「トラコタルパン」とは、先住民の言葉で「水に囲まれた土地」を意味する。その名のとおり、メキシコ湾岸の港町であるベラクレスの南方、パパロアパン川の中州に位置し、18世紀になると内陸の物資を運ぶ水上輸送の拠点として繁栄した。16世紀頃のスペイン中世都市をモデルとした町は、碁盤の目状に配された広い道路の両脇に、豊かな色彩と多様な装飾に彩られたスペインコロニアル風の柱廊付き邸宅、庭園などが立ち並び、中世初期の都市構造を見事なまでに造り上げている。コロンブス広場、カンデラリア聖堂、サン・クリストバル教会などが残されており、スペインとカリブ海地域との伝統と文化を巧みに融合させた都市として評価が高まり、1998年に世界文化遺産の登録を果たした。