食べずには帰れない!釜山ならではの本場グルメ
今回の旅の一番の楽しみは、やっぱり本場の韓国グルメ。釜山は海の街ならではの新鮮な海産物が魅力です。ソウルとは違う顔ぶれの名物のなかで、実際に食べて“これは釜山でこそ”と思った品々をご紹介します。
・ナクチポックム
テナガダコを唐辛子粉とニンニクの薬味で一気に炒めた、真っ赤な一皿。釜山鎮区の凡一洞(ボミルドン)に専門店が並びます。ここにホルモンとエビを加えた「ナッコプセ」も釜山ならでは。とても辛いですが、タコの甘みやホルモンのコクがたまらなく、箸が止まりませんでした。辛さを調整できる店もあるので、辛いものが得意でない方にも一度味わってみていただきたいです。
・テジクッパ
豚の骨と肉をじっくり煮出した白いスープに、茹でた豚肉とごはんを合わせた一杯。運ばれてきた時点では驚くほどあっさりしていて、ここにニラの和え物(プチュムチム)とアミの塩辛(セウジョッ)、辛味だれ(タデギ)を自分で足していくのが釜山流。少しずつ入れて味が変わっていく過程が楽しくて、気づけばスープまで飲み干していました。西面(ソミョン)にはテジクッパの店が集まる通りがあります。
・ミルミョン
釜山流の冷麺で、夏の定番。麺は小麦粉とサツマイモでんぷんで、牛や豚のゲンコツ、鶏ガラを煮出したスープに、漢方の薬材や野菜を加える店もあるのだそうです。慶尚道の味覚に合わせて薬味がしっかり効いているので、平壌冷麺のような静けさではなく、キリッと辛くて後を引く味わいです。つゆに浸かったムルミルミョンと、たれで和えるビビムミルミョンがあり、迷った際にはご友人などとのシェアもおすすめです。
・シアホットク
小腹が空いたら、ぜひ食べてほしいのがホットク!実は釜山のホットクはソウルとは少し違い、名物の「シアホットク(種ホットク)」は、揚げた生地の中央をハサミで切り開き、ヒマワリの種やカボチャの種、ピーナッツをたっぷり詰め込んでくれます。外はカリッ、中はもちもち、そこに黒砂糖のシロップと種やナッツの食感が加わります。熱々の焼きたては、一度食べたら忘れられないおいしさです!
・プサンオムク
おみやげにも自分用にも買って帰りたくなるのがこれ。1953年創業の老舗で、2013年に影島(ヨンド)の本店をリニューアルして「オムクベーカリー」をはじめてから、練り物はパン屋さんのように選んで買うスタイルになりました。今では120種類以上あるそうで、揚げたてのオムククロケを店先で頬張りながら、次に買う分を選ぶのが私の定番コースです。
海鮮を味わうなら、韓国最大級の魚市場「チャガルチ市場」へ。名前は、かつて海岸を埋めていた砂利(チャガル)に由来するのだそう。朝5時から夜10時まで開いていますが、毎月第1・第3・第5火曜がお休みなので、日程を組むときは要注意です。
夜まで食べ歩きたい日は、チャガルチ駅から徒歩約10分の「富平カントン夜市」へ。2013年に韓国初の常設夜市として開設された市場で、19時半ごろから深夜まで屋台がずらりと並びます。通路は右側通行が暗黙のルールなので、流れに乗って歩くとスムーズですよ。
昼は絶景とパワースポット!海東龍宮寺へ
海を目の前にした岩場にせり出すように建つ海東龍宮寺
釜山でおすすめしたい1日のスケジュールは、「昼に海の絶景を見て、夜に空の絶景を見る」というプラン。
その昼の主役が、海を望む岩場に建てられた絶景のお寺「海東龍宮寺(ヘドンヨングンサ)」です。海雲台(ヘウンデ)からタクシーで約30分、都市鉄道2号線・海雲台駅7番出口から181番バスに乗って約15分という場所にあります。晸庵(チョンアム)和尚が、海辺で龍に乗って昇天する観世音菩薩の夢を見たことから名づけられたと伝わるお寺です。
見どころは、順路そのものにあります。まず松林の間に続く108段の階段。通常お寺は「上る」ものですが、ここは階段を下りきったところで視界が開け、青い海を抱いた伽藍が目の前に現れます。
眺望を最も楽しめるのは、境内の「ヘドジバウィ(日の出岩)」。釜山広域市の公式サイトでも境内随一の絶景スポットとされている場所で、遮るものが何もなく、空と海を横切る水平線の果てまで見わたせます。私が立ったときは風が強く、足元の岩に波が砕ける音と、背後のお経が混ざりあって聞こえてきて感動の体験でした。
もうひとつのビュースポットが、大雄殿の隣の階段を上った先にある海水観音大仏の前。やさしい笑みを浮かべた大仏と、眼下に広がる青い海を一枚に収められるので、写真を撮るならこちらがおすすめです。拝観は朝4時30分からはじまるので、日の出に合わせて訪れる人も多いのだそう。日中は参道の階段がかなり混み合うため、朝いちばんを狙うと、ぐっと静かなお寺に出会えます。
せっかくなら、お寺周辺のスポットにも立ち寄ってみましょう。すぐ近くには国立水産科学館があり、少し歩けばアナンティコーブやヒルトン釜山が並ぶ海辺のタウンで、海を眺めながらひと休みできます。
さらに東海線・オシリア駅の周辺はオシリア観光団地として整備が進み、ロッテワールド・アドベンチャー釜山も。「午前に海東龍宮寺 → 海辺のカフェで休憩 → 午後はオシリア」と歩けば、日が傾くころにちょうど次の目的地へ動けます。
釜山には、ほかにも「海の見え方」が違う絶景スポットがそろっています。時間に余裕がある日は、こちらもぜひ。
海が見える絶景スポット
・青沙浦タリットル展望台
青い龍をかたどった曲線のスカイウォーク。透明な床の下に海が見え、少々スリルを感じます。夏(6〜8月)は20時まで開いているので、日が落ちる時間帯を狙うのがおすすめ。
・海雲台ブルーラインパーク
旧東海南部線4.8kmを再生した路線。尾浦(ミポ)〜青沙浦(チョンサポ)〜松亭(ソンジョン)を走る海辺の列車と、尾浦〜青沙浦の2kmを地上7〜10mの高さで進むスカイカプセルがあります。スカイカプセルは片道約30分。ゆっくり進むぶん、海の色の変化を独り占めできます。
・荒嶺山展望休憩所
遮るもののないパノラマで、釜山の街と海を一望。夕暮れどきは空が赤く、街が金色に染まっていきます。春は桜並木、夏はヒノキ林、秋は紅葉と、山側の季節感も楽しめる場所です。
・五六島 スカイウォーク/松島雲の散歩道
五六島は高さ35mの海食崖の先端に立つ透明な床のスカイウォークで、東海と南海が出合う海を真下に見下ろせます。松島は釜山最大規模の海上遊歩道で、夜23時まで歩けるので、夕食後の散歩にもぴったりです。
夜は広安里ビーチへ!空を埋めるドローンショー
海東龍宮寺のある機張(キジャン)から人気のビーチエリア・広安里(クァンアンリ)までは、同じ日のうちに移動できる距離。龍宮寺の入口から181番バスに乗って海雲台方面へ向かい、センタムシティ駅で都市鉄道2号線に乗り換えて3駅、広安(クァンアン)駅で降りればもう海の匂いがします。昼の絶景と夜の絶景を1日でつなげられるのが、釜山という街の贅沢なところ。
夕方の早い時間に着いたら、ぜひ少しだけ昼の広安里も歩いてみてください。この海辺は日中、驚くほどのんびりしています。海辺のテーマ通りは散歩にも自転車にもぴったりで、ワンちゃんを連れた地元の方とすれ違うのも日常の風景。
モーターボートやバナナボート、パドルボードやウィンドサーフィンのレッスンまで、マリンレジャーの選択肢も豊富です。泳がない日は、広安大橋を正面に望むカフェの窓際席が特等席。
季節ごとに表情が変わるのもこの海辺の魅力です。初夏には伝統漁法を再現する「広安里オバン祭り」が開かれ、夏は海水浴と夜通しの賑わい。秋には釜山最大のイベント「釜山花火祭り」の舞台になり、2026年は11月7日(土)に広安里海水浴場・二妓台・冬柏島一帯で開催されます。冬は空気が澄んで、初日の出を待つ人が海辺に集まります。
そして日が落ちると、いよいよ主役の登場。毎週土曜日には「広安里M(マーベラス)ドローンライトショー」が開催されます。以前より進化していて、今は1日2回、1回あたり12分以上。夏季(3〜9月)は20時と22時、冬季(10〜2月)は19時と21時に打ち上がります。
常設公演でも約1100機、特別公演では最大3000機の規模になり、夜空に絵が浮かび上がる瞬間は幻想的で思わず声が出ます。うれしいのは、季節やタイミングでテーマが入れ替わること。私が調べただけでも「広安里ビーチ with スポンジ・ボブ」、「韓国の粋」「ポケモン のんびりバカンス in 広安里」、「NAVER WEBTOON in 広安里」、「スペース・アドベンチャー」と、キャラクターものから伝統文化までバリエーションが多彩。大晦日のカウントダウンや旧正月には特別公演が開かれるそうです。何度訪れても同じ絵を見ないので、リピーターの方にもおすすめです。
観覧のコツは3つ。1つ目は、海辺のどこからでも見えるので無理に最前列を狙わないこと。2つ目は、20〜30分前には場所を決めておくこと。ドローンが上がる直前は浜辺の人口密度が一気に上がります。3つ目は、天気予報を必ずチェックすること。雨や強風、台風、通信状況によって前日や当日に中止・遅延になることがあります。
年中開催されているとはいえ、天候だけは味方につけたいところです。ショーが終わったら、そのまま民楽(ミンナク)の刺身タウン(民楽活魚市場)へ流れて、海を見ながら遅い夕食にするのがおすすめです。
何度訪れても楽しい!リピーターの釜山の歩き方
釜山は、2回目・3回目のほうがおもしろくなる街だと思っています。定番を押さえたあとは、エリアごとに「今日はここだけ」と決めて掘り下げるのが、おすすめの旅の組み立て方です。
ショッピングなら、まず西面(ソミョン)。地下街と百貨店が集まる釜山最大の繁華街で、隣の田浦(チョンポ)カフェ通りまで歩けば雰囲気が一変します。もとは工具店が並んでいた通りがカフェ街に生まれ変わったエリアで、個性的な焙煎の店が多く集まっています。
古い釜山を歩きたい日は、光復路(クァンボンノ)から南浦洞(ナンポドン)へ。BIFF広場、国際市場、富平カントン夜市が徒歩圏なので、食べ歩きと買い物が同時に楽しめます。この一角にある「BIG shop」は釜山市のシティブランドショップで、釜山オリジナルキャラクター「プギ」のグッズや、地元の食品・工芸品が並びます。南浦駅7番出口から徒歩約2分、夜21時まで開いているので、夕食のあとに立ち寄れるのも便利でした。
一日じっくり過ごしたいなら、海雲台のセンタムシティへ。ここにある新世界百貨店センタムシティ店は、2009年に「世界最大の百貨店」としてギネス世界記録に登録され、今もその記録を保持しています。館内にはチムジルバン(スパランド)、アイスリンク、映画館、書店、屋上公園まで入っているので、天気が崩れた日の避難先としても便利。買い物の合間にチムジルバンで整えて、また売り場に戻るという贅沢な使い方ができます。
おみやげは、定番と最新を混ぜるのが楽しいですよね。定番は前述のオムクベーカリーの練り物ですが、最近の釜山みやげとして評判なのが「釜山コドゥンオパン」。サバの形をした米粉のパンで、サバは釜山市の「市の魚」でもあります。他にも、テジクッパをラーメンに仕立てた「テグンナミョン」や、干物をきれいにパッケージした「チャガルチオジメ」など、釜山市が選定する「釜山代表観光記念品」に入っている品はどれもかさばらず、人に渡しやすいものばかりです。
そして、リピーターにこそおすすめしたいのが「ホテルを目的地にする」過ごし方。広安里や海雲台のオーシャンビューの客室なら、土曜の夜、部屋の窓がそのままドローンショーの観覧席になります。人混みに出ずに、飲みものを片手にベッドの上から夜空を眺める。これは何度目かの釜山だからこそ選べる贅沢だと思います。翌朝は海沿いを散歩して、テジクッパの店が開くのを待つ。同じ街なのに、毎回まったく違う旅になるはずです。
グルメも絶景も満喫!釜山へ出かけてみませんか?
釜山へは東京から直行便で約2時間30分、関西から約1時間30分とアクセス抜群。時差もないため、週末や連休を利用した気軽な海外旅行にもぴったりです。
おいしいグルメ、絶景、そして韓国ならではの雰囲気を満喫できる釜山。次の旅行先にぜひ訪れてみてください。