JTB交流創造賞

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交流創造賞 組織・団体部門

第13回 JTB交流創造賞 受賞作品

優秀賞

大洗サンビーチ≒ユニバーサルビーチの取組

大洗ユニバーサルビーチクラブ(茨城県東茨城郡)

取り組みによる効果

「ユニバーサル」を核にした地域活動の定着へ

大洗に「ユニバーサル」を核にした地域活動が定着しつつある。

ユニバーサルビーチクラブでは、

①ともに学ぶ仲間として参加する学生を受け入れている。

②学生の提案が実行できるよう助言を含め、地域とともに継続的に支援している。

③2020年に向けて学生とともに研究会の継続を予定している。

今後も継続して学生の活動を支援し、より充実した学び、学びが支えるユニバーサルイベントなどの情報発信の場を構築するために、学生の活動を支える組織の充実が必要である。

学生の持つエネルギーは大きいが、その純粋性故に地域と融合する難しさがある。ユニバーサルサロンでの研鑽やイベントの運営を通じ多方面との連携を図り、新たな地域づくりと学びの場の構築に向けて活動は継続する。「ユニスポWAVE」における取組がユニバーサル文化の発信を震災復興事業のみならず地方創生の実現に向けた仕組みづくりへとつなげていく。

また、大学生にとっては、学校、アルバイト以外の「地域」という場で多様な人と触れ合う機会となっており、キャリア形成という側面も期待される。

さらに、これから参加が増えると予想される高校生にとっては地域への参画のデビューの機会である。ユニバーサルスポーツや地域活動に参画し、障がい者と「一緒に楽しむ」ことを通じて、障がい者理解、人権教育の端緒となり、今後必要とされる21世紀型学力を培う場とも考えられる。

ユニバーサルビーチクラブの組織の強化へ

同時に2017年7月竣工した津波対策築山やビーチセンターを利活用し地域発グランドデザインの提案や超高齢社会に即した情報発信を模索するため ①ユニバーサルビーチクラブの法人化の検討 ②研究会の強化など、学生と連携した活動の継続 ③政策提言など地方創生を担う団体としての研鑽を重ね、責任ある情報発信 ④ユニバーサルビーチセンターの有効活用へのハブとなる機能 ⑤地方創生につながる社会事業化に向けての調査研究などが期待されている。

今後も一層、愚直に「一周先のユニバーサル」を目指し、シニア世代をも見据えた未来のユニバーサルを模索しつつ提案・実験という活動を重ねていく。

これまでの取組期間、継続期間について
1992年  夏季大洗サンビーチでの海水浴場監視(大洗町からの受託)教育エリアを実験ビーチとして、ジュニアライフセービング教室や、海辺の安全啓発活動、ライフセービングの講習など「人」育てを実践開始。
1995年  日本初のバリアフリービーチとして、木製のスロープを整備。水陸両用車椅子の無料貸出開始。
2003年  『水辺のユニバーサルデザイン大賞2003』特定非営利活動法人ユニバーサル社会工学研究会を受賞。
2007年  日本初ユニバーサルビーチを謳う。
有志がユニバーサルビーチクラブ前身である「じゃらんじゃらんの会」を立ち上げる。
『平成19年度バリアフリー化推進功労者』内閣府特命担当大臣表彰奨励賞受賞
2011年  3月11日 東日本大震災 海岸線にある施設や海岸監視に必要な備品倉庫などを消失。
原発事故の風評被害も含め、海水浴客は著しく減少。
2013年  ユニバーサルビーチクラブ(任意団体、会長:ジーコ足立、顧問:山田稔、参与:長谷川幸介)を設立。
2014年  津波防災築堤、ビーチセンターに関する提言書をまとめ大洗町に提出。
2015年  2月ユニバーサルシンポジウムvol.1開催。観光庁よりユニバーサルツーリズム関連で講師派遣。
『平成27年度海岸功労者』一般社団法人全国海岸協会
2016年  2月ユニバーサルシンポジウムvol.2開催。7月「ユニスポWAVE2106」を企画実施。
『社会貢献者表彰』公益財団法人 社会貢献支援財団
2017年  6月ユニバーサルシンポジウムvol.3開催。7月「ユニスポWAVE2107」を開催。

取組体制・組織、財源について
大洗ユニバーサルビーチクラブ(任意団体)
会長  ジーコ足立(大洗サーフ・ライフ・セービングクラブ代表)
顧問  山田稔(茨城大学工学部教授)
参与  長谷川幸介(茨城県生涯学習・社会教育研究会会長)
事務局  井坂直樹(公務員)井坂美子
入会費  3000円 オリジナルキャップ、バッチ
例会で提供するハーブティの苗の株主として
例会  毎月1回/ユニバーサルサロン不定期/政策提言に向けた研究会

大洗サーフ・ライフ・セービングクラブ(任意団体)
代表  ジーコ足立
副代表  住吉弘光
事務局  平山綾乃
業務  大洗サンビーチの夏季監視業務受託(大洗町観光協会より)
その他  夏季海水浴開設期間以外はボランティア活動

※両団体ともボランティア活動としてユニバーサルビーチに関わってきた。これまでのシンポジウムやユニバーサル体験イベントは協賛金を募るほか、茨城大学の助成金や大洗町の共催金で補ってきた。今後の健全な活動および積極的な社会事業化に向けて組織の強化および財源の確保が課題である。

今後の展望について
啓発・まちづくり・社会事業化・基盤調査

ビーチセンターの通年活用を目指し以下の様に、試験運用を開始。より多くの賛同者への呼びかけを図るために啓発・広報活動を積極的に展開し全国に発信する。全国のアウトドアにユニバーサルデザインを普及するために、理想的な機能、価格の水陸両用車椅子(タートルズ)の開発に着手。今後、行政や市民、利用者などと連携し、施設活用、人的活動の経過を検証し、社会事業化に向けた調査研究活動も展開し、その結果を基に事業展開を図っていく。

大洗ユニバーサルビーチクラブ活動および実施予定
8月 18日  ◆ユニバーサルビーチ企画委員会:2017年9月〜2018年3月の計画策定(履行済)
9月 9日  ◆ユニバーサルビーチ企画委員会:ユニバーサル文化スポーツ協議会(仮称)計画策定(履行済)
上旬〜 
下旬 
※大洗発水陸両用車椅子開発に着手
□ユニスポWAVE実行委員会2018①開催
■ユニサロ:日本福祉のまちづくり学会報告会
10月 上旬  ◆ユニバーサルビーチ企画委員会:次年度予算措置等の検討
下旬  ○ユニバーサルビーチセンター:見学
□ユニスポWAVE実行委員会2018②開催
■ユニサロ:築山車椅子体験
11月 上旬  ユニバーサルビーチ企画委員会:ユニバーサル文化スポーツ協議会(仮称)開催に向けての準備
中旬  ユニバーサルビーチまちづくり協議会①開催
下旬  ○ユニバーサルビーチセンター:避難訓練
□ユニスポWAVE実行委員会2018③開催
■ユニサロ:ユニバーサルヨガ体験
12月 上旬  ◆ユニバーサルビーチ企画委員会:2018年度の計画策定
下旬  ○ユニバーサルビーチセンター:ロミロミ体験
□ユニスポWAVE実行委員会2018④開催
■ユニサロ:ハンドサイクリング体験
1月 上旬  ○ユニバーサルビーチセンター:俳句会
■ユニサロ:初日の出見学会
◆ユニバーサルビーチ企画委員会:2018年度の提言策定
下旬  □ユニスポWAVE実行委員会2018⑤開催
2月 上旬  ◆ユニバーサルビーチ企画委員会:2017年度反省会シンポジウムへ
下旬  ○ユニバーサルビーチセンター:ミニシンポジウム
□ユニスポWAVE実行委員会2018⑥開催
■ユニサロ:築山
3月 上旬  □○■ユニバーサルデザインシンポジウムvol.4
※大洗発水陸両用車椅子完成予定

概要と評価のポイント
【概要】

地元の子供たちの海離れを防ぐために、ライフセービング教室などで活動してきたが、障がいを持った方には配慮できていなかった。バリアフリービーチとしての「誰もが楽しめる安全な海水浴場」を目標に、木製スロープの整備や水陸両用車いすを調達し、老若男女が楽しめるユニバーサルビーチを目指す事で地域にも地域活動の定着に繋がっている。

【評価のポイント】

●地元の子供たちの海離れを防ぐために、ライフセービング教室などで活動してきたが、障がいを持った方へ配慮している点は全国でも珍しく、今後も先駆的な役割を担ってほしい。
●バリアフリービーチとしての「誰もが楽しめる安全な海水浴場」を目標に木製スロープの整備や水陸両用車いすを調達するなど、まちづくりにつなげるパワー、実行力が評価できる。
●老若男女が楽しめるユニバーサルビーチを目指す事で地域にも地域活動の定着に繋がっており、地域の方が連携した成功例である。更なる情報発信をすることで、まちおこしにつながることが期待できる。

※文中に登場する会社名・団体名・作品名等は、各団体の商標または登録商標です。

※賞の名称・社名・肩書き等は取材当時のものです。

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