インバウンド 市場動向 2020 訪日需要短期予測
2020.01.08

インバウンド 市場動向 2020 訪日需要短期予測

2020年、訪日の市場はどのようになっていくのか?2019年11月末までのデータをもとに、中国、韓国、台湾、香港、欧米豪についての短期予測です。どの市場に向けて、どのような施策が必要なのか?訪日インバウンド事業の推進の参考にしてください。

目次

中国市場

2019年第3四半期時点において、中国からアジアの主要な旅行先を訪れたトータルの旅行者数は、年率10%を割り込み、減速感が強まっている。上位5か国への旅行者数伸び率をみると、最上位は2017~2018の反動増で伸びる韓国で、30%台の伸び率となっているが、最盛期は過ぎて徐々に減速している。日本を含むその他の国々も減速しつつあり、特にタイはマイナスで推移している。景況の変化や元安を背景に旅行需要の成長率が低下しているものと推測される。

こうした中、 2018年の自然災害以降、大きく減速した訪日旅行者数の伸び率は、2019年の秋に入って持ち直しつつあり、訪日シェアも上向いている。2019年第4四半期は日中路線の定期便座席数が大幅に増加するため、訪日旅行者数の伸び率も上昇すると見込まれ、続く2020年第1四半期についても概ね同様の伸び率を維持するものと期待される。

2019年第3四半期における地域別にみた宿泊需要に関しては、関東、甲信越、北陸、東海、近畿、中国、四国、九州、沖縄では二桁台の増加となっているが、北海道と東北では伸び率が低くなっている。2019年第3四半期から2020年第1四半期にかけての見通しとしては、関東から沖縄までの地域では増加が続く見通しで、北海道についても伸び率が上昇するとみられる。一方、東北については減少に転じる恐れがある。

アジア主要国への旅行者総数と訪日旅行者数の推移(中国市場)

韓国市場

韓国の海外旅行市場では、2018年から伸び率の低下が続いている。韓国ウォンのレートの低下や景況の低迷感などが背景と考えられるが、LCCの増便などで急速に成長した訪日需要の減速も一因となっている。その一方で東南アジアのベトナムやフィリピンは、それぞれ年率40%台、10%台で成長しており、特にフィリピンの伸び率が急上昇している。タイの伸び率が横ばいで推移していることから、よりリーズナブルな方面へと需要がシフトしているものと推測される。

訪日旅行者数は、2019年7月以降、減少率が拡大し、直近10月の前年比はマイナス65.5%と過去にない下げ幅となった。今後の見通しは、政治要素が影響するため不透明だが、訪日旅行者数の減少は、2019年第4四半期が底になるものと推定され、2020年第1四半期のマイナス幅は、ある程度縮小するものではないかと考えられる。

2019年第3四半期における地域別にみた宿泊需要は、全地域がマイナスとなり、九州、近畿、北陸などの減少幅が-40%台と大きくなっている(7~8月の前年同期比) 。2019年第4四半期から2020年第1四半期にかけての見通しについても、全ての地域でマイナスが続くものと予想される。

海外旅行者数と訪日旅行者数の推移(韓国市場)

台湾市場

台湾の海外旅行者数は、2018年半ば以降、減速が進んでおり、2019年第3四半期時点における伸び率は、前年比プラス2.5%と低水準である。上位行先国の中では、日本に加えタイ、韓国、香港の伸び率が下がっているが、ベトナムのように年率20%台で更に加速している方面もある。またタイ、韓国は減速しているとはいえ二桁台の伸び率である。

これに比べ訪日旅行者数は、2018年秋の自然災害以降、勢いに欠ける展開となっており、2019年第2四半期は前年割れであった。しかし第3四半期は前年の反動も手伝ってプラスに戻しており、2019年第4四半期から2020年第1四半期についてもプラスで推移する見通しである。

2019年第3四半期における地域別にみた宿泊需要に関しては、東北、北陸、東海、四国などが二桁台の伸び、甲信越、沖縄が一桁台のプラスで、北海道と関東、近畿、九州はマイナス、中国もプラスマイナスゼロに近い水準となっている(7~8月の前年比)。2019年第4四半期から2020年第1四半期にかけての見通しは、現在プラスの東北、北陸、東海、沖縄などについてはプラスを維持するとみられ、現在マイナスの北海道と九州はプラスに転じると予想される。一方、関東と近畿、中国は横ばい、もしくはマイナスが続く見通しだ。

海外旅行者数と訪日旅行者数の推移(台湾市場)

香港市場

2019年第3四半期における香港の海外旅行需要は、前年比ー0.8%であった。デモ隊が空港を封鎖した8月が前年割れとなったことが主な要因とみられ、それ以外の月は、1~2%の低率ながら旅行者数の増加が続いている。主要な行先国ではどこも減速が顕著である。2018年以来の香港市場の伸び率低下を反映した形となっている。

訪日旅行者数に関しては、7~8月が連続してマイナスとなったが、9月が前年の自然災害の反動で大幅な増加となり、10月もプラスを維持したため、伸び率がやや上向いた格好となっている。今後、2019年第4四半期から2020年第1四半期にかけての見通しは、香港の政情次第だが、デモ等のマイナス要因がある一方で前年同期の反動も出てくると考えられるので、プラスマイナスゼロ前後の推移となるのではないかと考えられる。

2019年第3四半期における地域別にみた宿泊需要に関しては、定期便の就航があった北陸が8割増となっている他、東北と中国、沖縄が二桁台の増加である。このほか甲信越、四国がプラスにとどまっているが、それ以外の北海道、関東、東海、近畿、九州はマイナスである。2019年第4四半期から2020年第1四半期にかけての見通しは、現在マイナスの北海道と九州が増加に転じる可能性があり、北陸と沖縄は増加が続くとみられる。

海外旅行者数と訪日旅行者数の推移(香港市場)

欧米豪市場

2019年7月時点における欧米豪9市場(米国、カナダ、豪州、英国、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、ロシア)からアジアの主な行先国への旅行者数は、年率7%台で安定した成長を保っている。国別にみると、香港が前年割れ、タイも年率0%前後の推移となっており、シンガポールとベトナムが同4~5%台で伸びている。これらに比べ訪日は、二桁台の成長率を維持しており、競合デスティネーションに対し優位に立っている。

2019年第3四半期に関しては、ラグビーワールドカップの日本開催で、9月の前年比が28.0%まで上昇し、競合デスティネーションが揃って減速する中で伸び率を上昇させた。ラグビーワールドカップ終了後の2019年第4四半期についても、二桁台の成長を維持すると予想され、2020年第1四半期も概ね同じ水準の成長率を保つ見通しである。

2019年第3四半期における地域別にみた宿泊需要に関しては、九州が微減となっているのを除き、全ての地域でプラスとなっている。中でも、四国、沖縄、中国、北海道、北陸の伸び率は、二桁台で高い成長率である。今後の見通しについては、ゲートウェイとなっている関東、東海、近畿については、2019年第4四半期から2020年第1四半期にかけても増加を続ける見通しである。

アジア主要国への旅行者総数と訪日旅行者数の推移(欧米豪市場)





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