インバウンド事例 2019 年間2万人の訪日旅客が訪れる 徳島県三好市の祖谷

 

インバウンド事例 2019 年間2万人の訪日旅客が訪れる 徳島県三好市の祖谷
2019.01.16
路線バスは一日4本のみ。日本三大秘境の祖谷地方に10年で34倍の訪日旅客が訪れた。アクセスの不便さがゆえに、残された自然や景観をコンテンツにした徳島県三好市の取組みの事例を紹介します。

目次

交通アクセスの不便さを売りにした

 日本三大秘境に数えられる徳島県三好市の祖谷地区は人里から離れ、交通アクセスが決してよいとは言えない地域ですが、外国人観光客が急増し、2017年の外国人宿泊者数は10年前の34倍の18,847人に達しました。山村の素朴な暮らしや住民の暖かいもてなしが外国人の心をつかんでいます。

大歩危・祖谷いってみる会2017年外国人宿泊者数推移

大歩危・祖谷いってみる会2017年外国人宿泊者数推移

祖谷地区までは、車の対向に苦労する細い山道が続き、途中、山の中腹の斜面に建てられた古い茅葺屋根の民家がところどころに見え隠れします。祖谷地区は平家の落人が隠れ住んだ山里として知られ、岐阜県の白川郷、宮崎県の椎葉村と並んで日本三大秘境のひとつに数えられています。

四国祖谷

四国祖谷

三好市26,000人の中で祖谷地区の人口は約2,300人。その多くが高齢者で、子どもや若者の姿は滅多に見かけません。住民の大半が農林業や建設業に従事しているのが実情です。公共交通機関は路線バスですが、1日4往復しかありません。まるで外の世界と隔絶しているような場所ですが、豊かな自然と日本の原風景ともいえる山村の暮らしがいまだに残っています。住民は純朴で人懐っこいといわれています。

地元の5つのホテルで2000年に設立した「大歩危・祖谷いってみる会」は、「交通の便が悪い=誰も見たことのないような自然が残っている」ことを売りに、ターゲットを香港に絞り、誘致活動を始めました。これは香港が、東京よりもビルの密集度が高く、緑の少ない街で、祖谷にはこれらがあるという理由でした。

当初は宿泊施設も少なかったのですが、訪日外国人客が増えるにつれて古民家ゲストハウスを開設したり、バス会社が停留所の多言語表示を行ったりすることで、さらに外国人誘客を後押しすることになりました。また古民家などで伝統農法を体験する「田舎暮らし体験」などの住民と訪問客との交流をすることで、リピーターにつながっています。

ちいおり

ちいおり

宿泊者数の25%が訪日旅客

建築家のアレックス・カーさんがプロデュースした古民家「ちいおり」などは、見た目こそ古民家ですが、室内はリフォームされていて、WiFiも完備され、非常に快適な空間となっています。

どんなにいい商品、いい観光、いいイベントがあっても、そのことを認知されていなければ誰も体験することはできません。そういった意味でもターゲットをしっかりと設定し、そのターゲットに響く素材を訴求していくことが非常に重要だと考えています。今回の初期の取組みでは、ターゲットとした香港の富裕層に香港にはない自然や体験を現地の旅行博などを通してうまく訴求できたこと、地域がひとつになって取り組めたこと、継続して取り組んだことが外国人宿泊客数を10年で34倍に伸ばすことにつながったといえると思います。祖谷温泉の訪日外国人宿泊者数の比率は祖谷温泉宿泊者全体の25%まで伸びました。欧米豪とアジアの比率は現在では20%対80%となっています。

こういった取組みの結果、2018年にはTRAVEL+LEISUREでTHE 50 Best Places to Travel in 2018に日本で唯一祖谷渓がえらばれました。これにより、さらに外国の方に祖谷を知ってもらうことにつながったと思います。

今後はアメリカ・フランス・オーストラリアなどの欧米豪を対象にブランディングを行い、香港のみならず、台湾・シンガポールなどのアジアにもつなげていこうとしています。

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