
トラベル&ライフ2025年10-11月号の特別企画「秋のしまなみ海道 ライムの里で楽しむ休日」で紹介した中国ターミナルサービス(株)代表取締役の太田透さん。高根島にある長畠農園が育てたライムに3年前に出会い、そのおいしさに感動し、栽培を始めたという。
ここでは本誌では書ききれなかった太田さんのライムに対する想いや栽培への取り組みなどを紹介しよう。
前述の通り、太田さんは中国ターミナルサービス(株)の代表取締役でもある。同社はANA広島地区総代理店として広島空港で、主に国内・国際線の「旅客サービス」「運航支援」「グランドハンドリング」「貨物・郵便取扱」業務を行っている。ライム栽培とは無縁と言ってもいい。
広島空港内にあるラウンジ「YAMANANI VILLA」を受託運営
「最初はライムに興味がなかったのですが、3年前に初めて長畠農園からライムをいただいて家に帰って焼酎に入れて飲んだら本当においしくて。それでこのおいしさを広めたいと、そこからすぐに行動を起こし、仕入・販売を始めました」と話す。
更に、今年に入って岩子島に畑を借り、長畠農園の園主である長畠弘典さんの指導のもと、自らライム栽培を始めた。
同時に中国ターミナルサービス(株)の社内に「瀬戸内ライム研究所」を立ち上げ、ライムの流通にも尽力している。
もちろん、栽培は太田さん一人が行っているわけではない。"クラブ活動"として社内の有志を募りライムを育てている。ちなみに畑のイノシシよけの柵は、ホームセンターで材料を買って社員が作ったそうだ。
「国産ライムの流通量はわずか0.2%。本当のおいしさを知らない人がまだまだいて、そのおいしさを広めるチャンスがあると思うとワクワクします。それにライム栽培をすることは地域の活性化にもつながり、長期的・安定的に成長する企業になると思っています」。太田さんの夢はまだまだ続いていく。
「瀬戸内ライム研究所」及びライムの購入についてはこちら
本誌で紹介した尾道市内の宿泊施設「尾道倶楽部」の「ルーフトップバー」は瀬戸内海を望む特等席だ。暮れなずむ頃から街の灯りが瞬く夜景と美しい眺めを自慢のカクテルとともに楽しめる。
もう1か所、おすすめのビュースポットが三原市の南部に位置する筆影山展望所だ。標高は311mで、春には約2,000本のソメイヨシノが咲き誇る桜の名所としても知られている。晴れた日は遠く四国まで望み、ここから見る多島美は瀬戸内海随一との評判もある。この日は少し靄がかかっていてすっきりとした風景ではなかったが、それもまた味わい深い。