
アイスランドといえば、火山や温泉を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。近年、ニュースでもよく取り上げられるようにアイスランドは火山が活発な国です。そのため地熱エネルギーが豊富にあり、温泉が湧いている場所が多いのです。
そんな「火の国」アイスランドの地熱パワーを体感できるのが「クヴェラゲルジ(Hveragerði)」と呼ばれる町です。
クヴェラゲルジは首都レイキャビクから東へ約45㎞に位置する、人口およそ3,000人の小さな町です。この地域はアイスランドでも特に地熱活動が活発なエリアのひとつで、町中の至る所から蒸気がもくもくと吹き出しています。レイキャビクからクヴェラゲルジに向かう道中にも、地熱発電所や地面から蒸気が吹き出す場所が点在し、地球を身近に感じられるアイスランドらしい景色が広がっています。
アイスランドの人々はお風呂が大好きです。温水プールは地元民の憩いの場ですし、国内には地元の人によって整備された露天風呂が数多く存在します。中には、まったく自然の状態のままお湯に浸かることができる場所もあります。
クヴェラゲルジにはそんな唯一無二の温泉の川が存在します。レイキャダールル(Reykjadalur)と呼ばれるその場所は、地元の人々はもちろん、旅行者にも大人気のハイキングスポットです。名前はアイスランド語で「蒸気たなびく(レイキャ)」と「谷(ダールル)」を意味します。
駐車場から川までおよそ4㎞、1時間半ほどのハイキング
更衣室はなく仕切り板があるだけなのでワイルドに着替える必要がある
ハイキングコースは景色がとても美しく、谷から立ち上る蒸気やアイスランドらしい丘の景色が目の前に広がります。歩いた先には心地よい温度の川が流れ、自然の中でゆったりと浸かることができます。ハイキングのゴールが温泉だなんて、まさにアイスランドならではの体験です。
クヴェラゲルジの町中にはひっそりと佇む地熱公園があります。アイスランドの地熱パワーを見て学んで味わうことができる、おすすめのスポットです。地熱エネルギーや地質学などの展示があり、この地域ならではの自然の仕組みを学ぶことができます。
沸騰している中にライ麦パンのパン種を入れて約18時間待つ
バターをつけて食べるのがアイスランド流
さらに、アイスランドの温泉卵作りや、蒸気で一晩焼いたアイスランド伝統のライ麦パンを味わうことができます。また、園内には20分ごとに噴き出す間欠泉があり、迫力ある光景を間近で楽しめます。
間欠泉
施設情報
Geothermal Park / Hveragarðurinn
住所 Hveramörk 13
営業時間
夏季/6月~8月 月~土:9:00~18:00 日:9:00~16:00
冬季/要問合せ
地熱エネルギーを生かした温室栽培
クヴェラゲルジは豊富な地熱エネルギーを生かした温室栽培が盛んな町で、「地熱の街」や「花の街」として知られています。温室ではさまざまな種類の花や野菜が育てられており、中にはぶどうやバナナといったアイスランドでは珍しい南国の果物まで栽培されています。
地熱公園の温室にて。バナナの実がなった時は販売はせずスタッフが食べているそう
町には温室で栽培された花や野菜を販売する花屋が点在しており、夏には庭に飾る花を求めて多くの人々で賑わいます。
こちらのスーパーでは見かけない小松菜が販売されていた
今回私は2件の花屋を訪れてハーブと野菜、そして花を購入しました。
クヴェラゲルジはレイキャビクからもアクセスが良く、日帰りでも十分に楽しめる町です。小さな町らしいゆったりとした時間が流れていて、レイキャビクとはまた違ったローカルな雰囲気を味わえます。
地球のエネルギーを身近に感じられる町を散策しながら時間を過ごすのもおすすめですよ。
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