旅する写真家のカリフォルニア Vol.03

潮風に包まれる街、マリーナ・デル・レイへ
2025年10月15日
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海外旅行
旅行記

車の窓を開けると気持ちいい潮風が吹き込み、美しい景色が見えてきた。ここはロサンゼルス近郊にある海辺の街、マリーナ・デル・レイ。ウォーターフロントのホテルやレストランが立ち並び、無数のヨットが停泊する世界最大の人工マリーナが中心部にあり、洗練され、落ち着いた雰囲気のリゾート地。街の喧騒から離れ、優雅な時間が流れる場所を訪れた。

海上からマリーナを堪能する特別な時間

マリーナの風景。船も人も近くで行き交う海の道が広がっている マリーナの風景。船も人も近くで行き交う海の道が広がっている

真っ先に目に飛び込んできたのは、青い海に広がる美しいマリーナ。さすが、スペイン語で「王のマリーナ」という意味を持つだけあり、約5,000隻が停泊する港を大きなクルージング船や小さなヨット、さらには犬を乗せてSUP(スタンドアップバドル)をしている人など、海を満喫している人で賑やかだ。

操縦してくれた女性キャプテン。お客さんとしてセイリング通いを続けていたが、心機一転、船長に 操縦してくれた女性キャプテン。お客さんとしてセイリング通いを続けていたが、心機一転、船長に

マリーナの景色を海からも見たくなり、早速クルージングに。迎えてくれたのは女性操縦士2人。キャプテンは、元会社員だったがセイリング好きが高じて船舶免許をとり、船長へと転職。彼女の凛とした姿と穏やかな笑みが、この港町の自由な空気を象徴しているように思えた。そんな海好きの彼女の操縦のもと、潮風に包まれるのは特別な時間だった。

波風が少ない時はヨットの上も自由に歩き回れていろんな角度で景色を見られる 波風が少ない時はヨットの上も自由に歩き回れていろんな角度で景色を見られる

海上からは開放的な青い景色が広がる。副キャプテンも素敵な女性(右上) 海上からは開放的な青い景色が広がる。副キャプテンも素敵な女性(右上)



地元の人と繋がれるファーマーズマーケットへ

土曜日に一度だけ開催されるファーマーズマーケット。地元の人や観光客で賑わっている 土曜日に一度だけ開催されるファーマーズマーケット。地元の人や観光客で賑わっている

クルージングを終えて街中を散策すると、ファーマーズマーケットが開催されていた。地元の農家や生産者たちが集まり、果物や野菜、スナック、蜂蜜、花、ハンドクラフトなどが並び、色々と目移りしてしまう。店員さんやすれ違う人と笑顔を交わし、華やかさや温かさが満ちている場所だ。

花の香りがいたる所で漂ってくる。一輪買ってホテルの客室に飾ると滞在中も花の香りに癒される 花の香りがいたる所で漂ってくる。一輪買ってホテルの客室に飾ると滞在中も花の香りに癒される

ワンちゃんも飼い主さんと一緒にマーケットを楽しんでいた ワンちゃんも飼い主さんと一緒にマーケットを楽しんでいた



景色も料理も最高のレストラン

レストラン「Brizo Bar & Restaurant」のテラス席からの眺め。目の前には広々としたハーバービューが広がる レストラン「Brizo Bar & Restaurant」のテラス席からの眺め。目の前には広々としたハーバービューが広がる

海風にあたりながらセイリングと街散策をしたら、流石にお腹が空いてくる。ランチはハーバー沿いのレストラン「Brizo Bar & Restaurant」で、南カリフォルニアの食材を使った料理に舌鼓を打つ。

南カリフォルニアの食材を使った料理

ここはホテル「コートヤード&レジデンス・イン・マリーナ・デル・レイ」の中にあり、ハーバーが一望できるオープンテラス席で食事をするのが魅力的。お皿に盛り付けられた料理は彩りも美しく、新鮮な海の幸と大地の恵みの野菜を口に頬張ると、五感が一気に解放される。

カリフォルニアらしい景色、ベニスビーチへ

ベニスビーチ

ランチでお腹を満たした後は、少し足を延ばしてベニスビーチへ。白い砂浜が続く開放感のあるこのエリアは海水浴で人気の場所。サンタモニカも近いけれど、観光客がそこまで多くなく過ごしやすい。マリーナとはまた違った雰囲気で、カリフォルニアらしい景色が広がっていた。

ビーチのすぐそばはショッピングストリートになっていて買い物も楽しめる ビーチのすぐそばはショッピングストリートになっていて買い物も楽しめる

ビーチバレーをしている人たち

カメラをぶら下げて歩いていると「フォトグラファーがいるから、みんなでかっこいいところ見せるよ!」とビーチバレーをしている人たちの声が聞こえる。そんなオープンな会話もカリフォルニアらしさを感じる瞬間だ。

マリーナで歴史のあるブティックホテル「マリーナ・デル・レイ・ホテル」

マリーナ・デル・レイ・ホテル

夕暮れ時、このエリアで歴史のある「マリーナ・デル・レイ・ホテル」に立ち寄った。1964年に建設されたこのホテルは、マリーナのほぼ真ん中に立地していて景色は最高。当時の雰囲気を残しつつ、ブティックホテルのようにスタイリッシュに生まれ変わった。

マリーナ・デル・レイ・ホテル

館内にはこのホテルの建設中の当時の写真やアートが飾られ、吹き抜けのエントランスも気持ちいい。ロビーを通り中庭に出ると、ヨットハーバーが目の前に広がるレストラン「SALT」がある。小腹が空いたので、ここで軽食を取ることに。ウォーターフロントで過ごす時間は自然と心を落ち着けてくれる。新鮮なシーフードとカリフォルニアワインを口に含むと、一日の光景が余韻を持って流れ込んでくる。

州立公園内に佇む「ザ・リッツ・カールトン・マリーナ・デル・レイ」

ザ・リッツ・カールトン・マリーナ・デル・レイ

そして、この滞在を最高にしてくれるのは、オーシャンフロントのラグジュアリーホテル「ザ・リッツ・カールトン・マリーナ・デル・レイ」。州立公園内にあり、まさに海が目の前に広がる最高の立地。部屋のバルコニーから望む港の景色も素晴らしい。

ホテルを海から望むと、まるで海上に浮かんでいるかのように見えるほど海が近い ホテルを海から望むと、まるで海上に浮かんでいるかのように見えるほど海が近い

ロビーには暖炉があり、ウッディで暖かくエレガントな雰囲気。中庭は屋外プールに椰子の木が並ぶカリフォルニアらしい開放的な感じと、いろいろなシーンで過ごすことができる。

中庭には米国で流行のピックルボールを楽しめるコート(左下)やウェディングのできる庭園もある(右下) 中庭には米国で流行のピックルボールを楽しめるコート(左下)やウェディングのできる庭園もある(右下)



インターナショナルな料理を堪能できる「Cast&Plow」

サーモンのオレンジ味噌バター添えの料理はロゼワインとの相性がピッタリ サーモンのオレンジ味噌バター添えの料理はロゼワインとの相性がピッタリ

夕食はホテルのメインダイニング「Cast&Plow」へ。オーガニックの地元の食材や新鮮な魚介は、ひと手間もふた手間もかけられ、丁寧に作られたソースがさらに味に彩りを加える。ニューヨーク出身のシェフは、フロリダ、マウイ島など色々な場所を旅しながら経験を積み、今はここで腕を振るっている。彼らしいバラエティに富んだ料理が味わえた。

農園に足繁く通い、良い食材を探すシェフのジェルメインさん 農園に足繁く通い、良い食材を探すシェフのジェルメインさん

スペイン風ソースが添えられた炭火焼きのタコは白ワインとの相性が最高 スペイン風ソースが添えられた炭火焼きのタコは白ワインとの相性が最高

料理を一口頬張りふと顔をあげると、目の前に広がるのは青い空と海。マリーナ・デル・レイならではの景色を楽しみながら最高の食事が楽しめるのは魅力的。宿泊せずともこの食事をするために訪れる人が多いのは納得だ。

「Sisley Spa」でさらに上質な時間を

Sisley Spa

そして、特別感をさらに深めてくれるのが、ホテル内にある「Sisley Spa」。ヨーロッパのような空間で、フランスの高級化粧品ブランド「シスレー」の最高峰のトリートメントを受けることができる。植物の恵みと繊細な技術が、リラックスできる静けさの中で、肌と心をやさしく包み込んでくれた。

全米ではこことバミューダ諸島のみの貴重な体験だ 全米ではこことバミューダ諸島のみの貴重な体験だ

日中浴びた紫外線も、足のむくみもここのマッサージとトリートメントでリセット。スパを出た後は、肌に残す微かな心地のいい香りと、心身ともに内側からリラックスした感覚が、旅の疲れを心地よく癒してくれた。
部屋に戻る前に、海沿いを散歩するとちょうど夕日に染まる頃だった。マリーナ・デル・レイの魅力は、単なる港町の景色だけではなく、ここで交わされる出会いとゆったりと過ごす時間そのものかもしれない。

マリーナ・デル・レイ



写真・文=葛西亜理沙

<取材協力>
カリフォルニア観光局
マリーナ・デル・レイ観光局
・ザ・リッツカールトン・マリーナ・デル・レイ
住所 : 4375 Admiralty Way, Marina Del Rey, CA 90292

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