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越後妻有
アートをみちしるべに里山を体験する旅

大地の芸術祭実行委員会
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越後妻有
photo:S.Anzai
  長野県に隣接する越後妻有地域は、世界でも有数な豪雪地帯である。ここは、3年に1度開催される自然とアートと人間の“三年大祭”「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」の会場である。2005年4月1日から津南町以外が合併し十日町市となったが、もともとは6市町村(十日町市、川西町、津南町、中里村、松代町、松之山町)によって構成されていた。面積は760km2、東京23区より広いが、人口は約78,000人、65歳以上が人口4分の1を占める過疎高齢化地域である。この6市町村が、10年前、新潟県が始めた新たな広域地域づくりプロジェクト「ニューにいがた里創プラン」に基づき、それぞれの特色を活かしながら地域の活性化をはかろうとしてスタートしたのが「越後妻有アートネックレス整備事業」である。アートディレクターとして、アートによるまちづくりの実績をもつ北川フラム氏により、それは構想された。1500年にわたって農業を通して大地とかかわってきた越後妻有は、この効率一辺倒の時代のなかで、過疎化、高齢化、そして国による農業切り捨てによって、先祖から長く続いた地域と生活、文化そのもののアイデンティティを喪失し、自信と誇りを失っていった。しかし、地球環境の悪化が課題になり、文明の曲がり角にある今こそ里山に着目し、他者とのかかわりのなかから再度土地と生活に誇りをもつことが大切だという気運も生まれてきた。「アートネックレス整備事業」は、時代のパラダイムシフトを見据え、地域に内在するさまざまな価値をアートを媒介として掘り起こし、その魅力を高め世界に発信しつつ自律へ向けた道筋を築いていこうというものだった。


人間は自然に内包される
  豊かな自然に包まれてある越後妻有の生活は、地球環境に対する視座を見つめ直し、環境破壊をもたらした近代的パラダイムを変革するきっかけとなりうるものである。バブル時代もいわゆるリゾート開発から取り残されたようにみえた越後妻有は、しかし何周遅れの走者であるどころか、逆にもっともオーソドックスに人間らしいコースを走っているランナーだという認識を取り戻すべきではないか。そこから生まれた基本理念が「人は自然に内包される」である。
  この基本理念が、アートネックレス整備構想のすべてのプログラムに貫かれることになる。人間と自然がどう関わっていくかという可能性を示すモデル地域となることを目指して、越後妻有の地域づくりは進められていった。


越後妻有アートネックレス整備事業
  新潟県が推進する「ニューにいがた里創プラン」は、県内にある広域行政圏が独自の価値発信によって地域づくりに取り組もうとするものであった。十日町地域が取り組むこととなった「越後妻有アートネックレス整備事業」はその指定第1号として位置づけられ、以下の4つの事業を柱に、10年をかけて地域再生の礎をつくりだすこととなったのである。

*越後妻有8万人のステキ発見
*花の道事業
*ステージ整備事業
*大地の芸術祭


写真と言葉によるステキ発見
  この地域の活性化事業をするにあたって最初に取り組んだのは、自然、文化に隠された魅力を再発見するための写真と言葉のコンテスト「越後妻有8万人のステキ発見」だった(1998-99年度実施)。これはこの地域の魅力を住民、旅行者から提案してもらうというもので、総数3,114点の応募を得た。審査員には、阿部真理子(イラストレーター)、安斎重男(写真家)、伊島薫(写真家)、大岡信(詩人)、真野響子(女優)等、各氏を迎えた。応募された写真にうつし込まれたものは、ほとんどが里山の風景、生活であった。これが出発点だった。里山を磨き知ってもらうこと、このことが地域づくりの羅針盤となった。


6市町村をつなぐ「花の道」
  2つめの事業は、「花の道」事業である。1年の半分近くを雪に閉ざされた越後妻有において、人々は何よりも春を待ち望み、太陽の恵みを謳歌しようとする。民家の庭先には、美しい色とりどりの花が咲き、それは庭先からこぼれおちるように道路へと続き、道行く人々の目を喜ばせる。越後妻有では、もともとお年寄りが中心となって、道路脇に花を植える「花いっぱい運動」が盛んだったが、「花の道」事業は、こうした住民レベルの「花いっぱい運動」から、市町村、県の道路整備、公園づくり(ポケットパーク事業)やサインなどを含め、総合的な景観形成と地域らしいインフラの整備を推進しようというものであった。それは、いわゆる公共事業に、地域住民とアーティストが深く関与するなど、新しい取り組みでもあった。


核となるステージ施設の建設
  3つめの事業は、地域の特性を活かしたコミュニティの核であり、交流拠点ともなる自然体感型空間を、世界の建築家、アーティストの参画のもとに整備するというものだった。そこは地域の展望を拓くための活動を行う場所であり、「ステージ」と総称される。ステージは、「交流の市」「新田園都市」「雪国農耕文化村」「森の学校」等、6市町村それぞれのまちづくりのテーマにそって整備され、その機能は広域連携のもとに相互に補完しあうものとするように考えられた。そこには、隣町に同じような施設が建設されるこの国のハコモノ整備への反省があった。計画にあたっては、初期の段階から住民の参画を求め、ソフトプログラムの開発をいっしょに行うようにした。


三年大祭―大地の芸術祭
  そして4つめの事業が「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」である。公共工事など恒久的な事業と地域住民と協働者の活動の両面におけるアートネックレス整備事業の成果を、アーティストの助力を得ながら3年に一度公開し、広く周知するための国際展である。世界中でベニス・ビエンナーレをはじめ様々な国際展が盛んだが、それらと決定的に違うのは、大地の芸術祭が地域づくりの積み重なりから生まれているということである。
  大地の芸術祭は、アートの場を発見する力、場を見せる力、場をよみがえらせる力、人と人、人と土地をつなげる力を徹底的に使い、地域を元気にすることを目的とする。アーティストたちは、地域に入り、「サイトスペシフィック」(=場所性に根ざした表現)な作品を住民と協働で制作し、それを圏外から多くの人にみてもらおうというのである。アートネックレス整備事業の10年間、少なくとも3回は続けることとなった。


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