ドイツの世界遺産・ヴァッテン海で夏のバカンス
ヴァットとはドイツ語で干潟という意味。ドイツとオランダにかけて広がる北海沿岸の干潟地域はその多様な生態系から世界遺産に指定されています。日本ではほとんど知られていませんが、ドイツでは夏のバカンス先として人気です。主な見所を交えつつご紹介させていただきます。
北海沿岸の街・ノルデン
オランダ国境に近い北海沿岸の街、ノルデン。
フランクフルトから電車で行く場合は、ケルン等で乗り換えが必要です。デュッセルドルフからは約4時間ほどで、時間帯によっては乗り換え不要のICもあります。ノルデンには、ノルデン(Norden) ノルトダイヒ(Norddeich)ノルトダイヒモレ (Norddeich Mole)の3つの駅があります。
今回は海岸地区のノルトダイヒに宿泊しました。本当は海沿いのホテルに連泊したかったのですが、満室の日があり予定と合わなかったので、前半はビーチから徒歩10分ほどのペンション、後半を海辺のホテルに宿泊することにしました。
このペンションでの朝食は通常ビュッフェですが、今回は予め各テーブルに朝食が準備された形に変更となっていました。ホテルでは通常通りのビュッフェ朝食が提供されました。ホテルの方には小さめのプールが2箇所ありました。
ビーチエリアにはドイツでは定番のシュトラントコルプというビーチ用の椅子が立ち並びます。鍵が掛かっていて、使いたい人は手続きをして借りる必要があります。
海では泳ぐというよりは水辺で遊んだり、浜辺で日光浴をしてる人がほとんどでした。無料で水の出るシャワーや足洗い場何箇所かあって便利です。干潟の海は、時間帯によって違いますが、結構遠くまで歩いていけます。
ただし、潮が満ちてくる時間は言うまでもありませんが、急な天候の変化や泥に足をとられて抜けなくなったりといった事もあるので、じっくり散策したいならウォーキングツアーなどに申し込むのがオススメです。今回は、干潟の生き物を探す家族向けのツアーに参加しました。はぐれない程度にそれぞれ距離を取るよう注意を促してくれるので、参加者同士気をつけながらですが楽しめました。
また、ビーチエリアから少し離れた場所では羊が放牧されています。
ノルトダイヒのダイヒとはドイツ語で堤防や土手という意味なのですが、この堤防に羊を放牧することで、羊が土手を踏み固めてくれるというメリットがあるそうです。また、羊は土手に生えた草を食べることができ、かつ羊の糞尿で土手の土を肥やすことができるという、まさに一石二鳥ならぬ一石三鳥なんだとか。
赤ちゃんアザラシに会える・アザラシ保護飼育所
さて、ビーチエリアから15分程歩くと、アザラシ保護飼育所があります。ドイツ語ではSeehundstationと言います。Seehundがアザラシのことで、See=海とHund=犬の組み合わせなのです。イルカを漢字で海豚と書くような感覚でしょうか?
北海は野生のアザラシの生息地なのですが、お母さんとはぐれてしまった赤ちゃんあざらしが発見されることがあります。その赤ちゃん達を保護しているのがこの施設です。赤ちゃんアザラシはHeulerと呼ばれます。ドイツ語で遠吠えなどを意味するHeulenに由来するようで、お母さんアザラシを呼んで赤ちゃん達が鳴くからだそうです。
開園時間に合わせて行ったのですが、既に2時間待ちでした。考えが甘かったと痛感。館内の入場人数を制限しているようなので、通常より待ち時間が長くなっているようです。
お昼過ぎにやっと入場できました。餌やりの時間が11時と15時なのですが、残念ながら時間が合わずに見ることができませんでした。(特に入場してから何時までに出ないといけないと決まっている訳ではありませんが、朝からずっと並んでいたのでお腹も空き15時まで待つのはやめました。)
保護した赤ちゃん達は一人前になったら海へ返します。その為、春の出産シーズン後の5月~7月ごろは赤ちゃんアザラシがたくさんいますが、それ以外の時期は主に怪我をして海に返せない大人のアザラシ等を保護しているようなので、赤ちゃんアザラシが見たい方は訪問する時期にもご注意ください。
また、Seehundstationから車で10分ほどの場所にあるWaloseumでも赤ちゃんアザラシを保護しています。Seehundstationに比べると規模が小さいですが、こちらもかわいい赤ちゃん達に会えます。
WaloseumのWalはクジラの意味で、館内には2003年にノルトダイヒの沖にあるノルダナイ島に打ち上げられた15メートルのマッコウクジラの骨格標本なども展示されていて見ごたえがあります。こちらも入場人数を制限していましたが、比較的空いていて、15分ほどの待ち時間で入場できました。
海にいる野生のアザラシを見たい!という方は、船で見に行くツアーもあります。沖合いの砂地で日向ぼっこしているアザラシに会えます。潮の満ち引きの関係もあるのだと思いますが、毎日は運行しておらず本数も少ないので、私が乗った船もデッキ部分の席はほぼ満員になりました!
日帰りで行ける・ノルダナイ島とグレートズィール
ノルデンやノルトダイヒからは日帰りで行けるスポットも沢山あります。特に、ノルトダイヒ・モレからはノルダナイ島とユイスト島へいく船が出ています。本数が多くて日帰りでも行きやすいのはノルダナイ島です。片道約1時間で到着します。
ノルダナイ島の港からはバスが出ていますので、中心部まではバスを使うのが便利ですが、歩くのが苦でなければ30分ぐらいでビーチに着きます。バスでは運転手さんからチケットを買うことが可能です。運転席のすぐ横に透明の仕切りがあり、支払いもカードで可能でした。(ただしクレジットカードのタイプによっては使用できないものがある可能性もありますのでご注意ください。)
ビーチはノルドダイヒよりも人が多いと感じました。こちらは干潟ではないですが、遠浅で砂浜が広く、遊具で遊んだり、貝殻を拾ったり、ビーチバレーをしたりと賑わっていました。また、風が強いのでとっても簡単に凧が上がりました。
もう一箇所日帰りでオススメなのがグレートズィールです。特に夏の間はUrlauberbusというバスが運行されていて、ノルデンやノルトダイヒから45分程度でアクセスできます。また、このUrlauberbusはNordsee-Service-Cardを提示すると1回一人1€で利用できます。Nordsee-Service-Cardは宿泊施設でもらえることがほとんどです。今回、ペンションでは何も言わなくてもチェックインの際にもらえましたが、ホテルではもらえなかったので後で聞いてみると渡してもらえました。Nordsee-Service-Cardを使いたい場合は宿泊施設のフロントで聞いてみてください。
Urlauberbusはノルダナイ島同様に運転手さんからチケット購入が可能でした。ノルトダイヒから乗車する場合、時間帯によってはノルデンで乗り換えが必要です。チケットを買う際にグレートズィールに行くと伝えればバスを乗り換えても同じチケットで乗車できます。
Greetsiel Schuleというバス停で降りて5分ほど歩くと屋根が緑の風車と屋根が赤い風車の2つが見えてきます。この地域はオランダ国境に近く、両方ともオランダ式の風車です。
また、街の中心に向かって10分程度歩くと港につきます。ほとんどが漁船なんだそうですが、とってもかわいい!この辺にはレストランやカフェも多いので、景色を見ながら一息つくのもオススメです。
海の近くにある灯台も観光スポットですが、徒歩だと片道1時間はかかります。体力に自信がある方、もしくは自転車をレンタルしてのサイクリングなんかにオススメです。灯台近くの土手ではノルドダイヒ同様に羊が放牧されていることもあります。
世界遺産ヴァッテン海に面するノルデンとその周辺地域をご紹介させていただきました。いかがでしたでしょうか?
(※情報は全て2020年7月に訪問した際のものです。最新情報につきましては、ご訪問前にご確認ください。)
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