

今年も、全国花火競技大会「大曲の花火」が8月の最終土曜日に秋田県大仙市の大曲地域雄物川河川敷で開催される。これは、一流花火師たちが一堂に会し、秘技を競う花火競技大会。100年以上もの歴史を誇る大会は全国的に知られ、夜空に浮かぶ芸術作品を一目見ようと多くの人が訪れる。
ドローン共演
大曲の花火の歴史は古く、江戸時代頃まで遡るといわれるが、資料が少なく正式な年は明らかにされていない。ただ、文化・文政期(1800年初期)に発行された菅江真澄著「月の出羽路」に描かれている民俗行事「大曲ノ郷の眠流」の挿絵には、丸子橋の後方の川原で花火が打ち上げられる様子が描かれている。また、諏訪神社の祭礼でも花火が打ち上げられていたといわれている。
自由玉優勝『美しきサンゴの海』野村花火工業(株)
諏訪神社の祭典の余興として「第1回奥羽六県煙火共進会」が開催されたのは、明治43年(1910年)のことだ。当時、東北で有名な花火師が集まる花火大会が行われることはなく、画期的な催しだと高く評価された。
そして大正4年(1915年)の第4回大会からは「全国煙火大競技会」と名称を変更。その後も戦争により一時中断があったが、終戦の翌年には21回目の「全国花火競技大会」が再開された。
さらに、昭和38年(1963年)37回目に「輸出振興全国花火競技大会」、昭和47年(1972年)46回目に「全国花火競技大会」と名前を変更し、現在に至る。
大会提供花火
1960年代には色、音、リズム、立体感などで表現する「創造花火」が誕生。「ワイドスターマイン」とよばれる、左右幅900mの「大会提供花火」はいまや大曲の花火の名物となっている。さらに、平成5年(1993年)には昼花火競技が正式に始まり、花火師の技術がより深く評価されるようになった。
昼花火
現在「昼花火の部」が開催されている花火大会は、日本で大曲の花火だけだ。これは特に高度な技術が必要とされる花火で、光に代わって煙の色彩や変化する姿を競う。また、「夜花火の部」では「10号・芯入割物(しんいりわりもの)」「10号・自由玉」と、色、音、リズム、立体感などで表現する2分30秒の「創造花火」で競う。
花火師たちが目指すのは、最優秀賞である内閣総理大臣賞だ。この賞を受賞することは花火師にとって最も名誉なことであり、日本一の花火師として全国的に知られることになる。
「春の章」第9回スターマイン
「大曲の花火」は、8月の「全国花火競技大会」の他に、4月には「春の章」、10月には「秋の章」が開催される。「春の章」では、若手花火師たちによる「新作花火コレクション」と海外の花火マイスターによるスペシャルプログラムを披露。10月には地元の花火師たちが集い、劇場型花火で魅了する。
「秋の章」第10回フィナーレ
大曲の花火大会では、古くから玉を製作した花火師が自らの手で打ち上げを行っている。花火師一人ひとりが技を磨き、想いを込めた大曲の花火。花火師は打上げの瞬間に何を想うのだろう。夜空に花開く花火の一つひとつがその答えを教えてくれる。
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