インバウンド 市場動向 2019 訪日中国人旅行者の情報収集手段とは?中国インバウンド市場におけるデジタルプロモーションを考える
2019.07.17

JTB訪日旅行重点15カ国調査2019

インバウンド 市場動向 2019 訪日中国人旅行者の情報収集手段とは?中国インバウンド市場におけるデジタルプロモーションを考える

訪日中国人旅行者はどのような情報収集を行っているのでしょうか?中国インバウンド市場における効果的なデジタルプロモーションについて考えます。

目次

『JTB訪日旅行重点15カ国調査2019』について

JTBでは、『JTB訪日旅行重点15カ国調査』と題し、訪日外国人の旅マエの情報収集から行き先決定、予約、旅ナカ行動の詳細について、訪日旅行者数の多い上位15カ国・地域の訪日旅行経験者を対象とした調査を2015年より実施しています。

今回はこの『JTB訪日旅行重点15カ国調査2019』の中から、訪日中国人旅行者の情報収集手段に関して、特にオンラインサービスに着目して紐解きます。

拡大する中国インバウンド市場と中国のネット社会

日本政府観光局(JNTO)の統計データ (*1) によると、2018年の訪日中国人旅行者数は前年比13.9%増の838万34人となりました。訪日外国人旅行者総数の約26.9%を占め、拡大を続けているとともに、近年はリピーター層の増加や消費額の多さも相まって注目度の高い市場です。

(*1)日本政府観光局(JNTO)訪日外客数統計データ

訪日中国人のオンラインでの情報収集手段を知るためには、まず前提として中国のネット社会に関して、その特殊性を理解する必要があります。ご存知の通り中国では政府によってテレビや新聞などの全てのメディアに対する検閲が行われています。インターネットも例に漏れず検閲を受ける他、中国国外の企業のオンラインサービスは中国国内からのアクセス自体が規制されている場合も多くあります。Google検索やYahoo!検索などの検索エンジンや、FacebookやTwitterなどのSNSといった日本において一般的なオンラインサービスも原則として規制対象となっています。

一方で中国のネット社会は拡大を続けており、中国インターネット情報センター(CNNIC)(*2)によると2018年12月末時点のインターネット利用者数は8億2900万人を突破し、前年末に比べて3.8%増となりました。インターネットユーザーの増加とともに中国では複数のIT企業が躍進を続けており、検索エンジン『百度(バイドゥ)』やメッセンジャーアプリ『微信(ウィーチャット)』などの有名なサービスは日本でもよく名前を耳にするようになりました。

(*2)中国インターネット情報センター(CNNIC) 第43回『中国インターネット発展状況統計報告書』

15ヵ国調査から読み解く訪日旅行者の情報収集手段

『JTB訪日旅行重点15カ国調査2019』では情報収集手段について、訪日市場主要15カ国別に調査を行っています。設問項目は以下の通りです。


直近の日本旅行に関する情報収集についてお伺いします。
Q25】出発前にそれらの情報をどのような方法で集めましたか?(複数回答)

Q27】出発前に実際にあなたが情報を得た具体的なサイト名、SNS名、アプリ名をお答え下さい。(複数回答)

Q30】日本到着後にそれらの情報をどのような方法で集めましたか?(複数回答)

Q32】日本到着後に実際にあなたが情報を得た具体的なサイト名、SNS名、アプリ名をお答え下さい。(複数回答)



上記の設問は旅マエ(出発前)と旅ナカ(日本到着後)の2段階に分けて設定されており、旅行者とのタッチポイント別に情報収集手段に関する調査が行われています。今回はオンラインでの情報収集手段に注目して、訪日中国人旅行者の特徴をみてみましょう。

訪日中国人旅行者の旅マエ・旅ナカでの情報収集手段とは?

旅マエおよび旅ナカのどちらにおいても情報収集手段としては、『旅行口コミサイト・コミュニティサイト』の利用率が最も高く、旅マエでは66.9%、旅ナカでは51.5%の旅行者が利用しています。その他、上位5位にはどちらも『旅行サイト、宿泊予約サイト、観光情報サイト』と『携帯電話やスマートフォンのアプリ』がランクインしており、インターネットを通じた旅行・観光情報の収集が一般化していることが読み取れます。『旅行口コミサイト・コミュニティサイト』と『携帯電話やスマートフォンのアプリ』に関しては前回調査と比較して増加率も大きく、オンラインサービスを利用した情報収集の割合は拡大傾向にあると言えます。

【旅マエ】出発前に情報を集めた手段

【旅ナカ】日本滞在中に情報を集めた手段

旅行でも口コミを重視する中国人

次に中国人旅行者の情報収集手段を、東アジアの他の地域(台湾・韓国・香港)と比較して、その特徴を探ってみましょう。他3地域の平均を10ポイント以上引き離している項目は、旅マエでは『旅行口コミサイト・コミュニティサイト』『テレビ番組やCM』『携帯電話やスマートフォンのアプリ』『自国の親族・友人』『新聞・雑誌の広告、記事』、旅ナカでは『旅行の口コミサイト・コミュニティサイト』『携帯電話やスマートフォンのアプリ』『テレビ番組やCM』『新聞・雑誌の広告、記事』となりました。

他地域と比較しても中国における『旅行口コミサイト・コミュニティサイト』の優位が目立ち、同様に『携帯電話やスマートフォンのアプリ』の利用率も高いことがわかります。15ヵ国調査では『情報収集で最も役立った手段』に関しても調査を行っており、訪日外中国人では旅マエ(23.2%)、旅ナカ(15.7%)といずれも『旅行口コミ・コミュニティサイト』が最も役に立った手段であるとの回答が得られています。

一般的に中国では旅行における意思決定の際に、口コミが重視される傾向にあります。2017年にExpedia Media Solutionsが実施した『ASIA PACIFIC TRAVEL TRENDS 2017』(*3)という調査によると、『旅行を予約する際の意思決定プロセスに影響を与える要因はどれですか?』という設問に対し、『ネット上での家族、友だち』が50%、『ソーシャルメディア』が38%という結果が出ています。同設問に対する日本人の回答は『ネット上での家族、友だち』が15%、『ソーシャルメディア』が13%であるため、我々日本人の感覚よりも中国人は口コミを重視する傾向があると言えます。

(*3)Expedia Media Solutions 『ASIA PACIFIC TRAVEL TRENDS 2017』

【旅マエ】出発前に情報を集めた手段 ※東アジア

【旅ナカ】日本滞在中に情報を集めた手段

中国産サービスの利用率が突出

では、中国人旅行者はどのようなオンラインサービスを利用して、情報を集めているのでしょうか?次は中国人旅行者が具体的に情報を得たサイト・アプリ・SNSに関してみてみましょう。

旅マエ・旅ナカともに上位を中国産のサービスが占めています。中国の大手ネット3社とも呼ばれる検索エンジン『百度(バイドゥ)』やメッセンジャーアプリ『微信(ウィーチャット)』、マイクロブログサイト『新浪微博(ウェイボー)』といった有名オンラインサービスが名を連ね、Google検索やFacebook、Trip advisorなど欧米由来のサービスは影を潜めます。東アジアの他の地域の調査結果では、旅マエ・旅ナカいずれも台湾での1位はGoogle検索、香港ではFacebook、韓国ではNAVERであり、中国産サービスの中国国内での利用率は突出しています。

大手3社に続いて『Mafengwo(馬蜂窩、マーファンウォー)』の台頭にも目を瞠るものがあります。『Mafengwo』は旅マエで40.5%、旅ナカで45.6%の旅行者が利用しており、前回調査時からの伸び率も大きく利用者は10倍近く増加していました。『Mafengwo』は2006年よりサービスの始まった旅行情報メディアです。現在中国国内では最大規模の会員登録者数1.3億人 を有し、特にアプリは7.6億ダウンロードを誇ります。観光や旅行に関する情報発信メディアとしての役割に加え、ユーザーの旅行体験を投稿し旅行の口コミを共有できる機能や、パッケージツアーや宿泊施設などの予約機能も持ち合わせています。

【旅マエ】訪日出発前の情報収集源

【旅ナカ】日本到着後の情報収集源

中国インバウンド市場で効果的なデジタルプロモーションを行うためには?

今回は、『JTB訪日旅行重点15カ国調査』の結果から、訪日中国人旅行者のオンラインでの情報収取手段に関して読み解きました。中国市場ではネット社会の特殊性や中国人の国民性が、旅行における情報収集にも影響を与えていることが読み取れます。中国市場におけるデジタルプロモーションでは、マーケットに対する深い理解や丁寧なローカライズが必要不可欠です。

JTBグループでは、中国に拠点を持つJTB CHINAのネットワークを活用し、訪日中国人旅行者向けのプロモーションをサポートしており、中国で影響力の強いメディアや利用率が高いSNSを活用した中国人目線でのデジタルプロモーションが可能です。また、JTBグループの保有するインバウンド・ビッグデータをもとに、プロモーションを含めた包括的なインバウンド戦略策定をお手伝いいたします。

『JTB訪日旅行重点15カ国調査』では、他にも各国旅行者のパッケージツアーや宿泊施設、着地型商品などの予約・購入手段に関する調査も行っています。調査内容に関するお問い合わせは、JTB訪日インバウンド推進部までご連絡ください。

調査概要

調査手法
WEBアンケート調査
対象エリア
台湾、韓国、中国、香港、タイ、ベトナム、シンガポール、マレーシア、インドネシア、フィリピン、アメリカ、オーストラリア、イギリス、フランス、ドイツの15カ国
調査対象者
以下のスクリーニング条件に適合する各国20歳以上の男女
※性・年齢間のサンプル割付は行っておらず出現率ベースとなる

スクリーニング条件
■東アジア / 台湾・韓国・中国・香港:1年以内訪日経験者
■東南アジア/タイ・ベトナム:1年以内訪日経験者
      シンガポール・マレーシア・インドネシア・フィリピン:2年以内訪日経験者
■欧米豪/アメリカ・オーストラリア・イギリス・フランス・ドイツ:3年以内訪日経験者
調査期間
2019年2月27日~3月11日
サンプル数
各国400サンプル

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100年企業の実績、1912年に外国人誘客のために設立。海外143都市508拠点、強力なネットワークから最新の情報を収集。地域への誘客力、商品開発と人流創出。最適なコンサルティング、多様なソリューション

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