訪日外国人の旅ナカ行動“交通“編 ~滞在中の移動手段と予約方法~
2019.08.28

JTB訪日旅行重点15カ国調査2019

訪日外国人の旅ナカ行動“交通“編 ~滞在中の移動手段と予約方法~

訪日外国人の旅ナカ行動のうち、今回は「交通」に着目してデータを読み解きます。日本国内での移動手段について利用交通機関や、予約時期・方法、予約を行ったサイト・アプリに関する調査結果をご紹介します。

目次

JTBでは、訪日旅行者数の多い上位15カ国・地域の訪日旅行経験者を対象とした調査を2015年から実施しています。この「JTB訪日旅行重点15カ国調査」では、訪日外国人旅行者の旅マエの情報収集から行先決定、予約、旅ナカ行動の詳細を調査しています。詳しくは以下のページをご覧ください。

今回は、訪日外国人旅行者が日本国内での移動手段をどのような方法で予約しているかを中心に、インバウンド市場における交通機関の利用実態をレポートします。

訪日外国人の日本国内における利用交通機関とは?

予約方法の前に、まずは訪日外国人旅行者が日本国内でどのような移動手段を利用しているのかを確認してみましょう。「JTB訪日旅行重点15カ国調査」では、訪日旅行中に利用した交通機関に関して調査をおこなっています。

その結果、以下のグラフの通り、多くの訪日外国人旅行者が公共交通機関を利用していることがわかります。一方で観光色の強い移動手段である貸し切りバス・ツアーバスも20%以上の旅行者に利用されていました。飛行機や新幹線などの長距離移動手段から、街中を手軽に移動できるレンタサイクルまで、幅広い交通機関が訪日外国人旅行者に利用されています。

JTBグループでも訪日外国人向けの国内移動手段として、都内を走る観光客向け路線バス「スカイホップバス」と、周遊型バスツアー商品である「Seat In Coach」を運営しており、観光地開発や地方誘客に貢献しています。



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訪日外国人旅行者が日本国内で利用した移動手段

移動手段の予約は出発前には「旅行予約サイト」で、到着後には「対面窓口」で

訪日外国人が利用している移動手段のなかには、予約が必要なものも複数みられました。それでは、訪日外国人旅行者はどのような方法を用いて日本国内での移動手段を予約しているのかを、日本へ出発する前と到着した後の2つのフェーズに分けてみてみましょう。

訪日旅行出発前の段階での移動手段の予約方法としては、多くの国・地域で旅行予約サイトや旅行予約アプリが利用されています。「旅行予約サイト」は調査対象である15の国・地域のうち、比率の差はあるものの11の国・地域で利用率トップとなっていました。

対して、日本到着後の予約は、交通機関窓口などの比率が高くなっています。15カ国・地域の全てで「バスターミナル、レンタカーの窓口で直接」と「日本の旅行会社の店舗」の何れかが1位となり、いわゆる「対面窓口」が主な予約方法となっています。

JTBグループでも各店舗窓口はもちろん、全国で運営している訪日外国人向け集客交流施設「ツーリストインフォメーションセンター」にて交通予約手配サービスを提供しており、訪れた旅行者へのプロモーションやマーケティング調査も行っています。



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訪日外国人旅行者が日本国内で利用した移動手段を予約した時期と方法

移動手段の予約サイト・アプリ最新トレンド!圧倒的な存在感を示したTripAdvisor

次は、移動手段の予約方法として、出発前と日本到着後の両方のフェーズで利用されている「旅行予約サイト」と「旅行予約アプリ」にフォーカスしてみましょう。

今回の調査で15カ国・地域中、9カ国で利用率がトップとなり、圧倒的な存在感を示したのはTripAdvisorでした。

東アジアでは、韓国(27.4%)でTripAdvisorの利用率がトップとなったのをはじめ、東南アジアでも、フィリピン(49.8%)とインドネシア(49.6%)が過半に迫っているほか、シンガポール(41.0%)とタイ(40.6%)でも4割を超える高い比率を記録。欧米豪では、フランス(41.6%)でも4割を上回り、イギリス(36.9%)、ドイツ(36.4%)、オーストラリア(36.2%)も3割を超えて安定した利用率を維持しています。

世界49の国と地域で28言語によるサービスを展開しているトリップアドバイザーは、8億件ものクチコミ情報や評価などを参照しながら、旅マエでも旅ナカでも宿泊施設や交通機関の料金を比較して予約でき、人気の高いツアーやレストランなども予約できることから、「世界最大の旅行プラットホーム」として毎月5億人近いユーザーに利用されるなど、圧倒的な存在感を示していると言えそうです。

訪日外国人旅行者の日本国内移動手段の予約サイト・アプリ

しかし、そのトリップアドバイザーのお膝元であるアメリカでは、Uber(33.9%)がTripAdvisor(31.6%)をかわして、2.3ポイントの僅差ながら首位をキープしています。2009年にアメリカでスタートした自動車配車プラットホームのUberは、スマホアプリを通じたライドシェアリングサービスとして、アプリで車を簡単に手配できるという手軽さを、近年におけるシェアリングエコノミーの普及も後押しする形となり、サービス地域を一気に拡大。現在、世界の60を超える国と地域の600都市以上でサービスを展開しています。顧客とドライバーが相互評価する仕組みで、安全性と信頼性を担保したことなどにより、まず、国土の広いアメリカでUberの利用が定着・拡大し、海外でも活用されるようになりました。

アジアではローカルなサイト・アプリに注目

東アジアに目を向けると、台湾と香港で最も利用率が高かったのはKLOOK(台湾:26.3%、香港:30.5%)でした。2014年に香港で設立された旅行会社であるKLOOKは、世界各地の現地発着オプショナルツアーをスマホやタブレット端末などで手配できるサービスを提供しています。手軽に自分の好きなオプショナルツアーを見つけられ、そのまま予約することもできることから、急速に利用者が拡大中です。現在、世界50カ国以上の利用者にサービスを提供しており、毎月の予約件数は100万件以上に達していると言われます。もともと香港の会社であることから、香港やマカオでのビジネスに強く、中国語圏の台湾でも根強い人気を維持しているようです。

また、中国で最も利用率が高いのは、中国最大のオンライン旅行会社であるCtrip(44.6%)で、Uber(42.8%)を1.8ポイントという僅差でかわして1位となっています。現在、Ctripの会員数は約3億人に達しており、春節時には中国人の5割までが利用すると言われるほどの定番サイトです。

一方で東南アジアでは、Grabがベトナム(51.7%)とマレーシア(50.2%)で過半を超える利用率でトップに立ちました。マレーシアを拠点にサービスを開始して、東南アジア各国に展開を拡大した自動車配車アプリのGrabは、20183月にUberから東南アジア事業を買収し、東南アジア最大の配車サービスとなりました。現在、東南アジア8カ国の300都市以上でサービスを展開しています。

台湾と香港で人気の旅行予約サイトKLOOK

日本産の予約サービスやアプリも健闘

3000万人を突破した訪日インバウンド市場で、ボリュームゾーンを形成している東アジアの各国・地域では、日本の運輸機関による予約サービスなどの利用率も一定の水準を維持しており、今後の展開も注目されるところです。

台湾では、Japan Rail Pass official site(24.6%)、日本の高速バス予約サイト・アプリ(10.5%)、JAPAN TAXI(7.6%)などの健闘ぶりが目立ちます。また、韓国で14.0%の利用率を占めるJAPAN TAXIは、中国で13.3%、香港では15.5%と存在感を示しています。さらに、中国では、Japan Bus Onlineと日本の高速バス予約サイト・アプリが、それぞれ、20.9%と19.1%の利用率を占めて2割前後の利用率に達しています。

日本の運輸機関系の予約サービスが健闘する一方で、宿泊・ツアーの予約機能や観光情報の提供など、訪日旅行者の「旅ナカ」における多様なニーズに応えるスマートフォンアプリとして開発されたJAPAN Trip Navigatorも注目される存在です。

JTBグループが保有する47都道府県の観光スポット情報を1万件以上も収蔵し、詳細な経路検索が行えるほか、自治体やDMOと連携したオリジナル観光情報の発信も可能で、各種検索や利用者の質問にもAIがチャット形式で対応し、地域ならではの情報提供やユーザーの詳細な分析を行うこともできます。アプリを通じて、宿泊やレストラン、ツアー・アクティビティも予約でき、観光情報と結びつけることにより、地域誘客を促進することが期待されています。



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「JTB訪日旅行重点15カ国調査」では、交通のほかにも飲食や娯楽サービス、ショッピングなど、訪日外国人旅行者の旅ナカでの行動について調査を行っています。調査内容に関するお問い合わせは、JTB訪日インバウンド推進部までご連絡ください。

調査概要

調査手法
WEBアンケート調査
対象エリア
台湾、韓国、中国、香港、タイ、ベトナム、シンガポール、マレーシア、インドネシア、フィリピン、アメリカ、オーストラリア、イギリス、フランス、ドイツの15カ国
調査対象者
以下のスクリーニング条件に適合する各国20歳以上の男女
※性・年齢間のサンプル割付は行っておらず出現率ベースとなる

スクリーニング条件
■東アジア / 台湾・韓国・中国・香港:1年以内訪日経験者
■東南アジア/タイ・ベトナム:1年以内訪日経験者
      シンガポール・マレーシア・インドネシア・フィリピン:2年以内訪日経験者
■欧米豪/アメリカ・オーストラリア・イギリス・フランス・ドイツ:3年以内訪日経験者
調査期間
2019年2月27日~3月11日
サンプル数
各国400サンプル
利用パネル
WEBアンケート調査

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