カツオ
カツオ

高知県 カツオの一本釣り

にほん再発見の旅
2026年02月13日
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旅行記

高知県の県魚としても知られるカツオ。高知県民にとって古くから馴染みの深い魚で、消費量も多く、また年間を通じてカツオが水揚げされている。

港

高知県のカツオ漁には沿岸漁業と遠洋・近海漁業があり、沿岸漁業は一本釣り、遠洋・近海漁業は一本釣りと巻き網漁が行われている。一本釣りは江戸時代から続く漁法で、高知県は、土佐藩が鰹節の製造を推奨していたことから、盛んに行われるようになった。
また、巻き網漁よりカツオに傷をつけず、鮮度がよく、貴重な資源を獲り尽くさない一本釣りは現在も多くの地域で行われている。

一本釣り漁の様子 一本釣り漁の様子

カツオの一本釣りは、その名の通り釣り竿で一匹ずつ釣り上げる漁法だ。カツオ漁船は、沖に出るとまず、ナブラを探す。ナブラとはカツオが小魚を追って飛び跳ねることで、水面がバシャバシャと波しぶきを立てる様子や、それを見た海鳥たちが集まる様子のことをいう。かつて漁師たちは長年の経験と勘からナブラを見つけ出していたというが、高知県ではカツオの習性を利用した鋼製表層型浮魚礁の「黒潮牧場」を高知県沖合域に設置。ナブラを探す時間と燃料費が節約され、効率的な操業ができるようになった。

カツオが宙を舞う カツオが宙を舞う

ナブラを発見すると漁船は群れに近づき、イワシなどの生餌を撒いてカツオをおびき寄せる。また、散水機で海面に水を撒くことで、カツオが小魚の群れを見つけたと錯覚。興奮したカツオは、漁師たちが投げ込んだ糸についているカブラという疑似餌に食いつき豪快に釣り上げられる。一本釣りに使用される疑似餌には針の返し(カギ状)がなく、漁師が竿を振り上げると空中でカツオが針からはずれて漁船に落ちるようになっている。5kg以上はあるカツオが宙を舞う様子は圧巻。時間との勝負になる一本釣りが大漁になるためには、さまざまな工夫が施されていることが分かる。

せりの様子 せりの様子

釣り上げられたカツオは激しく暴れるためしばらくすると品質が落ちてしまうが、一本釣りの場合はすぐに冷蔵・冷凍スペースに運ばれるので鮮度を保つことができる。そして漁が終わると新鮮なうちに水揚げを行う。水揚げはカツオを傷めないようにすべて手作業。すぐに市場まで運び、せりにかけられ出荷される。

遠洋への出港の様子 遠洋への出港の様子

沿岸部で行われるカツオの一本釣り漁業の盛漁期は5月、6月、11月。また、遠洋・近海カツオ一本釣り船は、毎年、2月~3月頃太平洋へ出漁し、グアム島の近くから小笠原、東北地方の沖まで約10か月間カツオの群れを追いながら漁を続け、県内漁港だけでなく、鹿児島県、静岡県、千葉県、宮城県などの漁港にも水揚げを行っている。

2月、今年も高知から遠洋に向かってカツオ一本釣り船が出港する。家族・親戚に見送られながら、大漁旗をなびかせ船は大海原へと進んでいく。

一本釣りで漁獲されたカツオ 一本釣りで漁獲されたカツオ

高知県では冬の一時期を除いてカツオは1年中食べられるが、孵化し餌を求めて北上している途中で水揚げされた「初ガツオ」は3月~5月ごろ、北から南下して戻ってきた「戻りガツオ」は9月~11月ごろに味わうことができる。特に戻りガツオは、脂がのっていてたたきに最適だ。
黒潮町では、2026年10月24日(土)に、かつおふれあいセンター黒潮一番館で、「第21回土佐さがのもどりガツオ祭」を開催予定。これは、黒潮町佐賀の漁師のおかみさん達が、一年の豊漁と海上安全を感謝する気持ちを込めたお祭りだ。カツオのタタキやいよめしなど、高知県の名物をたっぷりと味わうことができる。

刺身、たたき、煮付け、塩茹でなどさまざまな料理の仕方があり、たたきについては、高知県の漁師が生み出した調理法であり、地域によって調味料や薬味が異なるなど、奥の深い高知県のカツオ文化。長年にわたって培ってきた独特の文化は、今もなお大切に受け継がれている。

カツオのたたき カツオのたたき

写真・協力=黒潮町海洋森林課 文=磯崎比呂美

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