ロイヤルロード銀座

最新海外音楽情報

最新の海外音楽情報、各国の音楽都市の魅力、おすすめのクラッシック楽曲など、「音楽の旅」に関するあらゆる情報をお届けするコラムです。

はらやん プロフィール 1966年生まれ。中学の音楽教師の影響で合唱に目覚め、高校生の時ベートーヴェンの第九を歌って感動。以降、幅広かった音楽鑑賞はクラシック音楽が中心となり、特にフルトヴェングラーに傾倒。
大学時代には合唱団の指揮者も経験する。
クラシック音楽は底が見えないほど奥深いので、新たな発見に出会えることが大きな楽しみになっている。その他の楽しみはカラオケ、野球観戦。
  • 2018年07月06日

    念には念を入れて

    最近は国内のコンサートホール内で携帯電話が鳴る音を聞くことはなくなりました。会場内で携帯電話の電波を止める装置が働いているところが多いようです。意外ですが、海外のホールではそのような装置がまだ設置されていないのでしょう、携帯電話の電波が受信できるところがまだまだ多く感じます。日本の技術がすごいのか、それともマナーには非常に敏感だからでしょうか。

    先日、ウィーン楽友協会でのこと。ウィーン・フィルの公演でリゲティの作品が演奏されました。初めて聴く曲でしたが静寂の中からさまざまな音が浮かび上がります。曲の中盤でなにやら聞き覚えがある旋律が微かに聞こえてきます。モーツァルトのトルコ行進曲のように感じました。「まさかリゲティが自身の作品にモーツァルトを取り入れたのか?」「いや違う、これは携帯電話の着信音なのでは?」と思いました。当日はオーストリア放送協会がラジオの生放送をしていて、1週間に限りアーカイブで聴くことができたのですが、その中でもトルコ行進曲がはっきりと聞き取れました。ラジオの前で聴いていた人も驚いたことでしょう。

    楽友協会では開演前、必ず電源OFFするようアナウンスがあります。しかも電話が鳴る音付きアナウンスですから言葉がわからなくても「電源をOFFにしなさい」と言っているのだと誰でも理解できます。それにも拘わらず忘れてしまうことがあるのですね。私も切ったつもりの電源が入りっぱなしだったことが終演後にわかり、ヒヤッとしたことがありました。音のマナーを守れないことは、周囲のお客様に迷惑をかけることはもちろん、演奏家にとっても集中力を削がれることになりますし、自身にとっても嫌な思い出になってしまうので、今後も必ず重ねて確認をしたいと思います。
  • 2018年06月19日

    ワールドカップといえば

    コンサートのチラシ。
    弊社でもチケットの販売を行っていました。
    ワールドカップが始まりました。サッカーファンの方は寝不足の日々が続いていることでしょう。サッカーに詳しくない私は、ワールドカップと聞くと「3大テノール」のことを思い出します。

    1990年イタリア大会決勝前日、カラカラ浴場で開催された最初の3大テノールコンサート。仲が悪い?とも噂されていたトップテナー3人が同じステージに立つという夢のような企画。後日、録画がテレビで放送されました。イベント性が強い内容のコンサートでしたが、決して手を抜くことなく、逆に普段のオペラとは違うリラックスした歌声は素晴らしく思いました。クラシックとは異なる、世界各地の普段歌わないような曲を聴けたのも良かったですし、アンコールの「オ・ソレ・ミオ」での掛け合いは、まさか世界のトップテナーたちがこんな面白いパフォーマンスをするのかと驚いたものです(ドミンゴ&カレーラスvsパヴァロッティという、ちょっと裏の世界を垣間見るような演出にニヤリとしてしまいました)。3大テノールという言葉もここから広がり、ひとつのエンターテイメントとしてクラシックの敷居を低くしたとも言えるでしょう。

    4年後、アメリカ大会において再び開催されると聞いた途端、テレビ放送に魅了された私は生で体験すべく、なんとかして行くことを考えていましたがスケジュールが合わず断念。しかし、その後、何と日本でも開催されることがわかり、スケジュールを万全に整えました。1996年6月29日、国立競技場。梅雨の最中の野外開催だったので雨も覚悟していましたが、その日は奇跡的に曇り。開演後には、スタンド席から夕焼けに浮かぶ新宿新都心が見えたのを思い出します。3大テノールは米粒のようにしか見えませんでしたが、マイクを通してでも本当に素晴らしい歌声を楽しむことができました。
    ドミンゴは現在開催しているロシア大会前夜祭コンサートにも出演して、素晴らしい歌声を披露したそうです。
  • 2018年06月15日

    演奏以外でも気にしなければいけないこと

    演奏家はこのような風景を見ながら登場します アムステルダムのコンセルトヘボウは優れた音響のホールとして有名ですが、指揮者やソリストの登場の仕方が変わっているということでも有名です。一般的なステージ左右の入り口ではなく、ステージ後方客席出入り口から階段を降りてステージに向かいます。
    実際ここを降りてみたことがありますが、段差は低いものの30段以上あります。例えば女性のヴァイオリニストは片手にヴァイオリン、もう一方の手で弓を持ちロングドレスの足元を気にしながら降りてくることになり、結構大変なのではないかと思います。マーラーやブルックナーの大曲を指揮した指揮者はお疲れのところ、その階段を上っていくことになります。そして、拍手に応えるために階段を降りてお辞儀し、また上っていく。最近は全て上り切ってから引き返してくるのではなく、中段まで上ったところで引き返してくることが多いようです。思わず階段を踏み外してしまった音楽家もいるのではないでしょうか。

    先日、ブロムシュテット(90歳)指揮の公演を聴いてきましたが、さすがにこの階段は使わず、ステージサイドの出入り口を使っていました。最近ハイティンク(89歳)が演奏後、意識を失って倒れてしまい顔面を強打、医師に抱えられて退場したというニュースもありました。まさかこの階段を使ってはいないと思いますが・・・。
    演奏家も演奏以外のことで気にしないといけないことがあるのは大変です。
  • 2018年5月8日

    アナログ復権

    初めて聴いたクラシックのレコード いつも利用している駅の売店に「写ルンです」が置いてあります。なんと懐かしい。ピント合わせも必要がなくシャッターを押すだけ…という優れもの。巻き上げの「ガチガチ」という音も思い出します。カメラは買えなかったけど、これが登場して写真がさらに身近になりました。スマホで手軽に写せる今、まだ生き残っていることに感動を覚えました。
    年配の方が使っていると思っていたのですが、意外にも若い方の利用も結構あるらしいのです(今の若い世代は「しゃるんです」と呼んでいるらしい)。我々世代は郷愁を覚えますが、若い世代にとっては新しいものなのですね。

    音楽においてもレコードが復権しています。消える存在であったはずなのに、逆に今では新しくリリースされるものは高級品のようになって出ています。私自身はお小遣いが少なくFM放送をカセットテープに録音する派でしたが、なぜかクラシック好きではない父親がクラシックのレコードを何枚か持っていて、その中でも最初に聴いたレコードはワルター指揮の第九でした。でもノイズがいやな完璧主義にとってはホコリ対策が面倒で。静電気防止のスプレーをかけたり、水で洗ったり。自分で買い始めたのはCDの時代になってから。もうレコードは無くなると思っていました。
    いまではレコードを聴く機会は行きつけの名曲喫茶でしかありません。シャーシャーノイズがあったり、時々針が飛んでしまったり。あんなに嫌だったノイズもさほど気にならず、CDとはまた違う音色がして意外にいいものだなと思います。

    昔のフィルム写真を見返してみてもデジタルのものとは明らかに違う色合いがあります。特に今のように無差別にシャッターが押せず、一期一会のシャッターチャンスを狙って押す。その出来映えは現像してみないとわからない、という過程を経たものは撮った時の記憶まで蘇ってきます。苦労して聴いた音楽も、同じようなものかもしれません。
  • 2018年4月27日

    誰も寝てはならぬ

    さわやかな季節になりました。が、私にとって今の季節で悩ましいのは、日中に眠さを感じることが多くなる季節。なぜなのでしょうか。

    コンサートの時も、ついウトウトしてしまうことがありますが、昔でもハイドンの交響曲第94番「驚愕」の有名な逸話があるように、音楽を聴くと眠くなるという現象はあったわけでして。東京の白寿ホールには45度の角度で座席がリクライニングするシートがありますが、ここに座ると間違いなくノックアウト、でしょうね。
    眠ることを目的にしている音楽もあります。バッハのゴルドベルク変奏曲は不眠症の伯爵のために作曲したと言われています(事実は違うようです)。最近ではその名も 「Sleep」という最適な睡眠をとるために作曲された8時間にも及ぶ曲がマックス・リヒターという作曲家により生み出され、パジャマを着て寝袋に入る観客を前にして実演されたとか。聴いてみると確かにいい眠りにつけそうな心地よい音楽です(その一部しか聴いていませんが)。

    眠ってしまうことは演奏者に失礼かもしれませんが、それだけ心地が良い環境になっているとも考えられます。耳障りだと寝る気は起きないでしょう。海外での音楽鑑賞は眠りとの戦いをしなければならないことがあります。例えばヨーロッパの夜の公演の時間帯は、日本ではしっかり眠っている時間に行われていることになります。でも対策をしていけばかなり軽減るはず。
    私の対策は、お酒を飲まないこと。素敵な雰囲気の中でつい飲みたくなってしまいますがガマン。そしてミントの飴などを口に入れること。開演前や休憩時間にいつでも口に入れられるよう準備しておきましょう。演奏中のガサガサ音、結構気になりますよね。でも一番の対策は短い昼寝です。長く寝すぎると公演が終わって、ホテルでしっかり寝ようとしても、公演の興奮も重なって眠れない事態になってしまいます。
    なぜか眠くなってしまう季節。この謎が解けるまでは、誰も寝てはならぬ。と言われたとしてもきっと眠くなってしまうでしょうね。
  • 2018年4月17日

    温泉の街バーデンバーデン

    「バーデン」はドイツ語で「浴場」のことで、文字通りバーデンバーデンは温泉保養地として昔から有名なところ。今ではベルリン・フィルがイースターの時期に音楽祭をすることでも知られていますが、昔はブラームスが毎年ここで過ごし、フルトヴェングラーも療養に訪れ、郊外の病院で亡くなっています(お墓は車で1時間のハイデルベルクにあります)。

    ここに来たならやはり温泉に入らないと!ということで「カラカラ・テルメ」へ出かけました。もう1ヶ所有名なのは「フリードリヒス浴場」ですが、男も女も素っ裸。おまけに混浴。みんなタオルで隠すようなことはしない(タオル持ちこみ不可)とのことなので、そこまでの勇気はありません。「カラカラ・テルメ」は1階エリアが水着着用の大きな温水レジャー施設のプールのような感じ。お湯の温度は、かなりぬるく感じます(約32℃程度とのこと)。個人的には熱いお湯が好きなので湯冷めしそうな予感がして、早々に引き上げようかと思いましたが、じーっと浸かっていると徐々に心地よく感じてきます。そういえばみんな、位置も変えずにじーっと浸かっています。屋内に38 ℃の浴槽もあり、やっぱり温度が高い日本の温泉に慣れた体は、最低このくらいの温度が無いと満足できません。海外の方は早めに出ていくのでこの温度は熱く感じるのかもしれません。
    みんなが吸い込まれるように入っていく一角にはアロマミストのサウナがあり、これがまたとても気持ちいいのでおすすめです。2階にあるサウナゾーンは素っ裸エリアなので、次回チャレンジしたいと思います。料金は1階エリアのみ、1.5時間で15ユーロです。


    駅舎だった建物を利用した祝祭劇場

    ブラームスが住んでいた家
    メインイベントのイースター音楽祭もとてもすばらしいものでした。今年のオペラは「パルシファル」。この長く難解なオペラを生で聴くのは初めてで、映像で見ていても集中するのが大変ですが、長い第1幕(約1時間40分)があっという間に過ぎてしまったのには驚きました。
    来年のイースター音楽祭もすでにスケジュールが発表されました。オペラはガッティ指揮の「オテロ」、コンサートはペトレンコとムーティが指揮。コパチンスカヤとラン・ランも登場し、かなり興味深い内容です。「音楽の旅ライブ」では来年も鑑賞ツアーを企画しますので、ぜひご期待ください!

  • 2018年3月15日

    7回目の3.11

    荒浜小学校での風船リリース ライブデスクでは毎年、インターネットラジオOTTAVA さんとの協力して仙台で開催される「みんなでつくる復興コンサート」を鑑賞するツアーを企画しています。今年は添乗員としてツアーに同行しましたが、一生忘れない仕事になりました。

    震災後、仙台フィルのメンバーは東北各地で音楽を届ける活動をはじめました。亡くなった方がいたり、日々の生活にも困る状況において果たして音楽を演奏することがいいのだろうかという葛藤の元、実施したコンサートには多くの人が音楽を聴きに来られたそうです。
    その仙台フィルが演奏するコンサートは、とても力がこもった演奏でした。ミュージカル界のプリンス井上芳雄さんの素晴らしい歌声、小柄でも弾けるような指揮姿が素敵だった田中祐子さん(このお2人の掛け合いが漫才トーク並みに面白かったのもびっくり)。仙台南高校音楽部が合唱で参加した「わせねでや」(意味は「忘れないでね」)という曲が毎回歌われるのですが、とても感動的でした。


    荒浜小学校の1階教室

    津波の爪痕がそのまま残る荒浜
    コンサートの翌日は名取市の閖上(ゆりあげ)地区と仙台市の荒浜小学校を訪問。テレビでは報道されてはいるものの、充分には伝えきれていない世界がそこには広がっていました。地平線が見えるのではないかというほどの何もない更地。復興の兆しはあるものの、あれから7年、まだこの先どのくらいかかるのか。頭の中は無音、ふさわしいBGMなど思い浮かびませんでした。でも、閖上の市場の皆さんをはじめ、辛い環境が背後にありながら、現地のみなさんの明るさにはちょっと安心もしました。

    後日、ツアーにも同行されたOTTAVAパーソナリティの斎藤茂さんが、番組内でツアーの報告をし、ツアー参加者からのリクエスト曲が流れました。ヴェルディ「ナブッコ」から「行け、わが想いよ。金色の翼に乗って」。ああ、なんと素晴らしい選曲。自分たちの故郷のことを強く思うのは、オペラの物語でも被災地でも同じなのだと感じました。復興に向けて頑張っている地区に向けて、力強いエールを送る曲だと思いました。今後聴くときは、毎回あの風景を思い浮かべることでしょう。
  • 2018年2月27日

    食べ盛りの年齢を過ぎても

    作曲家の三枝成彰さんは一日一食しか食べず、年に1回は一週間の断食をしているそうです。売れっ子作曲家として大河ドラマや朝の連続テレビ小説、映画音楽など次々と入る依頼をこなすために、一週間で7時間しか睡眠できなかったのだとか。食事をすると睡魔が襲うので一食に制限をしたことで、現在のリズムになったといいます。(三枝さんの著書「無敵の1日1食」より)大河ドラマ「華の乱」のテーマ曲はその頃の作品と思われますが、それまでよくあった威勢のよい始まり方ではなく、静かな出だしで映像も素敵なオープニングでした。視聴率はいまひとつだったようですが・・・

    私は朝しっかり食べないと体が持たない気がしますし、早い朝食のおかげでお昼も11時ごろにはお腹が鳴り始めます。そんな私は一日一食の生活ができるとは思えません。どうしてもお昼ご飯を食べられなくて、集中力がなくなってきてイライラしても、ある程度の時間を経過するといつの間にか辛くなくなっている。これは皆さんも経験あるかもしれません。でも1日ならまだしも、毎日では果たしていかがなものでしょうか。

    三枝成彰さんは日本人作曲家としては数多くのオペラを生み出していますが、100歳までオペラを作曲し続けるそうです。今後の作品は大作になりそうな平家物語や、わたせせいぞうのハートカクテルという題材もあるそうです。ドイツで初演された細川俊夫の「松風」は最近日本で里帰り公演をして好評だったようです。私は団伊玖磨の「夕鶴」と松村禎三の「沈黙」をテレビで観たくらいなので、日本のオペラにもっと関心を持ってみたいと思います。
  • 2018年2月20日

    フィギュアスケートは音楽も熱い

    怪我から見事復活した羽生選手、そして宇野選手との金銀メダル獲得は嬉しいニュースでした。素晴らしい演技でしたがクラシック音楽ファンはやはりBGMが気になってしまいます。繰り返しテレビで流れる羽生選手の演技とショパンのバラード第1番。誰の演奏したものなのだろうか?どうもツィメルマン演奏のようだという情報があり、自分でも確認すべく、CDを引っ張り出してみました。

    ツィメルマンの演奏を最初聴いた時にはびっくりしたことを覚えています。それまで聴いたことがある演奏とはかなり異なる表現で、先へ進むのをためらうような前半、即興的で豊かな歌い回しはロマンチック。演技用にかなり編集されていることもあり、ちょっと違うかな?と感じたところもありましたが、特徴からしてやはりツィメルマンではなかろうかと思います。

    ついでに他のピアニストの演奏も聴こうということでとりあえず11種類。ルービンシュタインは永遠のスタンダード。ホロヴィッツは12年の活動休止を経て1965年ヒストリック・リターンとして知られるライブでの演奏。ミスは多いものの「これぞライブ演奏の醍醐味」という熱く鬼気迫る演奏です。コルトーは笑ってしまうくらい変化が大きくて決して聴き心地は良くないのですが、これが癖になります。振付すると大変そうです。

    聴いていて「いいなぁ」と思える演奏はその時により変わるのですが、今回のベストはミケランジェリ。1967年のライブを好んで聴いていましたが、1971年のスタジオ録音がよいものでした。止まりそうなほどゆっくりとしたテンポから熱い盛り上がりを見せるコーダ。ジャケットも渋くて気に入っている一枚です。
    番外編としてネイガウス(ブーニンのお父さん)を挙げておきましょう。1980年の演奏会の録音。粗く万全な演奏ではないのですが、取りつかれたような激しさが魅力です。この演奏会後、彼はわずか6日でこの世を去ってしまいます。

    宇野選手のヴィヴァルディやトゥーランドットまで行くとキリがありませんので、この辺で。しばらくはバラード第1番が頭の中を駆け巡り続けそうです。
  • 2018年2月9日

    指揮者情報

    最近の投稿は、クラシック音楽からちょっと離れていましたので、このあたりでそろそろ・・・

    イスラエル・フィルのシェフが、2019年よりメータからラハフ・シャニへ変わります。シャニはなんと29歳。ロッテルダムではすでに首席指揮者、あちらこちらのオケでも指揮をしている若手有望株のひとり。甘いマスクで女性に人気が出るかもしれませんね。日本でも読響の指揮で来日していました。イスラエルでも地元のシェフ誕生は嬉しいニュースでしょう。

    現在のシェフであるメータは1969年から(!)音楽監督を続けているので、これも驚きです。最近肩の調子が悪いらしく、ベルリン・フィルなど降板しているので少々心配です。5月にイスラエル・フィルを率いて来日予定ですので、このコンビでは最後となるかもしれません。

    ムーティもシカゴ響の監督を2022年まで延長して契約。76歳ですので80歳まで頑張ることになります。もう「オペラは振らない」という情報もあるのですが、オケはオペラに比べるとまだ負担は軽いので続けることができるのでしょう。私は彼の指揮するオペラを生で観たことはないので残念ですが・・・いや、なんと!東京でムーティが振ってくれるかもしれません。2019年、東京・春・音楽祭でイタリア・オペラ・アカデミーが開催されます。その成果を披露する公演が行われますので、ぜひ指揮台に上がってほしいですね。
  • 2018年2月6日

    歌えることの素晴らしさ

    大学の合唱団所属中、咳が出つづけ歌うのが苦しくなってしまったことがありました。熱っぽいし、これは風邪をひいてしまったな、ということで近くの医者に行ったところ「風邪でしょう」の診断。薬をもらって安静にしていましたが、いつもの風邪とは違う気がして大きな病院で検査を受けてみることに。胸のレントゲンを撮って、次の検査を待っていたところ、館内放送で至急の呼び出しがかかりました。何ごとかと戻ったところ、先生が言うには「右の肺がつぶれちゃっていますよ」。驚きでよく理解ができないまま、緊急の処置が行われ、最終的には手術を受ける羽目に。「気胸(ききょう)」という症状で、肺に薄い部分があり、何かの拍子で穴が開いてしまうのだとか。やせ形の若い男性がよくなるとか先生が言っていましたが、いったい肺とどんな関係があるのでしょう。今ではもっと簡単に治療ができるそうです。

    最近「Breathless Choir」という団体を知りました。「息がない(できない)合唱団」とでもいうのでしょうか、メンバーはぜんそくなど呼吸器になんらか障害がある人ばかりです。片肺しか機能していないという人も。たった4日間の猛練習で彼らは数々の有名アーティストを排出したアポロシアターの舞台に立つのです。ギャレス・マローンというイギリスで有名な合唱指導者が熱く励ましながら導いていきます。まさか人前で思い切り歌うことなど考えたことはなかったでしょう。歌った曲はポリスの大ヒット曲「Every Breath You Take(邦題は「見つめていたい」)」。Breathつながりであることがまたニクいのですが。

    とある企業の思いを伝えるために臨時的に作った団体ですが、あきらめていたことに対してチャレンジする勇気や夢を与えてくれるものでしょう。その過程は短い動画で見ることができますが、とても感動的です。
    大きく息を吸って歌うことは本当に気持ちがいいものです。幸い私の肺はいい調子で、いまでは合唱ではなく「ひとりカラオケ」で発散しています。
  • 2018年2月2日

    ドラマ仕立ての観光

    サンフランシスコの観光の目玉といえばアルカトラズ島。アル・カポネも収容された脱出不可能な監獄として有名です。でも脱獄を試みた囚人もいて、その物語は映画「アルカトラズからの脱出」で映画化されています(主演はクリント・イーストウッド)。昔、テレビでこの映画をみた覚えはあるのですが、かなりの部分は忘れてしまっていました。

    牢にある通気口をスプーンで削り続けて広げた穴から脱獄しましたが、実際に開いているその穴を見た時に、映画の中で流れた音楽が頭の中で蘇りました。効果音といってもいいような、目立たなくてもシーンを印象深くする音楽。それは子供にとってはホラー映画のBGMのように恐ろしく緊張感を強いられるもので、映画を見たことを後悔したように思います。先日書いたスターウォーズもそうですが、映画における音楽は、映像以上にインパクトを与えてくれる存在です。

    アルカトラズ島はヘッドホン形式のオーディオガイドを借りて観光ができます。日本語版もあるのですが、これがまた優れもの。単なる解説ではなく実在の人物を登場させ、セリフを介して臨場感あるドラマ仕立てになっていて、とても楽しめました。他の観光地でもこのような形で観光できれば面白いものです。ちなみにこの観光は、事前予約をおすすめします。目玉だけあって、特に週末は当日の予約が取れないことがあります。

    今回の訪問ではタイミングが合わず、音楽鑑賞ができませんでしたが、クラシック音楽という点でもサンフランシスコ響にオペラもありますからお忘れなく!
  • 2018年1月23日

    いにしえの音楽に触れる

    舞台に和風のセットがあるのも新鮮 普段コンサートを聴いているサントリーホールが全く異なる雰囲気に満たされていました。

    今の時代、「雅楽」を生で聴く機会は少なく、神前結婚式とかご祈祷の時くらいでしょうか。しかも演奏される時間は短時間です。その雅楽に舞をつけた「舞楽」としてじっくり聴く機会がありました。
    豪華な衣装を身に着けた踊り手による優美な舞いを伴った音楽は、滅多に触れることができない貴重な体験でした。和音構成や音階は今の12音階には当てはまらない音が多くあり、またポルタメントのような奏法もあることも大きな発見でした。

    笙の奏者は演奏していない時は、なにやら手元を忙しく動かしています。笙を(おそらく)火鉢の上でクルクルまわして温めているのです。温めていないと音が狂ってしまうということを知っていましたが、以前コンサートで聴いた笙を伴う音楽、例えば武満徹の「セレモニアル」などこのように温めていたかどうかは記憶に残っていませんので、目の当たりにできたことは貴重な機会でした。

    今回の公演は聲明(しょうみょう)とのコラボレーションが特徴でしたが、これも意外に触れる機会は少ないかもしれません。この音階も非常に複雑でアカペラで歌うのは相当な訓練が必要で、しかも昔から記載したもの(楽譜)ではなく伝承されてきたのでしょうから、合唱経験がある私でもマスターするのは相当難しいと感じました。全員同じメロディを唱えるだけでなく、いろいろなバリエーションの旋律の掛け合いやカノン(輪唱)形式による音楽など、西洋音楽理論が整備されるよりはるか以前に、その理論に基づく音楽が日本で演奏されていたとは驚きです。

    いろいろなジャンルの音楽がありますが、普段触れない音楽に触れてみることは大きな発見があり、ワクワクします。来年2月にもサントリーホールで公演があるとのことです。
  • 2018年1月19日

    そろそろ潮時?

    映画「スターウォーズ」シリーズ最新作「最後のジェダイ」。私はまだ観ていません。というより、最初に公開されたエピソードから3作しか見ていないのです。3作目として公開された映画「ジェダイの復讐」で裏の主役というべきダーズベイダーが息子(主人公のルーク)を守るために自らを犠牲にして死んでしまったことで、自分としてのスターウォーズは完結してしまっていたのです。次作である「ファントム・メナス」公開までは16年という長い時間が経過したことも理由かもしれません。

    最初の作品に触れたのは小学生の頃でしたが、その未来的な映像に釘付けになっただけでなく、背景で流れる音楽にも魅せられました。オーケストラが奏でる音楽を繰り返し聴き入ったのは、もしかしたらスターウォーズのサントラ盤が最初かもしれません。フルオーケストラで鳴る冒頭が印象的なテーマ曲。これから始まる冒険を予告するようなワクワクさせる音楽。一つの物語が集約された交響詩のような音楽でもあります。作曲したジョン・ウィリアムズは、交響詩の父であるリヒャルト・シュトラウスの作品を参考にして作曲していたという話もあるようです。演奏もクラシック音楽のプロ、いまではサイモン・ラトルが監督を務めるロンドン交響楽団が担当していました。

    話は逸れますが、このテーマ曲に日本語の歌詞をつけたバージョンがあり、子供心に大きな衝撃を受けた覚えがあります。歌っていたのは子門真人さん。映画2作目で登場した「帝国のテーマ(いわゆるダーズベイダーのテーマ)」も、悪役登場のBGMの代名詞のように今でも使われている印象に残るマーチです。

    4作目以降を観ていませんが、全く気になっていないわけではありません。観たいと思っているのです。そろそろ順を追って観てみようかと思い始めています。流れる音楽もきっと素晴らしいでしょうから。
  • 2017年12月28日

    1年後のこと

    毎年、年末になると楽しみにしているテレビ番組があります。クイズ番組(というかバラエティ番組?)なのですが、番組が収録されるのは放送1年前のことで、答え合わせを1年後に行うのです。回答者は次の1年間に起こっていることを考えて回答するということになり、なかなか正解が出ないのですが(バラエティ性が強いのでおふざけの回答も多いのですが)、あてずっぽであっても正解にはそれなりの分析や背景があって「なるほど」と感心することもあります。また「そんなことあったっけ?」というようなものもあり、記憶力の低下を感じさせられることもあります。「この1年早かったですね」というのが今の時期のあいさつにもなっていますが、その早い1年間のことを前もって考えるのは意外に大変なことなのですね。

    1年前に今の自分がこうなっていると想像できたか?年始の目標は立てますが「こうしたい」というレベルであって「こうなっている」とまでは考えたりしていません。世の中はすごいスピードで大きな変化をしていますので、考えるのは難しいことです。これはどうすることもできないのですが、前述のクイズ番組を自分に置き換えてみて、1年後の自分は「どうなっている?」という出題に対して「こうなっている」という答えを考えたいと思います。もちろんクラシック音楽界についても。1年後の答え合わせが楽しみになりそうです。

    前述の番組、今年は12月30日に放送されます。

    来年もライブデスクを何とぞよろしくお願いします。
  • 2017年12月19日

    「まくら」が重要


     

    落語好きの指揮者
    佐渡裕さんからのお祝いの花
    年に一回、立川志の輔さんの落語を聞きに行っています。もともと落語には興味はなかったのですが、7,8年前にテレビで偶然見る機会があり「意外におもしろいなぁ」と思ったことがきっかけです。図書館に落語のCDがたくさんあることを思い出し、借りることにしたのですが、たくさんあるCDの中で目についたのが志の輔さん。とにかく面白くて電車の中ではクラシック音楽そっちのけで聞いていましたが、周りのお客さんは一人でニヤニヤしているおじさんが気味悪かったことでしょう。古典落語ではなく、いわゆる新作落語が多いのですが、現代社会が舞台となっていることも「ああ、そうそう」と共感できる面白さがあり、初心者としてはさらに興味をもつことができたと思います。

    実は、最初にテレビで「おもしろい」と思ったのは、本題より「まくら」と呼ばれる導入部の話。ここでぐっと噺家の世界に引き込まれ、いつの間にか本題に入っているという絶妙さ。単に面白い話をしているだけでなく、本題に隠された話題が取り上げられることが多く、「落ち」がきてから「ああ、だからあの話題だったんだ」と腑に落ちる楽しみもあります。
    「まくら」は仕事でも役立つことだと、しばらくしてから気が付きました。例えばお客様に対するプレゼンテーションなどで、初対面の自分に対してどのようにこちら側に興味をもっていただけるか、ということに役立ちます。実践すると、なかなか難しいのですが。

    今回の志の輔さんの噺は「歓喜の歌」という今の季節らしいお題。たくさん笑って、ちょっぴりジーンとくる場面もあり、最後にはびっくりする仕掛けが。今年も大満足な会でした。
  • 2017年11月28日

    意外と近い!?クラシックとロック

    ロシアのバリトン歌手ホロストフスキーが55歳という若さで亡くなったというニュースは、クラシック音楽界に衝撃を与え、各歌劇場や共演した音楽家からの哀悼メッセージが多く寄せられました。彼が若いころロックを歌っていたということを初めて知ったのですが、あの容姿でロックを歌っていることを想像しても違和感はありません。

    ペーター・ホフマン。彼もロックを歌っていてCDまで出していました。金髪のパーマがかかった容姿はまさに「ヘルデンテノール」であり、ロックシンガーとしてもぴったりでした。そういえば彼も闘病の末、亡くなっています。

    クラシックとロックは意外と近い存在だと思っています。私も昔はロックを聴く比重が高かった時があります。エレキギターを弾いていましたので、特にギタリストには注目していましたが、あるギタリストはバッハやパガニーニに大きな影響を受けたと言っていました。アルペジオを多用するメロディはバッハを思い出させ、速弾きなどの技巧はパガニーニを思い出させます。最近「アポカリプティカ」というフィンランドのバンドを知り関心を持ったのですが、彼らはなんとチェロとドラムでヘビーメタルを奏でています。

    ロックにはアウトローなイメージが付きまとっていました。でも、クラシックというジャンルでも、例えばマーラーの交響曲は当時ではロックのようなものだったのでは?ストラヴィンスキーは?と思うことがあります。ベートーヴェン第九の第4楽章を歌った時に、「これは当時のロックミュージックだ!」と思ってから、今でもそう思い続けています。もう第九の季節が近づいてきましたね。
  • 2017年11月21日

    トムとジェリー

    「トムとジェリー」懐かしいアニメです。大好きなアニメの一つで、子供のころ再放送を何度も見ていました。このアニメはほとんどセリフが無いのですが、トムとジェリーがバトルするドタバタ劇ですから、効果音の存在が重要!その効果音に付随するBGMもこれまた重要な存在で、なかなか凝っている曲が多いのですが、その音楽をベルリン・フィルが演奏したことがあります。2015年のワルトビューネコンサート。その時は指揮のラトルをはじめ、オケのメンバーがすっごく楽しそうに演奏していて、私も思わず笑ってしまいました。

    「トムとジェリー」は多くの話が作られましたが、一番好きなのはトムがピアニストとして登場して、リストのハンガリー狂詩曲第2番を演奏するもの(題名は「ピアノ・コンサート」)。セリフも無く、その1曲が演奏されていくシーンだけで話が完結してしまうのです。曲とアニメーションが見ごとにマッチした、なかなか見応えがある素晴らしい作品でした。もちろん曲に合わせてジェリーとのドタバタが行われるのですが。
    他にも「美しく青きドナウ」、「カルメン序曲」やセヴィリアの理髪師「私は街の何でも屋」とか、クラシックの名曲が登場する回がありますので、機会があればご覧になってみてください。

    ベルリン・フィル、またトムとジェリーを演奏します。ラトルが退任するにあたり、来年5、6月にお気に入りの曲を順次演奏するのですが、その中に含まれています。やっぱりもう一度演奏したいくらい楽しかったのでしょうね。
  • 2017年11月17日

    季節の変わり目

    季節の変わり目に風邪気味になるのが恒例。冬に向かうこの時期もやはりそうで、今回は起き上がれなくなるほどひどい状態。いくつかのコンサートへ出かける予定を悔しい思いでキャンセルする事態に。

    「答えはありません。神様からの贈り物ですね。仕事はやりすぎない。どこでやめるかを自分自身で知っておくこと」。90歳のブロムシュテットが記者会見で、健康の秘訣について問われての回答。「仕事はやりすぎない」とはいっても、彼が率いるライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団のワールドツアーは4週間に17公演をこなす忙しさ。でも先日の公演でもこれまで通りのしっかりした指揮ぶりで、大変感動的な「ドイツ・レクイエム」を味わうことができました。今年はこのコラムで書いた聖トーマス教会での公演、そしてザルツブルク音楽祭でのウィーン・フィル演奏会を含め、彼の指揮で3回の公演を聴きました。来日機会も多かったので、長年にわたり生で聴き続けている指揮者ですが、最近の演奏はひとつの物語をゆったり語るように、大きな流れとして音楽が奏でられているような気がします。来年のザルツブルク音楽祭のプログラムも発表され、再びウィーン・フィルと共演(ブルックナーの4番)します。

    今だ張りがある声と圧倒的存在感を持つヌッチ(75歳)、足元は弱くなってしまったが相変わらずオペラを暗譜で指揮するサンティ(86歳)、再びドレスデン・フィルのシェフになるヤノフスキ(78歳)。ダウンして行けなかったけどフェドセーエフは85歳。最近接したマエストロ達の活躍ぶりに、まだまだ弱音は言えないのだと思う今日この頃です。
  • 2017年11月7日

    イタリア半島を縦断してミラノへ

    スカラ座 イタリア半島はブーツの形に例えられますが、弁慶の泣きどころ(ナポリ)から、足の付け根あたりのミラノまで、バスで移動してきました。その終着点のミラノ。やはり雰囲気が他の街とは異なります。洗練された雰囲気、ミラノコレクションも開催されるファッションの最先端ですし、近代的な高層建築物も多くできています。
    ただ、イタリアオペラの殿堂『スカラ座』は、「これが有名なスカラ座なの?」というくらい、シンプルな外観に驚きます。近くにあるヴィットーリオ・エマニュエーレ二世のガレリアや大聖堂が、あまりにも大規模なので余計にそう感じます。
    しかし、内観は威厳を感じる雰囲気が漂い、演奏はいつも期待以上の内容です。私が一番素晴らしいと思うのは、合唱の迫力。今回鑑賞した『ナブッコ』の『行け我が思いよ、金色の翼に乗って』も感動的なものでした。
    主演のレオ・ヌッチ(75歳)、指揮のネッロ・サンティ(86歳!)とヴェルディのスペシャリストも、高齢ながら素晴らしい音楽を聴かせてくれました。



    ヴェルディのお墓


    ミラノ風リゾット
    もちろん食のイタリアですから、ミラノ風リゾットにカツレツも美味しいですよ!
  • 2017年11月2日

    はらやんinナポリ

    「ナポリを見て死ね」という言葉があります。ナポリの絶景を見ずに死ぬのはもったいない!という意味ですが、その言葉通り、サンタ・ルチア地区からナポリ湾越しに美しいヴェスビオス火山の風景が望めます。その一方で、町は車やバイクが多く行き交い、多くの店と観光客で溢れかえる、日本でいうと原宿の竹下通り?のような路地「スパッカナポリ」も混沌としていますが、ここでしか見られない風景として魅力的です。

    今回の目的はイタリア三大歌劇場と呼ばれるナポリ「サン・カルロ劇場」・「ローマ歌劇場」・ミラノ「スカラ座」を1つの旅行で巡る旅。その最初にナポリでオペラを鑑賞しますが、今ではヨーロッパ最古の歌劇場として機能し、ロッシーニ、ドニゼッティ、ヴェルディなどがこの劇場のために作品を作っています。

    オペラも有名ですが、カンツォーネ・ナポリターナも忘れてはなりません。皆さんはどのような曲を思い出しますか?「サンタ・ルチア」「オ・ソレ・ミオ」「フニクリ・フニクラ」・・・どれも名曲ですね。私は「帰れ、ソレントへ」ですね。哀愁漂う短調の曲ですが「帰れ、君〜」というサビの盛り上がりが印象的です。中学の音楽の授業の時、一人一曲、ソロで歌うという課題があったのですが、密かに私を含め仲が良い3人が1曲を分けて歌おうということになり、選んだのがこの曲。導入部、中間部、そしてサビと3つの部分に分かれるので、それぞれを一人ずつで歌うことに。結果は大いに盛り上がり大成功でした。3大テノールが流行る前にそのようなことをやったことは、なかなか先見の明があったのでは、なんて思ったりします。本家の3大テノールは「オ・ソレ・ミオ」を3人で歌いましたが、サビの部分をパヴァロッティが伸ばして歌い、それに対抗してドミンゴ、カレーラス連合がさらに伸ばして歌うという、なんとも楽しく、贅沢な演出に感激してしまったことを思い出します。

    実際にゆかりの街を訪れることで、音楽はさらに生き生きとしたものになります。このような機会を今後も皆様にご紹介していければと思います。

    ナポリに行くツアーはこちら。
    憧れの街!ナポリとフィレンツェでオペラ鑑賞 ナポリ・ローマ・フィレンツェ 8日間
    イタリア4つの歌劇場めぐり ナポリ・ローマ・フィレンツェ・ミラノ 8日間
  • 2017年10月24日

    小澤征爾がベルリン・フィルの指揮を降板

    1月にベルリン・フィルを指揮する予定だった小澤征爾ですが、長距離移動の上指揮をすることが大きな負担となるという医師の助言を受け、残念ではありますが降板することとなりました。代役はミッコ・フランク。
  • 2017年10月24日

    ラン・ランが降板

    ピアニストのラン・ランが左手腱鞘炎の回復がおもわしくなく、ベルリン・フィル演奏会(11/4)のソリストを降板することになりました。代役はチョ・ソンジン。来日公演を含むアジアツアーにも同行する予定でしたがこちらも降板し、代役はユジャ・ワンになります。
  • 2017年10月24日

    チェコ・フィルの次期首席指揮者が決定

    イルジー・ビエロフラーヴェクが5月に死去して以来、空席だった首席指揮者のポストに2018シーズンからセミヨン・ビシュコフが就任することが発表されました。
  • 2017年10月17日

    今週の「宝石箱の1曲」
    【グローフェ ミシシッピ組曲】

    エンパイアステートビルの展望台入場券とMETのチケット半券
    「ニューヨークへ行きたいかぁっ?」「罰ゲームは怖くないかぁっ?」
    往年のクイズ番組「史上最大!アメリカ横断ウルトラクイズ」。1977年から1992年まで放送された、まさに「史上最大」の(おそらく今でも)クイズ番組。毎年テレビ放送されるのが楽しみで仕方ありませんでした。

    まだ海外旅行が身近でない時代。それまで優勝賞品で海外旅行プレゼントというのはありましたが、優勝しなくても予選段階で海外へ連れて行ってくれるという懐の大きさで「もしかしたら自分も海外にいけるかも??」と思うようになり「いつか出てやろう」とテレビの前で出される問題に回答するのですが、最初の後楽園球場で行われた○×クイズ段階で予選落ち。応募して後楽園球場へ行くこともありませんでした。知力だけでなく、運と体力も必要という展開も話題になりました。成田空港ではジャンケンに勝たないとサイパンへの飛行機に乗れず、機内ではくつろぐ暇なく大量のペーパーテスト、成績が悪ければ日本へ強制送還。バラマキクイズは走って息も絶え絶えに回答しなければならず、敗者は甲子園でサヨナラ負けを喫した高校球児のようにがっくりと膝をつく・・・
    クイズ番組というより人間ドラマ。タレントではない一般の出場者が勝ち進むにつれて個性を徐々に発揮して成長していく、それを画面の前で応援していく物語のようでした。名所で繰り広げられる各予選会場の様子は、雄大な自然を立体的に、手軽に見せてくれることで楽しめましたし、決勝のニューヨークでは勝ち残った2名が乗る2台のヘリコプターがカッコよく摩天楼を飛ぶ様子に「とにかくここへ行ってみたい」という憧れを持たせてくれました。実際最初の海外旅行でアメリカに行き、エンパイアステートビルの展望台から決勝会場であったパンナムビル(現メットライフ・ビル)を見たときは「ついにここまで来たぞ!」と感慨深くなったものです。

    このような番組はもう二度と実現できないでしょう。現在では仮の名前で予約を取った飛行機の搭乗者名を成田で当日決める(変更する)ということはセキュリティ上、不可能なことです。担当した旅行会社(残念ながら弊社ではありません)も行程を通じて相当な苦労があったはずです。

    曲について触れることがなく申し訳ありません。「ミシシッピ組曲」の第2曲「ハックルベリー・フィン」、第4曲「マルディ・グラ」ともに、このクイズ番組の予選勝ちぬきの時のファンファーレBGMとして流れた曲。勝者がガッツポーズして喜びを表す雰囲気がぐっと盛り上がる明るく楽しい曲です。グローフェはアメリカの名所や産業などテーマにした曲を多く残し、またアレンジャーとしてもガーシュウィンの「ラプソディ・イン・ブルー」のオーケストレーションで有名です。自然豊かで経済的にも邁進する巨大なアメリカを象徴するような壮大な曲の数々は元気をもたらせてくれます。アメリカ、久しく行っていないなぁ。またニューヨークに行きたいです!

    ニューヨークへ行くツアーはこちら»
  • 2017年10月13日

    ライプツィヒの聖トーマス教会

    先日、6月に聖トーマス教会で行われたバッハ/ミサ曲ロ短調の演奏の模様がテレビで放送されましたがご覧になった方も多いのではないでしょうか。(今後ブルーレイとDVDでも発売されるそうです。)

    この公演、バッハ音楽祭最終日の演奏会なのですが、私どももこの公演を聴くツアーを実施して、多くのお客様にご参加いただき、私も添乗員として同行しました。
    ご存じのとおり、聖トーマス教会はバッハゆかりの教会で彼がカントルとして亡くなるまで活躍した場所。そして内部にはバッハのお墓があります。そのバッハが眠る場所で彼の音楽を聴くとは、なんと感動的な体験!!最初の「キリエ」の和音が鳴ったとき、鳥肌が立ったのを覚えています。

    今回の放送では90歳を迎えたブロムシュテットのしっかりとした指揮をはじめ、演奏者の姿をじっくりと見ることができました。というのは教会後方2階のパイプオルガンが設置されている場所でオーケストラは演奏するので、1階に設置されている祭壇向きの席からでは、振り返らない限りその姿を見ることができないのです。つまり、後ろから音が飛んでくる状態。ただ教会特有の音響が頭上に響き渡ると、そのようなハンデは特に気になりません。バッハのお墓に正対して音楽を聴いていると、もしかしたら彼がよみがえってくるのではないかと思ったりして。(2階には、演奏の様子を近くで見ることができる席も一部あります)。

    今すぐライプツィヒへ行きたくなったら、ちょうど11/29出発のツアーで聖トーマス教会へご案内できます。バッハ記念館、バッハを世に広めたメンデルスゾーンの記念館、そしてゲヴァントハウス管弦楽団の演奏会お楽しみいただけます。ぜひ、ライプツィヒへ行ってみませんか?
    ツアーはその後、ドレスデンとベルリンを訪れます。
  • 2017年10月6日

    初めてサントリーホールに行ったのは・・・

    サントリーホールのバックステージツアーに参加しました。普段は客席で聴いているホールの裏側を見られるなんて!9月にリニューアルオープンしたばかりのホールがどのように変わったのかも興味深いところです。

    まず20分程のドキュメンタリー映画を見るのですが、ウィーン・フィルが初めてサントリーホールで演奏する様子が出てきます。ベートーヴェン「田園」のリハーサル映像なのですが、私が初めてサントリーホールで聴いたのが、まさにその「田園」。記憶の奥底から、この時のことがフワーっとよみがえってきました。でも正直、その時の記憶が断片的にしか残っていないのです。初海外オケのコンサート、しかも憧れのウィーン・フィル。そして体験したことが無い会場の華やかな雰囲気に頭がボーっとしていました。

    映像ではとても若いアバドが溌剌とリハーサルの指揮をしています。断片的な記憶の中でも良く覚えているのが、そのアバドの指揮姿。座席はステージ後ろのP席。指揮者を正面から見る経験はこれまでありませんから、最初は何かテレビでも見ているような感じで新鮮でした。アバドの表情や間合いをずっと見ていると、自分がアバドに指揮されて、オケで楽器を弾いているような錯覚に陥りました。思わず音を出すタイミングに合わせて体に力が入っていました。

    そして、アバドの指揮姿を焼き付けた私は、家に帰るとアバドの指揮姿をマネしていました。掴んだイメージを言葉にするとしたら、腕の高さと手は、幽霊が「うらめしや〜」と出てくるときの形。その腕をちょっと前に伸ばして指揮棒を持つとアバドになれるな、なんて自分では表現していたのですが、果たしてそれで似ていたのでしょうか。今となっては懐かしい思い出です。
  • 2017年10月3日

    オーストリアご旅行の際は、マスク着用禁止!?

    10月1日(日)から、「覆面禁止法」が施行される旨が、オーストリア政府より発表されました。
    公共の場で認識できない程度に顔を覆うことが禁止され、その範囲は風邪・花粉症用のマスクまで対象になる可能性があるとのこと。また、警官の指示に従わず、覆いを外すことを拒否した場合は、最大150ユーロ以下の罰金が科されるとのことです。
    オーストリアへ渡航される際は、ご留意ください。
  • 2017年9月22日

    食わず嫌い

    イチョウ並木の下を通ったら、あの独特な匂いがしてきました。そう、銀杏です。「まだ9月なのに、ずいぶん早いな」と思ったのですが、一部の実が台風の強風で早く落ちてしまったようです。
    銀杏が私は大好きです。でも、最初は嫌いでした。子供の頃、秋になると家で炒ったものが食卓に出されていましたが、キッチンからあの匂いがやって来るだけでいやな気分。ましてや口にする気なんか起きません。「なんでこんなもの、食べるの??」と思いました。予告なく茶わん蒸しに入れられた時は罰ゲームのようでした。誤って噛んでしまうとあの中途半端な触感と苦みを伴った青臭い味が口に広がって、何とも言えない気分でした。
    でも、それを繰り返しているうちに、子供ながらあの味と触感の虜になっていました。匂いもたいしたことないし、思ったほど苦くはない。表はプリッとした歯ごたえで中身の微妙な柔らかさがまたいい。「大人の味がわかり始めたぞ!」なんて思いながらむしゃむしゃ食べていました。

    食わず嫌いというか、慣れなのかもしれませんが、頑張って好きになろうとしたわけでなく、いつの間にか、その良さに気付いているということ。食べ物だけでなく音楽にも同じようなことがあります。「最初は聞いても意味が分からない」「なんか自分と合わない」でもだんだん聴いているうちに、いつの間にかしっくりくるようになる。「あれ、この曲、いつから好きになったのだろう?」こんな新しい発見があるし、その先がさらに広がるから面白いのですね。
    私の場合、室内楽は蚊帳の外だったのですが、結構いいな、と思いはじめて聴く機会も多くなっています。作曲家だとブルックナーやショスタコーヴィチは結構抵抗がありましたが、聴く機会も多くなるにつれて自然に抵抗はなくなってきました。さらにあまり表舞台には出てこない作曲家の作品も探して聴いたりしています。「この曲、結構いいじゃん」と発見できると嬉しいものです。そのような作品、また改めてここで紹介したいと思います。

    味覚の秋がそこまで近づいてきました。銀杏はシンプルに、炙って塩をつけて食べるのが一番と思っていますが、もっとお勧めの食べ方、ありますか?
  • 2017年9月8日

    ウィーン国立歌劇場の字幕システム、ついに日本語が登場!

    ウィーン国立歌劇場では2017-18シーズンが始まりましたが、今シーズンより新しい字幕システムが導入されました。対応言語はこれまでドイツ語と英語だけでしたが、新たに日本語を加えた6つの言語(ドイツ語、英語、日本語、イタリア語、フランス語、ロシア語)に対応できるようになりました。また、上演演目情報や出演者情報もドイツ語と英語だけですが表示されるようになりました。

    ウィーン国立歌劇場の字幕は、座席ごとに設置されているのが特徴。画面もタブレット端末になりこれまでより大きく見やすくなりました。
    ウィーン国立歌劇場は日本からのお客様が全体の7%を占めるとのこと。日本人に対して利便性を高めてもらえたのはありがたいことです。
  • 2017年9月1日

    バイロイト音楽祭で男性がブリュンヒルデ役??

    8月28日のバイロイト音楽祭「神々の黄昏」第1幕上演中に、ブリュンヒルデ役のキャスリーン・フォスターが足を捻挫。演技ができないため通常なら代役歌手を出すことになるのですが、今回取られた策は歌手キャスリーン・フォスターが舞台袖から歌い、演技だけを「男性」演出助手であるアンドレアス・ローザーが舞台上で行うというもの。ローザーは素晴らしい演技を続け、カーテンコールは30分に及んだとのことです。男性だとしても演技を良く知る演出助手だったからこそ、今回の様な奇策が考えられたのでしょう。

    来年のバイロイト音楽祭は「リング」での上演はなく、「ワルキューレ」がプラシド・ドミンゴ指揮で上演されるとのことです。
  • 2017年9月1日

    ザルツブルク ❹

     聖ペーター教会
    前回、モーツァルトのミサ曲ハ短調の初演がザルツブルクで行われたことを書きましたが、その場所は聖ペーター教会。ドイツ語圏で現存する最古の修道院(696年創設)に付属した教会で、現在の建物はその後新たに1782年ごろまでに造られたということです。タマネギのような形をした塔と白を基調とした天井に壮麗なフレスコ画が映える非常に美しい内装です。

    そのすぐそばにレストラン「シュティフツケラー・ザンクトペーター」があります。私どものお客様によくご利用いただくのですが、なんと西暦803年の記録に登場しているのだとか!日本では「鳴くよウグイス平安京」が794年ですから、まさに平安時代初期から現在まで続いているヨーロッパ最古のレストランということになります。レストランの規模は意外に大きく、岩山をくりぬいた中庭の席やたくさんの宴会場があり、音楽祭公演が終わると多くのお客様で賑わいます。また、出演している音楽家も訪れることがあり、店内にはネトレプコやムーティをはじめとした写真が飾られています。モーツァルトの曲を聴いて食事できるモーツァルト・ディナーも人気があります。


    ザンクトペーターの入口

    ザルツブルガーノッケル©Tourismus Salzburg
    定番のオーストリア料理であるシュニッツェルやターフェルシュピッツ、そしてふわふわメレンゲに焼き色をつけてザルツブルクの山々を模したデザート、ザルツブルガー・ノッケルなどがメニューに並んでいます。しかし、創業当時はいったいどのようなメニューが提供されていたのでしょうか。修道院はブドウ畑を所有し、ワイン醸造と販売を行っていましたのでワインやそれに合う食事だったのでしょう。
    早いもので、もう8月も終わり。ザルツブルク音楽祭もすべての公演が終了しました。来年の夏はぜひ、素敵なザルツブルクへ行ってみませんか?
    おっと、その前に。1月から2月にはモーツァルト週間が開催されウィーン・フィルも再び登場、3月から4月にはイースター音楽祭が開催され、ティーレマン率いるドレスデン国立歌劇場が引っ越しして公演を行います。ライブでもツアーを企画していますので、こちらもぜひご検討下さい。
  • 2017年8月25日

    今週の「宝石箱の1曲」
    【モーツァルト ミサ曲ハ短調 K.427】

    今年のザルツブルク音楽祭で上演された歌劇「皇帝ティートの慈悲」は通常の上演とは異なりこのミサ曲が所々に織り込まれていました。事前に現地ラジオ放送をインターネット経由で聴いていたのですが、実際の上演を鑑賞することで物語の印象をさらに深める効果を上げていたと思いました。モーツァルトが完成に至らないまま初演を行ったのはザルツブルクで、妻のコンスタンツェがソプラノ・パートを担いましたが、結局、全曲を完成させることがでなかった作品です。

    冒頭は悲痛な嘆きを表すような旋律の「kyrie(キリエ)」。映画「アマデウス」ではモーツァルトの結婚式場面でこの部分が使われています。ハッピーであるはずの結婚式のBGMがなぜこの悲痛なBGMになっているのか。父親に歓迎されない結婚、また彼の短く波乱ある人生を予感させているようにも思えます。それに対して喜びが駆け上がるようなチャーミングなソプラノ・ソロ「Laudamus te(我らは主をほめ)」は、まだ結婚したての妻コンスタンツェを地元ザルツブルクでアピールするにはうってつけの曲だったのかもしれません。

    名曲ばかりのモーツァルトの曲に順位を付けることはなかなかできませんが、自分の中では間違いなくベスト10に入る作品です。
  • 2017年8月22日

    ザルツブルク ❸


    カラヤン像

    ミラベル庭園

    音楽祭会場前
    ザルツブルクにやって来ました。天候の変化が多く寒い日もあったようですが、私の滞在中は幸いにも天気に恵まれ暑い日が続いています。今年も多くのお客様にご参加をいただいています。ありがとうございます。
    今年は例年と異なり会場でのセキュリティが厳しく、持ち込むバッグの中をチェックされます。チケット不携帯の私たちもお客様ご案内のために会場へ入ることができたのですが、今年は一切不可。世界からお客様が集まる場所ですからテロ警戒の意識が高くなっています。

    「ライブ」では数多くの音楽鑑賞ツアーをご案内していますが、なかでも音楽祭鑑賞の魅力は「同じ場所に滞在しながら、日替わりで世界一流の音楽家の演奏が聴けること」です。
    ホテルも同じなので荷物を置きっぱなしでOK。都市間移動時間も不要なので公演がないときは観光やショッピングに十分な時間が取れます。まるでその街に暮らしているように。
    ザルツブルクの歴史ある街並みだけでなく、少し足を延ばせばザルツカンマーグートの大自然を眺めることもできます。もちろん音楽鑑賞も主会場となる3つのホールを中心に連日公演が繰り広げられています。公演のハシゴをすることもできます。例えば8月19日(土)であれば、

    11:00〜 ウィーン・フィル鑑賞(90歳のブロムシュテットが得意のブルックナーを指揮)

    13:30 昼食後

    15:00〜 モーツァルト「皇帝ティートの慈悲」(注目のクルレンツィスが指揮し、奇才セラーズの演出が見もの)

    18:30 簡単な夕食後

    19:30〜 ヴェルディ「アイーダ」(ムーティ指揮、ネトレプコ出演のプレミア公演)

    ・・・・

    もう日本では考えられないような「音楽の漬け物状態」になることが可能でした(私は個人的にトライしたかったのですが・・・きっと夜は腑抜けのようになってしまったでしょう)。
    ぜひ、来年のザルツブルクで皆様のトライアルをお待ちしております。

    ※話題の「アイーダ」はTV収録されていますので、後日、日本でも放送され、映像作品として販売される予定と思われます。
  • 2017年8月15日

    ザルツブルク ❷

    「ザルツブルク音楽祭」で思い出すことのひとつに「FMエアチェック」があります。
    好きなレコードをしょっちゅう買えるような環境ではなかったので、頻繁にクラシックを流しているNHK-FMを録音することはレパートリーを増やすための生活の一部になっていて、特に今以上に放送本数が多かったザルツブルク音楽祭など海外のコンサートの録音中継は、レコードでは聴けないような組み合わせ(オケと指揮者、曲目)をFM雑誌の番組表で発見してはラインマーカーで塗りつぶし、ひとり興奮していました。

    いざ放送日。まずはラジカセ(懐かしい言葉!)の電波状況を確認します。ノイズが入らないアンテナの向き、場所を探して家じゅうを移動。ベストポジションを探すと、今度はカセットテープの入れ替え確認。長い曲になると90分テープの片面45分では入りきらないので、どの楽章の切れ目で新しいカセットに入れ替えるかをシミュレーションします(都合片面だけ録音した2本以上のカセットが出来上がりますが、後で編集ダビングして1本にします)。そして放送が近くなると、家電製品の電源ON/OFFをしないように家族に呼びかけます。電源スイッチ入れ替えでノイズが発生してしまうのです。レコードのような完璧な状態で録音することを目指していたのですが、いざ放送が始まると近くを車が走って「ブチブチ」、原因不明のノイズが「シャー」、母親がオーブンのスイッチを入れて「ブチッ」。そのたびに「わぁー、ノイズ入っちゃったじゃないか!」と発狂しそうなくらい騒いでいたことを思い出します。

    当時カラヤン、バーンスタイン、レヴァイン、ムーティなどそうそうたるマエストロが日替わりでウィーン・フィルを指揮した公演が放送され「ザルツブルクはそのような特別な場所なのだ。どんなところなのだろうか。いつか行けるだろうか」と想像を膨らませていました。
    大量のカセットテープは今ではCD-Rにダビングされて残っていますが、かなりのテープは聴くに堪えられないほど音質が劣化してしまい、泣く泣く廃棄することになりました。前述のような苦労は今では笑い話で懐かしく思いますが、当時はそのくらいの思いで音楽を求めていたのだと思います。幸いにもザルツブルクへ行くことができ、演奏も聴くことができましたが、たまには当時の思いに浸りながら懐かしい録音でも聴いてみましょうか。
  • 2017年8月10日

    今週の「宝石箱の1曲」
    【佐藤眞 混声合唱とオーケストラのためのカンタータ「土の歌」】

    8月になると必ず聴く曲。合唱曲「大地讃頌」はこのカンタータに含まれる最終曲(第7楽章)で、学校のクラス合唱でもよく取り上げられる名曲です。私もこれまで何度歌ったことか。
    歌い始めてしばらくして「土の歌」全曲を聴く機会があったのですが、その時から、それまで抱いていた思いとは違う思いで歌うようになっていました。「大地讃頌」に至るまでの曲で、大木惇夫の詩には土の素晴らしさを讃える一方、戦争、原爆、そしてそれらを生み出し、土を汚した人間への非難が込められています。
    「大地讃頌」は子供心ではかっこよく盛り上がる曲なので好きだったのですが、その前の6曲の意味を踏まえて歌うことでさらに深い感銘をもたらす曲となりました。
    まだ叶っていませんが一度全曲を歌う機会があれば、と今でも思っています。
  • 2017年8月8日

    ザルツブルク

    「ああ!ここに住めたら幸せなのに・・・」
    初めてザルツブルクを訪れたときに思わずつぶやいた言葉です。

    そのザルツブルクで今年もまた夏の音楽祭が始まりました。ザルツブルク自体は小さな街ですが、そこをめがけて世界トップレベルの音楽家はもちろん、その演奏を楽しむお客様が世界中からやってきて、まさに「祭」といった華やかな雰囲気になります。ここにやってくる音楽家たちは普段とは異なり、ラフな雰囲気を見せることが多いような気がします。楽屋口では気軽にサインに応じたり、一緒にカメラに収まってくれたり。街中のレストランで食事している姿を見かけることも。私もホテルザッハーのエレベータで今は亡きマゼールと偶然一緒になったことがありますが、気軽に会話をしてもらったことがあります。

    今年はどのような演奏が毎日繰り広げられるのか、大変楽しみです。ザルツブルクは夏だけでなく、他の季節も訪れたい所。クリスマス時期には「きよしこの夜」で有名なオーベンドルフが近郊にありますし、冬のモーツァルト音楽祭、そして春のイースター音楽祭と音楽に関する見どころがあります。「ライブ」でもツアーをご用意していますので、ぜひご検討ください。
  • 2017年8月4日

    フィリップ・ジョルダンが次期ウィーン国立歌劇場の音楽監督に

    現在、パリ国立オペラの音楽監督であるフィリップ・ジョルダンが、2020年シーズンよりウィーン国立歌劇場の音楽監督に就任することが発表されました。同ポストは前任のフランツ・ウェルザー・メストが退任してから空席のままとなっています。フィリップ・ジョルダンはウィーン交響楽団の首席指揮者も務め、冬には同団を率いて来日公演を行います。これまでも数々の歌劇場やオーケストラで指揮してきた若い才能にこれまで以上に注目が集まります。
  • 2017年8月1日

    エルンスト・オッテンザマー(クラリネット奏者)が急死

    ウィーン・フィルの首席クラリネット奏者エルンスト・オッテンザマーが心臓発作のため7月22日に61歳で亡くなった。1979年にウィーン国立歌劇場管弦楽団のメンバーとなり、1983年よりウィーン・フィルの首席奏者として活躍。複数の室内楽団を設立したり、ウィーン音楽大学で教鞭をとっていました。また、息子のダニエルはウィーン・フィル、アンドレアスはベルリン・フィルでそれぞれ首席として活躍するクラリネット一家として有名でした。
  • 2017年7月7日

    パーヴォ・ヤルヴィ(指揮者)が新たなポストに就任予定

    パーヴォ・ヤルヴィが、スイスの名門チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団の音楽監督兼首席指揮者に就任することが発表されました(2019-20年シーズンより)。 現在、NHK交響楽団の首席指揮者として日本でも活躍、ベルリン・フィルなど世界主要団体への客演も多く忙しい指揮者の一人ですが、新たなヨーロッパでのポストを得ることで今後の活動が注目されます。
  • 2017年6月2日

    イルジー・ビエロフラーヴェク(指揮者)が死去

    6月1日、チェコの指揮者イルジー・ビエロフラーヴェクが重い病気の末、71歳で死去したと報じられました。 チェコ・フィルの首席指揮者として活躍するだけでなく各地のオーケストラにも幅広く客演し、日本でもなじみが 深かった存在です。最近では2015年に来日、今年の秋にもチェコ・フィルを率いて来日する予定でした。
  • 2017年4月28日

    ベルリン国立歌劇場の再オープン発表

    改修工事中のベルリン国立歌劇場が10月3日に再開することが発表されました。これは当初の再開予定より4年も遅れたことになります。 工事期間中はシラー劇場で公演を続けられていますが、1742年創建の歴史ある建物での再開を待ち望んでいたファンにとっては「ようやく」といったところでしょう。 次期プログラムは6月に発表される予定です。
  • 2017年4月25日

    ドレスデンに新コンサートホール誕生!

    ドレスデンの中心部にオープンする文化複合施設「クルトゥーア・パラスト」内にコンサートホールが新設されます。 1800の座席がステージを取り巻く構造で、4/29(土)に本拠地オーケストラであるドレスデン・フィルがベートーヴェンの第9を演奏して、新たな門出を祝います。

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