
ロンドンで本場のアフタヌーンティーを体験してみたいけれど、格式高い環境は苦手...。そんな方におすすめなのが、今回ご紹介する「オランジェリー・レストラン」です。ロンドンに8つある王立公園のうちのひとつ、ケンジントン・ガーデンズの広大な敷地内に位置する開放的な空間で、優雅なひとときが楽しめます。
2017年から数年越しの改装作業を経て再オープンしたオランジェリー。元は1704年にアン女王の命により建立された建物で、女王が好んでいた「オレンジ」を冬の間に栽培するための温室として作られました。その後、この柑橘類の香りに満ちた豪奢な建物は「夏の晩餐室」となり、王室の集いが催されていたとのことです。現在ではアフタヌーンティーやランチが楽しめるティールーム兼レストランとなっています。
赤レンガの外観とは対照的な、白を基調とした内装は、高い天井と大きな窓で非常に開放的な空間です。
優雅なソファ席から眺める公園の緑も白い壁に良く映えています。
オランジェリーで楽しめる基本のアフタヌーンティー・セットは一人前56ポンド。定番の三段重ねのスタンドで提供され、上段はミニケーキ、中段にスコーン、下段にフィンガーサンドイッチという王道のスタイルです。また、ヴィーガン向けのセットや、小さい子供でも食べやすい種類のケーキやサンドイッチと共にお茶の代わりのミルクシェイクが付いてくるキッズセットもあります。さらに、少しお値段を上乗せした、英国の夏の定番のお酒「ピムス」またはイングリッシュ・スパークリングワイン付きのオプションも魅力的です。
紅茶は、イングリッシュ・ブレックファストにアッサム、アールグレイ、ダージリンといったクラシックなセレクションはもちろんのこと、ペパーミント、ルイボス、カモミールなどのハーブティーや、マサラチャイ、バニラチャイなど少し変わり種のお茶も選択できます。もちろん差し湯も無料でいただけます。
そして到着したアフタヌーンティー2人分のセットがこちら。上手に写真に収めるのが難しいようなサイズ感です。
今回訪問時のプチケーキのセレクションは、チョコレート・クルスティヤン(ザクザクした土台の上にショコラムースをのせたプティガトー)、ミニラズベリー・ビクトリアスポンジ、エルダーフラワーとレモンのババ(焼き菓子の一種)、そしてオランジェリー・シュー。季節によりメニューは変更になるため、事前にホームページから内容を確認していくのもいいかもしれません。
中段はアフタヌーンティーの顔ともいえる、スコーン。スコーンは半分に割り、コーンウォール産のクロテッドクリームとジャムを同時にふんだんに付けていただくのが英国流です。
下段のサンドイッチは、キュウリ、ハム&マスタード&トマト、トラウト(サーモンと同様の魚)&クリームチーズ、エッグマヨ、コロネーションチキンというセレクション。オーダー時に相談すれば、サンドイッチの種類を交換してもらうことも可能です。
今回、我々一行は4人でアフタヌーンティーセット3人分(2人分+1人分の盛り付け)と、写真手前のキッズセットの計4セットをオーダーしました。一見すると一人分の分量はあまり多くないように感じるのですが、これが驚くほど、食べても食べてもなかなか終わらない!ちなみに基本のアフタヌーンティーのセットは、一人分で1,812キロカロリーとのこと!滅多にない機会なので、カロリーは気にせず最後まで楽しみましょう。
オランジェリーの特徴のひとつとしてよく語られるのが、公園内の立地ということもあり、観光客や小さなお子様連れの家族の利用が多いということ。ドレスコードもカジュアルなもので問題ありません。天気の良い日には特にテラス席も人気ですが、甘いジャムを求めてハチが寄ってくるのもご一興といったところでしょうか。
オランジェリーの真向かいには、故ダイアナ元妃の愛したサンクン・ガーデン(沈床庭園)があります。「沈んだ庭」とは、周囲よりも一段低い位置に作られた庭園のこと。かつての住居であったケンジントン宮殿の目の前に位置するダイアナ妃が愛したこの美しい庭園も、オランジェリーで優雅なお茶の時間を過ごした後にぜひ見ていってください。
<オランジェリー・アット・ケンジントン・パレス>
The Orangery at Kensington Palace
所在地: Kensington Gardens, London W8 4PX
アクセス:地下鉄Queensway駅より徒歩7分
営業時間:10:00-18:00(最終入場16:30)。 事前予約が望ましい
定休日: 無し。営業時間や定休日が臨時で変更になる場合もあるため、最新情報は公式ウェブサイトで要確認