カザンは、ロシアの中南部のボルガ川流域にある都市で、チュルク系のヴォルガ・ブルガール人により、10世紀に建設された。13世紀にはイスラム教徒のカザン・ハン国(タタール)の支配下に入る。市内のクレムリン(要塞)は、タタール様式で造られたロシア唯一のもの。1552年にイワン雷帝が征服し、その2年後には、ブラゴヴェウェンスキー大聖堂が建設され、キリスト教化されている。現在見られる石とレンガでできた要塞は、それまでの城塞を基礎として、1556~1562年に建設されている。モスクなどは徐々にロシア正教会へと造りかえられ、クレムリン内部にはブルガル様式、タタール様式、イタリア様式、ロシア様式などの建物が混在している。2005年には、クル シャリフモスクが建設され、カザンでイスラム教とロシア正教が共存する象徴となった。カザンのクレムリンは、2000年に世界遺産に登録されている。