鹿児島県 霧島

まるで水墨画、朝日に映える雲海と霧島連山

概要・エピソード

視界いっぱいに広がる雲海のそこかしこに、まるで小島のように山々の頂きが姿を見せる。そんな水墨画のような幽玄の世界を実際に見ることができるのが、鹿児島県北部にある湧水町です。宮崎県との県境にあるこの町は周囲を九州山地と霧島連山に囲まれており、美しい雲海が生まれやすい盆地となっています。とりわけ、秋や冬など空気がよく冷える季節になると、早朝、地面から立ち昇った霧が町ごと盆地を覆い隠し、見事な雲海を生み出します。やがて朝日に照らされた雲海が輝き出し、霧島連山を背景として漂うさまなどは、まさに動く水墨画。墨色の世界に朝日の光が射し込み、世界が明るく開けていくような、幻想的な夜明けを見ることができます。

見所・お勧めポイント

美しい雲海を生み出す湧水町の盆地は、パラグライダーの基地としても人気があります。盆地ならではの上昇気流が絶好の浮遊感を生み出し、大きく視界が開けた空からは、栗野岳・韓国岳をはじめとした霧島連山をはるばる見渡すことができます。

背景

湧水町は、その名のとおり、美しい水に育まれた自然豊かな町です。昔ながらの原風景を残し、棚田百選にも選ばれた「幸田の棚田」、日々6万トンもの水を湧かせ、名水百選に選ばれた「丸池湧水」、さらには疏水百選に選ばれた「筒羽野の疏水」など、町にある様々な名所から、水と共に生きてきた人々の歴史をしのぶことができます。