熊本県 天草下島

潜伏キリシタンの地、マリア様の慈悲に満ちた夕陽

概要・エピソード

潜伏キリシタン達の悲しい歴史を現代に伝える地・天草。1569年、アルメイダ神父によってキリスト教が布教された﨑津の地でも、1613年の禁教令以降、多くの信徒が改宗を迫られました。厳しい弾圧が続く中、1873年に明治政府によって禁教令が解かれるまで、信仰篤い人々は約250年もの長きにわたって教えを守り続けてきました。そんな﨑津の地にたたずむ﨑津教会はゴシック様式の壮麗な建物で、「海の天主堂」とも呼ばれ、厳しい弾圧の中でも信仰を守り続けた人々の祈りの場となっています。この﨑津教会近くの岬には、岩壁の上に海に向かって祈りを捧げるマリア像が建てられています。海上からその姿を仰ぐと、夕陽に照らされる瞬間、マリア像のやさしい慈愛に満ちた表情を垣間見ることができるかもしれません。

見所・お勧めポイント

海に向かうマリア像の姿が、夕焼けに照らされるひと時。茜色に照らされたマリア像は、見る者の心を安らかに落ち着かせてくれます。海上クルーズでは、このマリア像だけでなく、﨑津教会を含む﨑津集落の様子も見ることができます。

背景

現在、﨑津のシンボルとなっているゴシック様式の﨑津教会は、明治21年に建てられた木造﨑津教会の老朽化に伴って、昭和9年、新しく建て直されました。ステンドグラスで飾られた教会は、長い間守られてきた教えを未来へと繋ぐ祈りの場となっています。﨑津集落には、この﨑津教会の他にも、キリスト教の伝来から迫害の時代、そして信仰の自由が許されるまでの時代の変遷を伝える資産や風習が残っています。