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JTB交流文化賞

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交流文化賞 ジュニア体験部門

第11回 JTB交流文化賞 受賞・入選作品

中学生の部

入選

世界遺産からツナグ

竹田 紗良

昨夏、私は思いがけず貴重な体験をした。家族でのクルーズ旅行中に、二つの世界遺産を訪れる機会に恵まれたのだ。まず、古来より独自の生態系を築いてきた知床半島、そして世界最大級の原生ブナ林を誇る白神山地だ。

知床半島では、海上から半島を周遊し、その全景を間近で眺めるという非常に珍しい体験ができた。クルーズを始めるや否や鋭いナイフで削ったかのような海岸線が目に飛び込んで来た。地上からは見ることができないその景色は、生まれたままの地球が自然と共に長い年月をかけて作り出した芸術作品のようであった。特に圧巻だったのは偶然にも、潮吹きクジラを目の前で見られたことだ。デッキサイドに上がった瞬間の出来事で、まるで私達を歓迎しているかのようだった。妹と「すごい!すごい!」と興奮していると、別の方向にはなんとイルカの群れが見えてきた。人を寄せつけないような断崖絶壁の近くを可愛らしいイルカが泳いでいるのはとても新鮮な光景だ。冬には流氷が見られることで有名なこの地域は、氷に住むプランクトンが豊かな生態系を支えているらしい。そんなことを考えながら幾重にも重なる命の連鎖に思いを馳せていると、普段自分が抱えている悩みなんて、本当にちっぽけなものに思えてくる。これこそが旅の醍醐味なのかもしれない。

次なる目的地、白神山地では山地内を軽くハイキングし、天然のブナ林を存分に堪能した。台風の影響で「暗門の滝」へと向かうことができなかったことが少し残念だった。それでもバスを降りた瞬間、ひんやりとした空気の気持ち良さに、大きく深呼吸したくなった。空までも覆い尽くしてしまいそうな緑、緑、緑に目を奪われる。山に入ってみて驚いたのは、ブナを始めとした木々が自由奔放に曲がりに曲がっていたことだ。ただ不思議なことに、なぜか木々に対して下草だけは綺麗に整えられている。天然林で人が手を加えるはずはないのに、なぜ?と頭を悩ませているとインストラクターの方が「ここは木がいろんな方向を向いて、日光を塞いでいるから下草が育たないんだ。天然林は人工林とは違って自分でお掃除できるんだよなぁ」と説明して下さった。私は、なるほどと納得し、天然林のまた新たな魅力を発見できた気がした。余談だが、帰り際に青森県特産のリンゴソフトクリームを食べた。山の疲れもあってか、おいしさは世界遺産級だった。

二十一世紀の今、世界中で地球温暖化が危惧されている。先日、深刻化する温暖化問題についてのテレビ特集を観た。その中のひとつに、日焼けして売り物にならないりんごがあった。自然のことだから仕方がないとは言えども、手間のかかる作物であるからこそ本当に悲しいし、悔しい、と話す農家さんを見ていると、あの時食べたソフトクリームの味を思い出して涙が出そうになった。このような農作物はもちろん、地球温暖化は世界遺産にまでも手をつけ始めている。

例えば今回行った知床半島の場合、ここ五十年で平均気温は約二度上昇し、有名な流氷は、約三割減少したという。流氷が減少した海は、栄養分となるプランクトンが減少し、食物連鎖に多大な影響を及ぼす。あんなにも神秘的で雄大な知床半島が、だんだん壊されているという事実は本当に許しがたい。そもそも世界遺産は、人類共通のかけがえのない宝物を守っていく目的で作られたはずである。それなのに、人類の無茶な行いによる地球温暖化でそれが破壊されているというのは、なんて矛盾しているのだろう。

何か解決策はないものか、と考えた時に私が提案したいのは実際に自分の足で世界遺産に赴く、ということ。私たちの住む日本にはこんなにも素晴らしい景観や、興味深い自然という宝物があるんだ、と思ってもらえることに意味がある。地球温暖化や世界遺産保全というのは、本当に難しい問題だ。だからこそ、私が知床半島や白神山地で肌で感じたような感動が、これらの問題の解決への第一歩であったら素敵だと思う。これから先、世界遺産に感動した誰かがこの問題について真剣に考え、そしてそんな人がだんだん増えて、いつか解決する日を信じたい。私も次なる宝物に会いに行く準備をしよう。目指すは豊かな自然の小笠原諸島。未来へとツナグ想いを胸に……。

受賞作品

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