イギリス 本場のスコーンの食べ方

海外現地ライター便り
2025年03月14日
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海外旅行
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イギリスのティータイムに欠かせないスコーン。外はサクサク中はふっくらのシンプルなスコーンに、クロテッドクリームといちごやラズベリーなどのベリー系のジャムをたっぷりつけて食べるスコーンですが、イギリスではその食べ方が長く論争になっています。

スコーンはどこで食べられる?

イギリスでもここ10~15年ほどは、世界的な大手コーヒーチェーンが乱立しており「ティールーム」よりは「カフェ」の方が増えてきています。もちろん、イギリスのカフェでも、紅茶やスコーンを食べることもできますが、よりイギリス的な本場の紅茶とスコーンを楽しみたい場合、大きく分けて3つの場所で楽しむことがきます。

ティーラウンジ

ロンドンなどの都市では(高級)ホテルのティーラウンジやおしゃれなカフェバーが狙い目です。

ティールーム

地方都市や田舎町ではいまだに家族経営のほのぼのティールームを見つけることができます。

ガーデンセンター

ガーデンセンターにはほぼ100%カフェが併設されており、イギリスならではのスコーンやケーキ、軽食がリーズナブルに食べられます。

スコーンの正しい食べ方とは?

スコーン

イギリスで長らく結論のない論争となっているのは2種類あるスコーンの食べ方です。横に半分に切ったスコーンにクロテッドクリームをぬり、その上にジャムを乗せるのがデボンシャー式、逆にジャムを先につけてからクロテッドクリームを塗るのはコーンウォール式と呼ばれています。デボンシャー、コーンウォールどちらもイギリス南西部、クロテッドクリームの生産地として有名な地域の名称なので、場所によってメジャーな食べ方が違うということのようです。

ちなみに、私を含め多くのイギリス人は「バター(もしくはマーガリン)を塗ってからトーストにはジャムを付ける」のが一般的なので、その延長でクロテッドクリーム(なんとなくバターに似ているから?)を塗ってからジャムをスコーンにつける人が多いという印象です。

スコーンの食べ方

ところが、ジャムが先でクロテッドクリームが後のコーンウォール式を熱く推す人がいることも事実で、私も実際に試してみました!スコーンの半分はデボンシャー式、半分はコーンウォール式で食べてみるとその違いは明確で、デボンシャー式ではジャムの酸味やさわやかさが強調され、コーンウォール式ではクロテッドクリームの濃厚さが際立ちます。好みの問題ですが、クロテッドクリームをより楽しみたい場合はコーンウォール式をおすすめします。

また、スコーンがあつあつか常温かでも食べ方に影響があります。スコーンが出来立て、もしくは温めてサーブされる場合はクロテッドクリームが先だとクリームが溶ける可能性があります。バターとは違い塗るというよりは「置く」に近いぐらいたっぷりのクロテッドクリームを付ける人が多いので、スコーンが温かい場合はデボンシャー式では食べにくいのかもしれません。

デボンシャー式、コーンウォール式どちらのスタイルでスコーンを食べるのがよりおいしいかぜひ食べ比べをしてみてくださいね!
また、よりイギリスらしさを楽しむためには、一口はわりと大きめにスコーンにかぶりついて若干口の中の水分を奪われたところで濃いめのミルクティーをぐいぐい飲むと、スコーンと紅茶を同時に余すことなく楽しめるのでぜひ試してみてください。

文・写真=フレッチャー愛