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JTB交流文化賞

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交流文化賞 ジュニア体験部門

第11回 JTB交流文化賞 受賞・入選作品

中学生の部

入選

研修から深まった思い

大杉 明日香

炎が燃えている。赤いマグマが物言いたげに地を焼いている。キラウェア火山の夜の光景は、女神ペレが美しい姿で踊っているかのように神秘的で、その場からしばらく離れたくないと思うほどだった。

私は昨年の夏、静岡子ども環境大使の一員として、中学生四人、新聞記者の方など大人五人、合わせて九人でのハワイ研修に参加した。出発前は、初めての海外、初めての飛行機に期待と不安が入り混じり、どこか落ち着かない自分がいた。私の気持ちを察して、海外へ行くことに慣れている女性記者の方が励ましてくださり、いざ出発。長い空の旅を終えて、一日目から、行き交う英語に困惑し早くもホームシック。先行き不安な夜を過ごした。しかし、朝目覚めて、サンサンと降り注ぐ太陽の光と、三人の大使の仲間、スタッフの皆さんの笑顔に勇気をもらい、大使としてここにいるのだという自覚を持ち直した。

昼間のキラウェア火山国立公園では、ペレが激しく踊る夜とは全く違った様子の自然を見た。レンジャーというボランティアのガイドに案内されて、山道を歩いた。そこには、常夏の楽園ハワイとは別の顔があった。世界有数の観光地であるがゆえの問題。植物を見ても、海外から持ち込まれた外来種が在来種の存在を脅かしていた。例えばカヒリジンジャーという花。一見、黄色の大きな花で南国にピッタリと思ってしまうが、ジンジャーという名の通り、地下茎が横走して塊をなし、他の植物の養分を奪ってしまう。また、背丈も高いため、在来種に日の光が当たらない。こうした問題は植物だけに止まらず、野鳥、動物にまで及んでいる。このまま放置すれば、当然ハワイの自然が壊されてしまう。そこで、ボランティアの団体が活躍している。外来種を枯らす目的で農薬をまけば、在来種まで枯らしてしまうため、カヒリジンジャーの茎を一本一本手作業で切り、切り口に農薬をたらすという方法を用いている。考えただけでも、気が遠くなるほどの大変な作業だ。

環境破壊、地球温暖化、言葉の意味は理解しているつもりでいたが、遠く海外の地で、その現状を目の当たりにして、気が付いたこと。それは、破壊したのは人間であり、またその破壊を食い止めようと努力しているのも人間だということだ。ハワイの大使とも交流するなかで「マラマ・アイナ」という言葉が印象に残った。「自分たちの大地を現在の状態のまま後世へ引き継ぐ」という意味で、ハワイにはその考えが浸透している。自分たちを育んでくれる大地を破壊することなく、愛すべき大地のまま後世に残していく。そのことを、若い世代が自覚し、具体的にアクションを起こしている。青い海が最高に美しかったハワイでは、海ガメの保護や浜辺の清掃活動などにも学生が積極的に関わる。民族舞踊のフラダンスにも、大地への愛を意味する表現があり、首にレイをかけて一緒に踊った。

ゴミの分別、エコバッグ、自分なりに実践していたCO2削減への取り組みではあったが、わが大地、地球への思いをより強くしたハワイの友との出会いだった。最近、新聞で「北極海の氷が減り、ホッキョクグマが暮らしにくくなってきた」という記事を読み、昨年の研修を思い出し、動物や人間が住みづらい地球にしてはいけないと改めて思った。

戦国武将の武田信玄がこう語っている「人は皆十二、三歳のときに聞いて根づいたことが、一生の間忘れられず、なかでも声変わりする時分が大切だ」さらに「その年代によい者と交わればよくなり、悪い者と交われば悪くなる」と。私がこの研修に参加したのは十二歳の夏、そして今十三歳。旅行の後にも、両国の大使たちの言動を何度も思い返し、知識豊富なスタッフの方たちに教えていただいたことを日々実践している。信玄の言葉通り、この年代の貴重な出会いが、私の狭かった視野を、環境、生活、あらゆる面で広げてくれた。八日間を海外で過ごし、自分の未熟さを知り、家族への感謝の思いがあふれた。

初日の涙は寂し涙半分、悔し涙半分だった。周囲の英語が聞き取れず、自分の思いさえ伝えられないことへの焦り、大使の中で最年少だったことを言い訳にして、誰かが助けてくれると心のどこかで思っていた自分の甘さ、さまざまな感情が交錯して涙があふれた。しかし、その後も結局皆に助けられ、それでも大使として吸収すべきことを考え、ホームステイ先のご家族やハワイの学生らの生き方から、日常の中で環境保護について考え、颯爽と行動する様子に学ぶことが多かった。帰国後は、環境に関する記事を見逃すまいと読むようになり、両親から「研修前より自発的に行動できるようになったね」と言われた。この年代でこうした貴重な体験ができたことに、家族、大使の仲間、新聞社と県の職員、関係してくださった全ての皆さんへの感謝の心を忘れず、これからの行動で恩返しをしていきたいと、今、強く感じている。

受賞作品

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