日本の紅葉や桜にもっとも期待する国は?訪日客の調査データから各市場の「期待と満足感」を分析した
2019.10.02

JTB訪日旅行重点15カ国調査2019

日本の紅葉や桜にもっとも期待する国は?訪日客の調査データから各市場の「期待と満足感」を分析した

「JTB訪日旅行重点15カ国調査」にもとづき、訪日旅行者がもつ「旅マエの期待」と「旅ナカでの満足」に関する傾向を考察。インバウンドマーケティングで必須となる各市場の特徴を検討します。

目次

JTBでは、『JTB訪日旅行重点15カ国調査』と題し、訪日外国人の旅マエの情報収集から行き先決定、予約、旅ナカ行動の詳細について、訪日旅行者数の多い上位15カ国・地域の訪日旅行経験者を対象とした調査を2015年より実施しています。調査の概要や設問項目に関しては、以下のレポートをご覧ください。

旅行先では、おいしものを食べて観光地や名所巡りをして、地元の人との会話を楽しんでみたい――。旅に出る動機や目的はさまざまですが、その傾向は地域によって違いがあるのでしょうか。

今回は、日本を訪れる前(旅マエ)に持つ期待と、実際に日本を訪れた「旅ナカ」での満足度にフォーカスした調査結果をお届けします。

中国人のショッピング熱は低下、最も期待する「日本の伝統文化体験」とは?

15カ国調査によると、おなじ東アジア地域(台湾、韓国、中国、香港)でも、訪日旅行前に最も期待したことにはお国柄が表れることが分かりました。台湾では「日常から離れて気分をリフレッシュする」(台湾旅行者全体の16.3%)、中国は「日本の伝統文化を体験する」(13.5%)、韓国と香港は「日本ならではの食事を楽しむ」(韓国21.5%、香港14.5%)という期待がトップになっています。

特に「日本の伝統文化体験」に対する中国の期待は、15市場のなかで最も高く、2位のベトナムを2pt上回ります。

かつて流行語にもなった「爆買い」で有名な中国ですが、最新調査では、「ショッピングを楽しむ」ことに最も期待する割合は1割以下(8.8%)までに低下。台湾や香港に上位を譲る結果になっています。

さて次に、実際に訪日旅行をおこなってもっとも満足したことをみると、当初の期待とはやや異なる傾向もみられます。たとえば台湾は「新緑、紅葉、雪などの自然を楽しむ」(13.8%)、中国は「温泉に入る」(12.8%)が最多になりました。同じ東アジアでも、台湾では日本の自然に触れることがリフレッシュにもつながる一方、中国では日本の文化体験の一環として「温泉」が好まれている様子が垣間見えるといえるでしょう。

訪日外国人が訪日旅行に最も期待したこと~東アジア~

東南アジアでは「桜や紅葉などの自然」に期待

次に、タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア、ベトナム、フィリピンを含む東南アジア地域に目を移してみましょう。

この地域の傾向として特徴的だったのは、「花や新緑、紅葉、雪等の自然を楽しむ」ことへの期待感が高かったことです。特に、マレーシア(16.8%)、タイ(14.8%)、インドネシア(14.8%)、フィリピン(13.0%)など、一年を通して高温多湿である地域に住む人々には、訪れる時期によって異なる日本の自然や景観にふれることが大きな楽しみになっている様子がうかがえます。

実際に日本を訪れた際の満足度を見ても、タイやマレーシアを中心に「自然を楽しむ」が最も高く、期待を裏切らない結果だったことが分かります。

一方、インドネシアでは旅マエの期待は「自然を楽しむ」が最多だったにもかかわらず、旅ナカで最も満足したことは「日本ならではの食事」が最多だったことは興味深い結果のひとつです。もしかしたら、日本の食事の魅力に触れることで、思いがけず「花よりだんご」な気分になったのかもしれません。このように、旅ナカで新たな魅力に触れたり、期待以上の満足感を得ることも、旅行の醍醐味といえるでしょう。

訪日外国人が訪日旅行に最も期待したこと~東南アジア~

欧米豪地域はアジアと異なる傾向、「歴史に触れる」「日本人の生活を体験」にも期待

さて、ここまでアジア地域の調査結果を見てきましたが、欧米豪地域(アメリカ、オーストラリア、イギリス、フランス、ドイツ)ではどうでしょうか。

アジア諸国と異なる傾向としては、イギリスの「都市に滞在して楽しむ」(13.5%)、フランスの「『世界遺産』などの訪問を通して歴史に触れる」(11.8%)、ドイツの「日本人の生活を体験する」(14.3%)などへの期待が最多だった点が挙げられます。

一方で、アメリカやオーストラリアは「日本ならではの食事を楽しむ」への期待が最多でした。また、これらの国では、旅ナカでの満足度でもきれいに同じ傾向がみられたことから、まさに、各国の文化や国民性に裏付けられた「お国柄」といえるでしょう。

訪日外国人が訪日旅行に最も期待したこと~欧米豪~

旅マエでの期待と旅ナカでの満足との比較からわかる訪日外国人の動向とは?

最後に、旅マエに期待したことと旅ナカで満足したことを比較しながら、15カ国全体のトレンドを俯瞰してみたいと思います。ここで特徴的なのは、総じて「アジアでは欧米豪よりも期待が高めであり、その分満足が期待を下回る傾向も強い」という点です。一例でいうと、台湾では「日本ならではの食事を楽しむ」ことへの期待が65.5%あるのに対し、満足度は55.0%で、1割以上の乖離が見られます。

一方、イギリスでは「都市に滞在して楽しむ」ことへの期待が45.8%であるのに対し、満足度は42.0%。同じく「満足」が「期待」を下回っているとはいえ、その乖離は4%程度にとどまります。

このように、訪日旅行についての期待と満足感の傾向を市場別に把握しておくことは、インバウンド観光事業者の戦略策定時に重要です。JTBグループでは、各国のインバウンド市場のトレンドや特徴に精通した専門家が各種プロモーションや戦略策定をご支援します。また、海外向けの認知・動機付けプロモーションといった訪日インバウンドソリューションを幅広く扱っています。インバウンド関連担当者の方はぜひご検討ください。



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今回の記事で使用した調査項目

  • S56 日本を訪れたとき、訪日前に期待していたことは何ですか。あてはまるものすべてお答えください(選択肢あり)
  • S57 その中で最も期待していたものをひとつあげてください
  • S58 その旅行で満足したものは何ですか。あてはまるものすべてお答えください(選択肢あり)
  • S59 その中で最も満足したものをひとつあげてください

「JTB訪日旅行重点15カ国調査」では、訪日旅行における期待と満足のほか、訪日旅行を決めた理由や、日本滞在中に困ったことなど、訪日外国人旅行者の動向について調査を行っています。調査内容に関するお問い合わせは、JTB訪日インバウンド推進部までご連絡ください。

調査概要

調査手法
WEBアンケート調査
対象エリア
台湾、韓国、中国、香港、タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア、フィリピン、ベトナム、イギリス、ドイツ、フランス、アメリカ、オーストラリアの15カ国
調査対象者
以下のスクリーニング条件に適合する各国20歳以上の男女
※性・年齢間のサンプル割付は行っておらず出現率ベースとなる

スクリーニング条件
■東アジア / 台湾・韓国・中国・香港:1年以内訪日経験者
■東南アジア/タイ・ベトナム:1年以内訪日経験者
      シンガポール・マレーシア・インドネシア・フィリピン:2年以内訪日経験者
■欧米豪/アメリカ・オーストラリア・イギリス・フランス・ドイツ:3年以内訪日経験者
調査期間
2019年2月27日~3月11日
サンプル数
各国400サンプル
利用パネル
WEBアンケート調査

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