
 2009年度受入れ実績:約8,000人、売上げ約6,000万円。2010年度はすでに昨年度同時期を1,000人、売上げも約1,000万円、上回っている。 「若狭三方五湖わんぱく隊」の取組みは、県内外小中学生などが漁師民宿に宿泊して行われる漁業体験学習受入れを中心としている。無償のボランティアスタッフは無く、インストラクターには必ず報酬を支払っており、初年度より黒字、春季・秋季の閑散期の漁村民宿活性にとって必要不可欠な取組みである。併せて、地域の生業を子どもたちに喜んでもらうことで、実は生活者も感動している。小さな漁村の人口をはるかに超える都市の子どもたちを受け入れる時期は、地域が子どもたちの笑い声と生活者の笑顔であふれ、経済効果とは異なる確かな活性効果が生まれている。生活者の感動はツーリズムにおいて必須であり、継続の最大の要因となっている。「地域の生業と観光」を密接に結び付けた若狭三方五湖版ツーリズムは地域活性における必須の原動力となっている。

 1990年に「若狭三方五湖わんぱく隊」の活動を開始した。以降、着実に実績を伸ばしており、本取組みは今年で21年目を迎えている。

 若狭町(行政)・農業生産法人かみなか農楽舎をはじめ、地域内のNPO法人(林業)や環境保全団体などとの密な連携をはかり「若狭三方五湖わんぱく隊」の活動を行っており、事務局を(社)若狭三方五湖観光協会がつとめている。当協会は、企画・立案、学校・旅行会社・個人客との窓口業務・営業活動など、若狭三方五湖版ツーリズムにおける総括的業務を行っている。本活動においては、その財源の8割以上を前述の売上金が占めている(他には、若狭町からの補助金、当協会の会員からの会費などを充てている)。


2008年からは海外(米国・韓国・台湾など)からのツアー受入れを開始しており、特に漁業体験プログラムは高い評価を受けている。海外からのツアー受入れによって気付いたことは、生業としての農林漁業・第一次産業が、大切な日本文化のひとつである、ということである。また同時に、生活者の高齢化や後継者・担い手不足の問題などにより、その文化を培ってきた若狭の第一次産業が危機的な状況にあるということである。 多様な日本文化のひとつとして、田舎の文化、“地域の誇り”をより強く持てるような若狭三方五湖となることを目指して、日本国内の都市とのつながりをさらに深くするとともに、海外の子どもたちの「日本文化を学ぶ修学旅行」として、若狭三方五湖版ツーリズムを展開していきたいと考えている。 併せて、最も大切にしている「地域の生活者が主人公」であるという思いのもと、地域(まずはやはり、若狭町内から…)の子どもたちに「若狭三方五湖わんぱく隊」の活動に、さらに積極的に関わってもらえるよう努めていきたいと考えている。
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