ハワイの歴史を歩いて学ぶ「ワイキキ・ヒストリック・トレイル」

ALOHA！ ハワイに来たら、毎日慌ただしく観光名所を回るよりも「ワイキキでできることを探してのんびり過ごしたい」という方々も多いことでしょう。ということで、今回筆者はそんな方々のために、ワイキキ内で無料でできて、しかもハワイ（特にワイキキ）の歴史を学べるアクティビティを見つけてきました！

そのアクティビティとは、ワイキキ内の歴史的名所を歩いて回る「ワイキキ・ヒストリック・トレイル」。今でこそハワイの主要観光地として知られるワイキキですが、ハワイ王朝時代は王族が居住する地域でした。ワイキキの中心であるカラカウア・アベニューを歩くと、その歴史的名所にサーフボードの形をした記念碑が建立されており、「ワイキキ・ヒストリック・トレイル」のウェブサイトで記念碑のマップがダウンロードできるほか、カラカウア・アベニューの歩道にあるマップ（上写真）にもその場所が記されています。今回はその中から数ヵ所を選んで回ってみました。

今回はワイキキの中心地のホテル群付近から記念碑巡りを始めてみましょう。まずは海辺に立つホテル「アウトリガー・ワイキキ・ビーチ・リゾート」横のビーチパスを通ってワイキキ・ビーチへ。

このホテル内にある「デュークス」レストランとビーチの境目にあるのが、こちらの「アプアケハウ・ストリーム＆ワイキキ・ビーチボーイズ」の記念碑です。この一帯は、アプアケハウ川がワイキキ・ビーチに流れ込み、かの有名なサーフィンの帝王、デューク・カハナモクも一員だった「ワイキキ・ビーチボーイズ」が活躍した場所だったそうです。

ワイキキ・ビーチからカラカウア・アベニューに戻ると、そこには美しい白亜のホテルが立っています。現在は「モアナサーフライダー ウェスティン・リゾート＆スパ ワイキキビーチ」という名で知られるこのホテルですが、1901年3月11日の開業当時は「モアナホテル」という名前で、その優雅な姿から「ワイキキのファーストレディ」と呼ばれていました。

ワイキキの歴史を語る上で外すことができないこのホテルも、ワイキキ・ヒストリック・トレイルの一部とされています。ホテルの前に小さな看板が立っているので、ぜひ読んでみてくださいね。

旧モアナ・ホテルからダイヤモンドヘッド側へ歩き、ワイキキ交番を過ぎた隣にあるのはこの石碑。これは「カパエマフのヒーリング・ストーン」と呼ばれる伝説的な巨石で、現在のカイムキ地区からここまで運ばれてきたものだそう。タヒチから来た4人のパワフルなヒーラーにより、スピリチュアルなパワーが与えられたと伝えられています。

ヒーリング・ストーンを過ぎたところにワイキキの代表的な記念写真スポットとなっているデューク・カハナモク像があります。ハワイの英雄デューク・カハナモクは純粋なハワイアンとしてワイキキで生まれ育ち、オリンピックで金銀銅メダルを獲得。その後サーフィンを世界に広め、俳優としても活躍した、まさに「ハワイのスーパーマン」的存在です。

デューク像からダイヤモンドヘッドに向かってもう少し歩くと、「プリンス・ジョナ・クヒオ・カラニアナオレ・ピイコイ」、つまりクヒオ王子の記念碑が見えてきます。ワイキキ・ビーチの一帯が「クヒオ・ビーチ・パーク」と呼ばれるのは、以前ここに建てられていた邸宅に居住していたクヒオ王子の名前から来ています。彼の死後、土地はホノルル郡政府に寄付されました。

記念碑のすぐそばには、彼の邸宅が位置していたワイキキ・ビーチを見守るように、クヒオ王子の像が建てられています。クヒオ王子は元々カウアイ島出身の王族でしたが、後にカラカウア王とカピオラ二女王の養子となったそうです。ちなみに、カウアイ島ポイプにもクヒオ王子の史跡が残っています。

こちらは「ワイキキ」の記念碑。歴史の宝庫であるワイキキ全体がハワイの史跡なのです。ワイキキ・ヒストリック・トレイルはダイヤモンドヘッド側から始まるので、このワイキキ記念碑は順番でいうと2番目の記念碑で、1番目は「ワイキキのビーチ」です。

この記念碑の海側には、サーフィンを楽しむ少年とハワイアン・モンクシールの像があります。この可愛らしい像は一見非現実的に見えるかもしれませんが、ハワイの海中や海辺で実際にハワイアン・モンクシールやウミガメ、イルカと遭遇するのは決して珍しいことではありません。

他にもインターナショナル・マーケットプレイスや、カイウラニ・アベニューとクヒオ・アベニューの角に位置するカイウラニ王女の邸宅跡（写真上）にも、ワイキキ・ヒストリック・トレイルの記念碑が設置されています。
ハワイの歴史に興味がある方は、ショッピングやビーチだけでなくワイキキ・ヒストリック・トレイルの記念碑巡りをして、ぜひ奥深いワイキキの歴史的背景を学んでみてくださいね！