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交流文化賞 ジュニア体験部門

第11回 JTB交流文化賞 受賞・入選作品

中学生の部

入選

あの笑顔から考えたこと

内山 はる香

トントン。窓を叩く音がする。
“What’s your name?”
バスの窓越しにそう聞かれて、私はハッとして窓の外を見た。そこには一人のおじさんが、真っ白な歯を見せて笑顔で立っていた。

私はこの夏、フィリピンに行った。そこで、イロイロ市のあるパナイ島からギマラス島へバンカーボートで移動した。そのときに港で会ったのがそのおじさんだ。おじさんは私が名前を答えるとにっこりして、
“My name is ……”
と言いながら、バスの窓にアルファベットを書き始めた。
“LUOBY”
おじさんはこう書くと、満足そうな顔をして、いろいろな質問をし始めた。私が質問に答えているとき、バスが動き出した。私は急いで
“Salamat!”(「ありがとう」)
と言って手を振ると、おじさんもバスが見えなくなるまで手を振り続けてくれた。

後で聞いたところ、そのおじさんは駐車場の誘導員だそうだ。フィリピンでは、誘導員という仕事は会社で働くよりもずっと給料が安いと聞いた。その給料で家族を養うのはとても大変だろう。でもおじさんは終始笑顔で楽しそうに私に接してくれたのだ。生活の苦しさを見せないおじさんの笑顔が、とても輝いて見えた。

また、ギマラス島では、マンゴーアクセサリー作りを体験した。その場所では女性たちが働いていた。フィリピンは海外への出稼ぎ率が高い。ここの女性たちは、夫が出稼ぎに行っていて家にいない間の収入源として、アクセサリーを作っているそうだ。

私は説明を聞くと、早速アクセサリーを作り始めた。ところが、アクセサリーをつなぐ金具を輪の形にできない。ペンチが思うように使えないのだ。四苦八苦していると、後ろから細い腕がのびてきて、私のペンチをつかむとあっという間に金具を曲げてきれいな輪にした。驚いて振り返ると、頭にバンダナを巻いた背の高いおばあさんがいて、「早く続きをしなさい」というような身振りをした。私はアクセサリーに金具を通し、それをゴムに通し、ビーズなどで飾り付けをした。「やっとできた」と思って一息ついていると、さっきのおばあさんが私の作品を見に来た。随分まじまじと見ているなあと思って見ると、おばあさんはゆっくりと目を細めてにかっと笑った。その顔を見て、私も思わず笑顔になった。周りで働いている、子どもを連れたお母さんたちも、私の作品ができたのを見て手を叩いて喜んでくれた。アクセサリーができただけでこんなに喜んでくれたので少し恥ずかしかったが、とても嬉しかった。

この旅行で私が見たフィリピンの人々は本当に優しかった。そして、驚くほど陽気だった。マニラで観光したとき、マーケットではおじさんが猫を膝にのせて口笛を吹いていた。魚を売っているおばさんも鼻歌を歌っていた。ショッピングモールでは、店員さんが
“May I help you?”
と言ったかと思えば、次の瞬間には店内でかかっている曲に合わせて歌っていたし、かごをくれた別の店員さんも、余ったかごを使って踊っていた。空港ではパスポートを手にムーンウォークをしている人もいた。街中がまるでミュージカルのようで、みんなが日々の生活を楽しんでいるように感じた。

私はフィリピンに行く前、この国の人々は貧しくて、雰囲気も暗いというイメージを抱いていた。ところが行ってみたらどうだろう、マニラのマカティ区は日本の大都会のように発展して活気に満ちていた。確かに路上で生活している人々もいたし、不衛生だと思う場所もあった。しかし、それ以上に深く印象に残ったのは、フィリピンの人々の笑顔がすてきで優しくて、歌と踊りが大好きで、一日一日を一生懸命生きているその姿だった。私にはそれらの全てが驚きだった。

私はこの夏、さまざまな人に出会った。現地に行って観光したり、そこに暮らす人々と触れ合うことで、私の先入観は消えていった。私はフィリピンで出会ったたくさんの人々の笑顔をずっと忘れない。私はもう一度フィリピンへ行って、今度は現地語を使って、もっともっと人々と話し合いたい。笑い合いたい。

どんな所か分からないのなら、実際に行ってみれば良いのだ。きっと、テレビや新聞では分からない、その土地の雰囲気、人々の笑顔、そんなものがたくさん自分の中に飛び込んでくるはずだから。私がこう考えることができるようになったのは、この旅があったからだ。

受賞作品

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