からは特急「踊り子」を利用する方法もあります。東京駅から伊豆急下田駅や修善寺駅まで直通で行けるため、乗り換えなしで移動したい方におすすめです。所要時間は熱海まで約1時間20分です。
車でのアクセスも便利で、東名高速道路や新東名高速道路を利用すればスムーズに到着できます。観光地を広く巡りたい方や自由な移動を楽しみたい方には車旅が向いています。
伊豆観光モデルコース【日帰りプラン】
ここからは、伊豆をたっぷり満喫できる日帰りモデルコースをご紹介します。雄大な自然に癒やされ、新鮮な海鮮を味わい、名湯の温泉で心も体もリフレッシュ。観光・グルメ・温泉を一度に楽しめる、伊豆ならではの贅沢な1日プランです。
9:30|伊豆高原駅スタート!城ヶ崎海岸で絶景を堪能
旅の出発は、伊豆観光の拠点となる伊豆高原駅から。駅から徒歩約25分で、ダイナミックな断崖絶壁が続く城ヶ崎海岸に到着します。城ヶ崎海岸は、約4,000年前に大室山の噴火で流れ出した溶岩によって形成された、迫力ある海岸線が特徴の景勝地です。
スリル満点の体験をしたい方には、全長48m・高さ約23mの門脇つり橋がおすすめです。門脇埼灯台の展望台に上れば、城ヶ崎の海岸線から天城連山まで広がる360度のパノラマを楽しめます。
海沿いには全長約9kmのピクニカルコースや自然研究路も整備されており、潮風を感じながら散策をするのもおすすめです。
11:00|伊豆シャボテン動物公園で自然体験
続いて訪れるのは、動物と植物のテーマパーク・伊豆シャボテン動物公園。ここでは、約1,500種類のサボテンや多肉植物と、約140種類の動物たちに出会えます。
園内ではリスザルやクジャク、カピバラなどが放し飼いされており、触れあいやエサやり体験も可能です。さらに、日本初のアニマルボートツアーズでは、園内の池をボートで巡りながら「モンキー島」のサルたちを観察できます。まるでサファリ探検をしているかのような体験です。
そのほか、サボテンの寄せ植え体験コーナーや、古代メキシコ文明をモチーフにした石像展示など、ユニークな楽しみ方も充実しています。
13:00|地元の海鮮ランチ
お昼は伊東ならではの新鮮な海の幸を楽しみましょう。伊東は漁業が盛んで、しらすや金目鯛、アジ、サザエ、伊勢海老など、四季折々の魚介を味わえます。
海を眺めながら食事ができるお店や、座敷でゆったり過ごせる落ち着いた食事処も多く、旅の合間にリラックスするのにぴったり。伊東ならではの贅沢な味覚で、お腹も心も満たされるひとときです。
15:00|伊東の立ち寄り湯でリラックス
観光やランチのあとは、温泉でひと息つきましょう。伊東の温泉は江戸時代に徳川家光にも献上された歴史ある名湯で、全国有数の豊富な湯量を誇ります。
市内には個性豊かな温泉施設が点在し、雑木林に囲まれた自然の中の露天風呂や、太平洋を一望できる温泉、スパやエステを備えた施設など、好みに合わせて選べます。
湯気とともに漂う自然の香りや、開放感あふれる景色に包まれれば、旅の疲れもゆっくりと癒されるでしょう。
17:00|お土産を買って帰路へ
旅の締めくくりは、お土産選びです。伊豆には、地元ならではの特産品やスイーツが豊富にそろっています。
和菓子やスイーツでは、駿河湾でしか採れない桜えびを使用したえびせん「桜えびの舞」、金目鯛の出汁を活かした「金目鯛煎餅」、厳選した茶葉を使用したランクドシャ「茶都利(さとり)」など、伊豆ならではの味覚を楽しめます。
駿河湾の深層水から作られた塩や、地元果実を使ったドレッシングなどの特産品もおすすめ。家庭の食卓で伊豆の風味を再び味わえるのも嬉しいポイントです。
伊豆観光モデルコース【1泊2日プラン】
伊豆の魅力をより深く味わいたい方には、1泊2日プランがおすすめです。ここでは、観光スポットやグルメ、温泉を余すところなく楽しめるモデルコースをご紹介します。
【1日目】10:00|修善寺温泉で散策!竹林の小径へ
旅の始まりは、伊豆を代表する歴史ある温泉地「修善寺温泉」から。温泉街の中心を流れる桂川沿いには、風情ある竹林の小径が続き、散策のスタートにぴったりです。約300mの小道を歩けば、竹の葉のざわめきや川のせせらぎが心地よく響き、身も心も癒されます。途中のベンチでひと息つき、深呼吸をすれば日常の疲れもすっとほどけていくでしょう。
温泉街のシンボル「修禅寺」もぜひ訪れたいスポットです。大同2年(807年)、弘法大師空海によって開かれた由緒あるお寺です。宝物館には、鎌倉幕府二代将軍・源頼家ゆかりの面や、北条政子寄進の仏像などが展示されています。
また、子宝の杉で知られる「日枝神社」や、修善寺温泉発祥の湯「独鈷の湯」、5つの橋を巡る「恋の橋めぐり」などの見どころも豊富です。
【1日目】12:00|修善寺エリアで地元グルメを味わう
修善寺エリアは、食の魅力もたっぷり楽しめるスポットです。山や川に囲まれた自然豊かな土地ならではの食材を使った料理が多く、訪れたらぜひ味わってみたいグルメがそろっています。
伊豆の希少な高級食材である川魚のあまご料理や生わさびつきのそばは、清らかな水と気候に育まれた地域ならではの味わいです。また、修善寺特産の黒米を使ったごはんは、見た目も鮮やかで栄養たっぷり。
伊豆のおいしい水で作られるクラフトビールやサイダーも見逃せません。食後には、蒸したての饅頭を楽しむのもおすすめです。
【1日目】14:00|浄蓮の滝・天城越えエリアをドライブ
食事を楽しんだあとは、自然あふれる天城越えエリアへドライブに出かけましょう。
まず立ち寄りたいのは、日本の滝百選にも選ばれた「浄蓮の滝」。高さ25m、幅7mの雄大な滝は迫力満点で、滝の音とマイナスイオンに包まれる時間は心身ともにリフレッシュできます。
滝のそばには観光センターがあり、地元の名産品や軽食も楽しむことも可能です。わさびの辛さとアイスの甘さが一度に楽しめるわさびソフトや、地元で獲れた猪や鹿肉を使った肉まんなど、ここでしか味わえないグルメもそろっています。
時間に余裕があれば、国内最長の石造トンネル「旧天城トンネル」や、伊豆最大の杉の木「太郎杉」を巡るのもおすすめです。
【1日目】16:00|下田方面に移動して温泉宿にチェックイン
下田方面へ移動して温泉宿に向かいましょう。海沿いの宿や露天風呂つきの旅館など、下田ならではの宿泊施設がそろっています。窓から望む海や山の景色、季節ごとの自然を楽しみながら、温泉で心も体も癒されるひとときをお過ごしください。
【2日目】9:00|白浜海岸や爪木崎のビーチを散策
2日目は、下田の美しい海辺で自然を満喫しましょう。
最初に訪れたいのは、約700mの広大な砂浜と透き通った青い海が魅力の白浜海岸です。磯遊びや海水浴はもちろん、海風を感じながら散策するだけでも心がリフレッシュします。
続いて、青い海と岬の絶景が楽しめる爪木崎へ。白亜の灯台や断崖など、雄大な海岸線の景色を堪能できます。岬内にある爪木崎花園の四季折々の花々も見どころのひとつ。特に冬には約300万本の野水仙が一面に咲き誇り、海と花が織りなす絶景を楽しめます。
【2日目】11:00|伊豆グルメを堪能
散策を楽しんだあとは、伊豆グルメを満喫しましょう。海沿いには、新鮮な金目鯛や伊勢海老を使った海鮮料理を味わえる和食店がそろっています。寿司や海鮮丼を気軽に楽しめる店もあり、ランチにぴったりです。
また、天城山の清流で育ったわさびを自分ですりおろし、こだわりの手打ちそばと一緒に味わうそば料理もおすすめです。伊豆を訪れた際には、海の幸から山の幸まで、多彩な味覚を存分に堪能してください。
【2日目】13:00|下田ロープウェイで絶景を楽しむ
寝姿山自然公園にある下田ロープウェイは、下田の街と海を一望できる人気の絶景スポットです。ゴンドラからは青い海や緑の山々、下田市街を見渡せます。春には桜、夏には青い海、秋には紅葉、冬には澄んだ空と、季節ごとに異なる眺めが魅力です。
山頂には展望台のほか、縁結びのスポットや五島記念碑など、立ち寄りたい見どころもそろっています。
【2日目】15:00|帰路へ
下田観光を楽しんだあとは、帰路につきましょう。帰り道には、気になるお店に立ち寄って地元の特産品やスイーツを手に入れるのもおすすめです。
旅の余韻に浸りながら、美しい景色や新鮮な海の幸、温泉での癒しを思い返し、ゆったりとした時間を過ごしながら家路につきましょう。
【テーマ別】シーンで選ぶおすすめ伊豆観光
伊豆には、おしゃれなカフェや絶景スポット、遊園地、パワースポットなどの見どころが豊富にあります。目的やシーンに合わせて行き先を選べば、女子旅やデート、家族旅行など、それぞれにぴったりの観光を楽しめます。
ここでは、テーマ別におすすめの観光アイディアをご紹介します。
女子旅におすすめ!カフェやフォトスポットを中心に巡る
女子旅で伊豆を訪れるなら、おしゃれなカフェとフォトスポットを巡る旅がおすすめです。
たとえば、伊東マリンタウンでは、カラフルな建物や海を背景に写真を撮ったり、ショッピングを楽しんだりできます。また、小室山の山頂にある小室山リッジウォーク“MISORA”では、海と空が一体となった壮大な景色を360度のパノラマで堪能できます。相模灘や伊豆大島を望む展望デッキつきのカフェもあり、絶景を眺めながらくつろぐことも可能です。
伊豆にはほかにも、オーシャンビューのカフェや森の中のテラスカフェが多く点在しており、カフェ巡りを存分に楽しめます。
カップルに人気!絶景&温泉宿のロマンチック旅
伊豆はカップルでの旅行にもぴったりのロマンチックな旅行先です。海や山の景色を眺めながら入れる露天風呂つきの温泉宿や、庭園に囲まれた静かな宿など、二人だけの時間を楽しめる施設が豊富にそろっています。
アクティブなカップルなら、海でのマリンアクティビティや山のハイキングで自然を満喫するのがおすすめです。水族館や動物園など、インドア派のカップルもゆったり楽しめる施設も充実しています。
子連れ旅行なら動物園や遊覧船、体験施設もおすすめ
伊豆で子連れ旅行を楽しむなら、動物園や遊覧船、体験施設を巡る旅がおすすめです。
伊豆アニマルキングダムでは、キリンやサイなどの大型動物へのエサやりや触れあいが楽しめます。ほかにも、日本最大級の爬虫類・両生類の動物園「体感型動物園iZoo」や、ボートで園内を巡りながら動物たちを観察できる「伊豆シャボテン動物公園」など、ユニークな体験スポットがそろっています。
また、堂ヶ島の洞窟めぐり遊覧船や、伊豆マリンタウンの遊覧船で海の景色を楽しむのもおすすめです。
パワースポットを巡るスピリチュアル旅も人気
伊豆は多くのパワースポットが点在する地域で、スピリチュアルな旅にもぴったりです。
熱海の來宮神社には、国の天然記念物にも指定された樹齢2000年以上の大楠があり、パワースポットとしても知られています。また、伊豆半島の先端近くにある白濱神社や浄蓮の滝では、海や滝の自然の力に触れてリフレッシュできます。
安産祈願や恋愛成就で有名な神社も点在しており、ご利益を求める旅にもおすすめです。最後は温泉でゆったりくつろぎ、伊豆ならではのスピリチュアル体験をさらに特別なものにしましょう。
【季節別】伊豆観光の楽しみ方
自然豊かな伊豆では、四季折々の魅力を楽しめます。春は花見、夏は海遊び、秋は紅葉狩り、冬は温泉と、季節ごとの過ごし方をご紹介します。
春|河津桜・伊豆高原の桜並木
伊豆には桜の名所が多く、春の訪れを感じる旅に最適です。
河津町では、例年2月上旬から3月上旬にかけて約8,000本の河津桜が咲き誇ります。河津川沿いに広がる桜並木は圧巻で、多くの観光客が訪れます。河津桜まつりの期間中は、露店や桜のライトアップが楽しめるのも魅力です。
伊豆高原駅の周辺では、2月中旬に早咲きの「おおかん桜」が開花を始めます。3月下旬には全長約3kmの桜並木が色づき、ソメイヨシノによる桜のトンネルを楽しめます。
夏|下田・白浜ビーチとマリンアクティビティ
伊豆の夏は、美しい海と多彩なマリンアクティビティを楽しむのに最適です。
特に下田市の白浜エリアは透明度の高い海と白い砂浜が広がり、海水浴や日光浴にぴったり。ダイビングやシュノーケリング、サーフィン、SUP、シーカヤックなど、初心者向けの体験プランも充実しています。
観光では、下田海中水族館でイルカと触れあったり、龍宮窟を散策したりするのもおすすめです。
秋|修善寺の紅葉と温泉街巡り
秋の伊豆では、山々や神社、寺が紅葉で美しく彩られます。
修善寺は紅葉と温泉街の魅力を同時に楽しめるおすすめのスポットです。修善寺自然公園もみじ林では約1,000本のもみじが色づき、晴れた日には富士山との美しいコントラストも堪能できます。
温泉街や虹の郷でも紅葉を楽しめ、歴史ある雰囲気とともに秋の景色を満喫できます。夜のライトアップされた幻想的な景色も魅力です。
冬|伊豆の温泉宿でゆったり湯治旅
冬の伊豆では、上質な温泉でゆったりとした湯治旅を楽しめます。
伊東温泉や伊豆長岡、修善寺などの温泉地には、温泉を満喫できる宿が多く、心身をじっくりリフレッシュできます。源泉かけ流しの湯船で温まった後は、地元の新鮮な海の幸や山の幸を使った温かい料理を味わえるのも魅力です。
また、立ち寄り温泉や足湯スポットも点在しており、温泉巡りを楽しむことも可能です。
伊豆観光のベストシーズンは?
伊豆観光のベストシーズンは、春と秋です。春は2月上旬から3月下旬にかけて河津桜や伊豆高原の桜並木が見頃を迎え、温暖な気候の中で散策や観光を楽しめます。秋は11月中旬から12月にかけて、修善寺のもみじや大室山周辺のススキが美しく色づき、温泉と自然を同時に満喫できる季節です。
夏は美しいビーチでの海水浴やマリンアクティビティ、花火大会などのイベントが楽しめます。冬は温泉が心地よく、澄んだ空気の中で富士山などの景色を堪能できる静かな時期です。
訪れる目的や旅行スタイルに合わせて、伊豆の四季折々の魅力を満喫できる季節に足を運んでみてください。
伊豆観光におすすめの旅行日数は?
伊豆は東京や名古屋からのアクセスがよく、日帰りでも主要スポットを楽しめます。ですが、魅力的な温泉宿が多いため、余裕があれば1泊して温泉宿でのんびり過ごすのがおすすめです。
初めて訪れる場合は1泊2日で主要スポットを効率よく巡るプランが最適。2泊3日なら、東伊豆・南伊豆・中伊豆など複数エリアを訪れ、温泉や海の幸を楽しみながら観光やアクティビティを満喫できます。2泊以上の滞在なら、観光地をゆったり巡りつつ温泉でくつろぎ、地元グルメも堪能できるため、伊豆の魅力を存分に味わえるでしょう。
日帰りや1泊2日で伊豆の魅力を堪能しよう!
伊豆は、温泉や絶景、四季折々の花々、おいしい料理がそろう魅力あふれるエリアです。新幹線や特急を利用すれば主要都市からのアクセスもよく、気軽に訪れられます。短い滞在でも、温泉街の散策や季節ごとの自然、地元グルメを組み合わせれば、充実した旅が楽しめます。
ぜひこの記事を参考にして、自分にぴったりの伊豆旅行を計画してみてください。