インド西部のマハラーシュートラ州北部に位置するワーグラー渓谷には、岩山を掘って造られた古代の仏教寺院、アジャンター石窟群がある。大小30の石窟で構成されるこの寺院は、紀元前1世紀ごろの上座部仏教期に造られた前期窟と、5~6世紀の大乗仏教期に造られた後期窟に分けられる。5つほど残る前期窟は装飾が少なく簡素なつくりで、このほかはすべて後期窟。保存状態のよい壁画や彫刻が多く残り、見ごたえがある。なかでもいちばんの見どころは、ヴァーカータカ帝国の皇帝ハリシェーナが開いた第1窟。日本の法隆寺金堂に描かれる菩薩像の元になっている。