メキシコ湾岸に位置するメソアメリカ文明の都市。トトナカ族、ワステカ族によって建設されたといわれ、テオティワカン帝国の崩壊からアステカ帝国が最盛期を迎える間にあたる9~13世紀には北東メソアメリカで最も重要な中心地であった。その高い文明は湾に沿って広がり、その後、中央メキシコの高地にも浸透したとされている。建築物は、精巧な彫刻が施されたレリーフが特徴的。最も有名な「壁龕(へきがん)のピラミッド」は、くぼみのような窓が1年の日数と同じ365個あることで知られており、暦として使われていたという説もある。ゴムのボールを使って生け贄を決めるための球戯が行われていた球戯場も残されていることから、エル・タヒンは古代球戯発祥の地ともいわれている。ほかに、丘の上に立つ「円柱の館」、神殿、住居跡なども点在し、見ごたえがある。1992年に世界文化遺産に登録。